浜松2

外国人が暮らしやすい街にするために浜松市が取り組んでいること

先週、浜松市にある浜松市外国人学習支援センターに外国人が暮らしやすい街にするために工夫していることを聞いてきた。
浜松市は昔から日系ブラジル人が住んでいたこともあって10年前には3万人、平成30年は総人口805,110人のうち外国人は23,963人と多く住んでいる街である。
さらに定住(長期で滞在している人)人口はそのうち約8割を占めている。

昔から外国人が多い浜松市は日本語のサポートや地域として外国人から相談にのって解決していることを聞いていたので多文化共生を実現する上で鍵になることを学ぶため話を聞いてきた。

1.日本語教育で工夫していること

浜松市外国人学習支援センターでは日本語を教える際に日本語教師とボランティアの役割を分けて日本語を教えている。
日本語教師として資格を持っている人が対マスの授業を行なっている。授業には専門的な知識や経験が必要になるためボランティアにではなく資格を持つ人に任せることで質を担保している。
ボランティアには5ヶ月間研修を行った上でマンツーマンで外国に人に日本語のサポートをしている。
マンツーマン形式を取ることで日本語を学ぶ人は自分と相性の良い人から教わることができる。それにより、職場に人には相談しにくい子供のことや遺産などシビアな悩みも話すことができる相談機能を担えているのだ。
ちなみに、ボランティアをする人は30-60代の女性や定年を迎えた男性が多いみたいだ。

あと、話を聞いていて初めて知ったことなのだが、外国籍の子供は義務教育の対象ではなく、就学義務を負っていないそうだ。もちろん、希望をすれば教育を受けることができるのだが。
そのため、日本の学校についていけず中退する人や高校に進学しない人も少なくないみたいだ。
そういう人たちは就労支援がされず派遣として働かざるを得ない状況になっている。これだけ外国籍の子供が増えているのに教育義務がないには大きな問題だとおもう。
詳しくはこちらに記載があります。

2.外国人の悩みを解決する上で工夫していること

1つ目が多文化体験スクールを行っている。外国の人は自国のコミュニティで固まっていることが多く日本人と関わることが少ないため、日本のボランティアを中心に日本人との交流を目的に行っている。
いろいろな土地を訪れたり、食べ物を一緒に作ることで職場では出会えない人と仲良くなる機会を作っている。

2つ目が、先ほど挙げた日本語を教える中で出てきた悩みを地域の専門家に繋げている。例えばメンタルケアが必要な人には精神科の先生を繋げたり、法律に関わるものは弁護士を紹介したり。
これは地域で事業を展開することで地域の様々な人と関わりがあるから成せることだと考える。あとは公益団体だから公的に繋げやすい周りが協力してもらいやすいこともある。

3.多文化共生実現に向けて鍵になること

今回の話を踏まえて、多文化共生実現に向けて鍵になることは言語のサポートを専門家が行うこと、そして日本人とつなげる機会を作ることだと感じた。
派遣の仕事だとコンビニや工場のライン作業が多く日本語を話せなくても成り立ってしまうことからやめてしまう。
そうすると言語が上達しない上に相談相手もいなくなってしまうので、長く生活する上で生じる問題が解消されにくくなってしまう。
また、事業を行う上では地域にしっかり溶け込んで地域の人と繋がりを作らなければ外国の人のためになる事業は行えないと感じた。専門家とつなげることもできないし、イベントを開いても日本人に参加してもらえない恐れがあるからだ。

あともう1つ面白かったことが世代が変わることはチャンスだということだ。
例えばお話を聞いた方は小さい頃からブラジルの人がいて仲良くしていたから今も外国の人に対して違和感がないと言っていた。
つまりまだ価値観が出来上がっていない小さい頃からいろんな文化の人と仲良くなることで多文化共生に近づくと感じたので若い世代とつなげることも1つ大切だと思った。

そして、2020年代に日本が多文化共生を実現できている国を目指して行動していきたい。

やはり、アウトプットやアイデアをひらめくためには活動している人に話を伺うことが何よりも大切だと感じたし、ありがたいことに学生だからこそ忙しい中話をしていただける方がいるので様々な人からもっと話を聞いていきたいと改めて思った次第です。