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生きているからこそ会える|父親を亡くした経験から想う父子の絆の大切さ〜みほさん〜

こんにちは。一般社団法人りむすびです。離婚後も両親で子育てする共同養育を実践している女性「共同養育woman」特集。今回は、ご自身が父親を亡くした経験から父親と子どもの絆を大切にしたいと願うみほさんをインタビューしました。

■プロフィール 

・お名前 みほさん
・お子さんの性別・年齢 9歳長女(小学4年生)、6歳次女(小学1年生)

熊本県在住。2008年に結婚しふたりの娘をもうける。2016年協議離婚。自身が10歳の時に父親が他界した経験から父親との絆の大切さを重んじ、離婚直後から共同養育を実践する。
現在、心理学・人間行動学・量子力学の学びを通して、「幼少期の両親との関わりこそ、生きていく上で影響力がとても強い」と知り、親子関係による人間関係や社会性への影響、共同養育の必要性についてyoutube等で発信中。

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■現在、どんなカタチで共同養育を行っていますか。

父親は遠方に住んでいるため、父親が九州に来れるタイミングに合わせて交流をしています。年に8回くらいでしょうか。どこでなにをするかはすべて父親と子どもたちにお任せしています。
こちらの自宅には入らないということだけは暗黙の約束となっていますが、それ以外は期間や宿泊など自由にいろんなところへでかけていますね。

また、遠距離のためしょっちゅう会えないので、子どもがいつでも手紙を父親宛に書けるようにと返信用封筒を用意した「お手紙セット」を父親が子どもへ送ってくれるなどして、直接会えなくても交流できる方法を考えてくれています。

今は、外出自粛で父親がリモートワークなので、平日の夜、週2,3回ほどビデオ電話での交流を楽しんでいます。私も時折交わって話していますよ。

日程を決めるなどのやりとりは親同士LINEでやりとりしています。敬語など使わずに口調もフランクですね。また、子どもの成長につれ父親との交流に仕方も変わってくるので、どうやってコミュニケーションを取っていくのがいいのかといったことも元夫とすり合わせしています。親同士としての関係は結婚していた時よりもいいと思います。


■共同養育をするようになった経緯をお聞かせください。

離婚当時、共同養育という言葉は知りませんでしたが、当たり前のことだと思っていたので自然と始めることができました。離婚の際に公正証書は作りましたが、養育費のことだけ記載し、会うのが当然だと思っていたので面会交流のことは特に取り決めをしませんでした。

葛藤がなかったというわけではありません。父親と子どもが会っている時にこみあげてくる悲しさや寂しさ、子どもに対する罪悪感などでもがき苦しんでいる時期もありました。その時は自分の感情をすべて元夫へぶつけていました。彼は言い返すことなくすべて受け止めてくれていました。

会わせたくないという気持ちはなかったです。私自身が子どもの頃に父親を亡くした経験があったことも大きいと思います。生きているからこそ会えるわけですから、その会う機会を私が奪うことなんて思いもしませんでした。

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■共同養育するにあたり困っていること、困っていたことはありますか。

離婚して間もない頃、子どもたちが父親と会った後に寂しいと泣いていたんですよね。泣いている子どもたちを見て、どうしてあげたらいいのかわからず途方に暮れていました。
離婚をしたせいで子どもを苦しめているという罪悪感に襲われ、いっそ会わせない方がこどものためになるのではないかという思いがよぎったことも。子どもが泣く姿を見て、私も一緒なって泣いてごめんねと言っている時期がありました。あの時はしんどかったですね。

ただ、その後気づいたんです。泣いている子どもに対して必要なことは、なにか声をかけることではなく、そのままの気持ちを受け止めてあげるだけでいいんだと。子どもが素直に感情を出せる場所になってあげればいいと思えるようになったら、とても楽になりました。

忘れもしないのがある面会交流の日のこと。父親と会った後私の元へ戻って来た長女が、笑った顔をしながら目から涙がこぼしていたのです。
「パパと別れるのは悲しいけれど、ママを困らせたくないから笑わなくちゃいけない」その気持ちが混在して、笑いながら泣くという状態になってしまったのでしょう。その表情を見た時に、子どもが大きな負担を抱えていることを知り、それを機に子どものすべての感情をそのまま受け止めることこそが必要なことだとわかったんです。以来、子供の気持ち・言葉は全て聞く、ただ言葉を返さなくても落ち着くま抱きしめたり、時には元夫にも子供の言葉を共有していくことで、次第に子どもの気持ちも私の気持ちも安定しました。


■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。

子どもとの関係は、父子で自由に交流を続けてもらえれば何も言うことはありません。
唯一願いがあるとすれば、これから先、子どもが成長する過程でたとえ子どもとの接し方がわからなくなったり、子どもが思春期で父親と距離を取るようなことがあったとしても、どうか父親として失格だなどとは思わないでほしいですね。

というのも、少し前に子どもと何話していいかわからないって言われたことがあったんですよね。異性ということもあり話題もわからないこともあると思うんです。それでも、父親は唯一無二の存在ですし、自分はこの子達の父親だと自信を持ち続けてほしいと思います。


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■共同養育はどんなメリットがありますか。お子さんはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。

子どもが成長していくなかで幼少期の両親との関わりはとても大事なこと。大人になってからの人間関係や社会性に影響しますし、両親から愛され続けて育つことで自己肯定感も上がりますから、共同養育は子どもの成長において必須なことですよね。

私にとってのメリットは、自分の時間ができることでしょうか。母親としてだけではなくひとりの個人として人生を楽しめる時間になります。

また、ひとりで育てなくてはいけないという責任はとても大きな重圧ですから、ふたりで育てると思えると精神的な負担も減ります。
子どもが生まれた瞬間から家族はチーム。それは離婚しても変わらずチームメイトであり続けたいですね。
 

■お相手との関わりにおいてご自身が心がけていることはありますか。

子どもと父親が交流している時に遠慮しないことを心がけています。以前は、父子交流の邪魔をしないようにと思っていたのですが、遠慮することで逆に子どもも遠慮するかなと。
自宅で子どもたちが父親とビデオ電話でしゃべっている時には、違う部屋にいたりせずに、自然体で混ざって4人で話すようにしたりしています。その方が子どもたちも楽しそうですね。


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■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。

共同養育はもちろんですが、人間関係などで悩んでいる人がいたら、ぜひとも自分自身と親との関係をふり返ってみてほしいという思いがあります。親との関係が自身の社会性に影響しているんですよね。もし、親と疎遠だったり関係が良くなかったとしたら、まずはご自身の親子関係を見直してみるのもひとつです。

そして、子連れ離婚を考えている人は、離婚後も子どもと親の関わりがいかに大切なことかを知り共同養育を実践してほしいです。これからも私自身の離婚の実体験をふまえ、共同養育の大切さを伝えていきたいです。

企画・取材 一般社団法人りむすび


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