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子どもが望むことは親がご機嫌でいること|熟年離婚で見えた景色とは〜上條麻由美さん〜

こんにちは。一般社団法人りむすびです。離婚後も両親で子育てする共同養育を実践している女性「共同養育woman」特集。
今回は、お子さんが大きくなってから離婚し、離れて暮らしながら日々の交流を大切にする上條麻由美さんをインタビューしました。


プロフィール

お名前:上條麻由美(かみじょう・まゆみ)
お子さんの年齢・性別:長男:24歳、長女:21歳、次女:17歳
大学を卒業してまもなく22歳で結婚。フリーランスライターとして働きながら、29歳で長男、32歳で長女、36 歳で次女を出産。49歳で協議離婚。

大学卒業後、会社員を経てライターとして活動。教育・保育・女性のライフスタイル等、幅広いテーマでインタビューやルポを手がける。最近は、離婚や再婚、ステップファミリー、共同養育など「家族」のテーマを追求している。
現代ビジネス執筆記事 


現在、どのようなかたちで子どもとの関わりをしていますか。

離婚した後、私が家を出たので子どもと離れて暮らしています。子どもたちが成人〜17歳と大きいので、それぞれと直接ほぼ毎日連絡を取り合っています。食事をしたり、私の家に泊まりに来たり、旅行に行くこともあります。

子どもたちに朝晩「おはよう」と「おやすみ」のLINEは欠かさず送るのが日課です。子どものためにというより、もしかして私が甘えん坊なのかもしれませんね。末の娘はまだ学生なので、保護者会や面談など学校関係の用事やお弁当づくり、カフェで一緒に勉強をするなど、日常的に関わっています。一緒に住んでいないこと以外はなんでもしてあげたい思いでいます。

長男長女は下宿している子どもたちとの付き合いといったイメージでしょうか。息子とは月1回くらい飲みに行ったりもするんですよ。私の仕事に関心を持ってくれていろいろアドバイスくれたりして頼もしいですね。


お子さんたちは離婚をどのように受け止めていると思いますか。

離婚をしたのが5年前で、当時子どもたちは13歳〜19歳。離婚する1年位前から夫婦仲がギクシャクしていることに、子どもたちは気づいていましたね。夫婦喧嘩になりそうになると、「ママ、だめだめ」と私をたしなめるようになっていました。家庭内が不穏な空気になることを避けたかったのでしょう。

子どもたちと父親との関係は良好でしたし、元の家での生活が確立しており、環境を変える気持ちは私にも子どもたちにもありませんでした。ですので、私が家を出るかたちにはなりましたが、それ以外で子どもたちにしてやれることはできるだけそのままやっていこうと思いました。

後になって子どもたちから聞いた話ですが、「自分の両親は世界で一番仲がいい夫婦だと思っていた」と言っていました。確かに、いつも家族一緒に行動しており、仲がよかったことは間違いないのです。それゆえ、不仲になった時にはさぞかし驚いたことでしょう。

親の離婚は当然悲しい気持ちになったとは思いますが、しょっちゅう会えていますし、親の顔色を見て生活するよりは今の方が日々の生活は気分的に楽になったのではないかなと感じます。
子どもたちは両親のどちらにも愛されていると自信を持っているようですし、自己肯定感の高い子どもたちに育ってくれていると感じます。

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元夫婦の関わりで困っていることはありますか。

残念ながら、元夫と協力し合いながらの共同養育は実現できていません。子どもたちが大きいこともあり直接連絡を取る必要もないのが現状です。
今は困っていませんが、今後、子どもの人生に関わる大事があった時に、元夫と協力体制が取れるような関係性になれたらいいな、と思っています。

同じ立ち位置で子どもを心配できるのは親同士だけなので、教育方針なども含め、意見のすり合わせができるようになれることが理想です。

今後、子どもたちの大きなイベントがあるとしたら結婚式でしょうか。子どもたちは両親が揃うことを望んでいないかもしれませんし、私自身もあまりアニバーサリーにはこだわらないので、またその時が来たら考えていければいいかなという感じです。

お子さんとの関わりで心がけていることはありますか。

私自身がご機嫌であるように自分の機嫌は自分で取るように心がけています。

子どもは、夫婦の揉め事や苦労話などは聞きたくないはずです。「あなたのために頑張った」「あなたのために離婚しなかった」など、苦労を共にしてきたような発言は子どもにとって負担です。このような発言を親から聞かされ続けると、「親の幸せは私の責任」と思うようになってしまいかねません。

ですので、親がちょっと自分勝手なくらいで自分自身の人生を楽しんでいる方が、子どもは気楽なのではないかなと思い、私は私の人生を楽しく過ごす姿を見せるようにしています。

あとは、子どもと一緒にいる時、父親のことを肯定的に話すようにはしています。「お父さんに似て、○○が得意なんだね」「まつげが長いのはお父さんの遺伝だね」など子どもに対して褒めるようにすると子どもたちはとても喜びますね。

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ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。 

今は、自分の人生を自分の足で歩いている実感があります。大変ではありますが楽しいです。頑張って生きていきたいです。

いわゆる熟年離婚で、いま思えば、私がわがままを通したかたちの離婚です。勝手かもしれませんが、私自身が結婚しているときに比べて自分らしく生きている姿を見て、子どもたちも安心して自分の人生を自由に謳歌していると思います。

家族を巻き込んでしまった離婚ですが、この物語にストーリーと結末をつけたい思いがあります。この年齢で離婚したこと。すべては意味があることだったのだと。子どもたちに迷惑かけたからこそ、意味を見い出していきたいですね。

読者の方へメッセージをお願いします。

離婚を勧めるつもりは全くありません。子どもが大きくなったからとはいえ離婚は家族にとっての一大事ですし、この年齢で独身になるのは勇気が必要なこと。

「離婚すればうまくいく」ではなく、「離婚して失敗してもいい」くらいの覚悟があれば意外と後悔しないかもしれません。そして、すべてを手に入れることはできず、何かを放さないと何かは手に入らないのも事実です。

そして、離婚をした後も相手に対して、子どもの親としての最低限のリスペクトは必要ですね。ライターの仕事をしていると、離婚後子どもを父親へ会わせていない母親に触れる機会があります。一方的な感情でそうすることは、あまりよいとは思えません。後々、子どもに「なぜ父親と引き離したのか」と聞かれたら、どう辻褄を合わせるのかなとも思います。子どもには自分の親を知るチャンスが必要です。
私の経験が離婚を考えているどなたかのお役に立てば嬉しいです。

企画:取材 一般社団法人りむすび

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