踊る?大捜査線!
ある日の夜
『弟が居てない!!』
だいたい気付くのは母か僕
静かだと寝ているか家に居ないか
日中は学校へ行ってるから通常モードですが、夜間に静かなのはおかしい
嫌でも嗅覚が冴え渡ります
しらみ潰しに家を捜索
押し入れに隠れていたり、隠していたお菓子を見つけて食べてるのを見つけたり
ホッとする一瞬です
しかしながらどこを探しても居ないとなると、これは脱走間違いなし、捜索の始まりです
まずは自分が近隣をパトロール
ごく稀に近くで見つかる事もあり、思い切り頭を殴り首根っこを捕まえて引きずって連れて帰ります
確率的には少な目
数分捜索して居ない場合は、警察へ
警察官が来て母が事情聴取を受けます
服装、体型、髪型
自分が絵を描いたこともあります←モンタージュか笑笑
夜間なので自分が一緒に捜索しようとすると、母が止めに来ましたが、居ても立っても居られない状況でした
祖母を1人電話番で残し、パトロール。
当時は携帯が無いから、30分置きに自宅へ帰って警察から電話があったか祖母に聞いていました
いつもなら直ぐ見つかるが、その日に限って数時間見つからず
警察官の数も増えました
夜間に外に出る
弟が脱走して不謹慎やけど、夜に出れる事を正直楽しんでた部分もありました
しかしながら小学低学年、重度知的障害者。服装はパジャマに便所サンダル
明らかに不審者です笑
そんな特徴的な服装をしてるのにも見つからない
良く母は
『障害者やから誘拐したかて言葉通じへんし、誘拐は多分無い。事故してんちゃうか、、、』
その言葉に最悪の事態を想定しました
さすがに子供の自分を夜中まで外に出すのは危ないと、警察官からも帰宅を命じられ、祖母が残る自宅へ
まだ連絡が無く、なんとなく
『多分死んだんちゃうかな』
と思っていました
僕は弟を可哀想に思った事は一度もありませんでした
しかしながら、脱走癖のある所だけはいつも気の毒に思い、
『そりゃ自分の意思で自由に遊びたいやろな』
と同情する部分もありました
父、母も帰宅し、いよいよ覚悟したその時、警察官から
『○○駅で見つかりました!』
との連絡が
我が家の最寄駅からはかなり離れています
みんなホッと一安心
祖母は泣いています
母も喜んでる中、父だけがバツが悪そうな顔で僕に近づいてきました
『おい。お前警察署行ってきてくれや』
なんで?と聞くと
『身元引き受け人て父親行かなあかんみたいやねん。俺警察に怒られた無いんや。お前代わりに行って来てくれや』
一語一句覚えています
普段は何でブチ切れるかわからない父の顔を伺いながら生活していますが、この日この発言を聞いてブチ切れ
『ワレ親ちゃうんか!何で息子に行かすんや!子供可愛くないんか!』
大声で叫びました
『俺嫌なんや、、、怒られたないんや、、、』
無責任にも程がある
未診断ではありますが、父がASD自閉症だとは今になってわかります
その当時は顔色を見ながらもいちいちイライラしていました
母に言うとまた喧嘩になるので、言わず。
無事弟が帰宅。便所サンダルは片方だけになってます。玄関から走る弟の後ろで警察官と母が色々話しています
祖母は泣きじゃくり、父は弟に
『お前もう出て行くなよ!お父さん怒られるんや!』
と怒っています
怒っている内容も保身でしかないし、弟も何を言われてるか理解していません
そんな父を見て唇を噛み締めていました
家族全員で怒られても知らん顔の弟は、呑気にファミコンをしています
『そらお前も閉じ込められてんやもん。たまには脱走したいわな』
ふとそんな言葉が出ました
『何抜かしとんや!心配したのに!』
僕の言葉に母が怒ります
弟はあぐらをかいてファミコンに夢中
怒られながらも単語しか理解出来ない弟に
『楽しかったんか?』
と聞き、いつものように無視されながらも弟の頭を撫でていました、、、
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