551の豚まんから学んだホスピタリティ。
紙の手提げ袋を2枚重ねてから、購入した品物を入れて手渡してくれる店がある。夕方、551の豚まんを買ったときもそうだった。
それでも施術をしようと思うのは
息子は3年前から、アレルギー性結膜炎の症状が時々出る。目が赤くなっている日は、夜に施術を頼んでくる。それがいつも寝る直前なのだ。スマホをボーっと見ているときに言われると、「え、これから?もう少し早く言えよー!」とイラッとする。
けれど、それは口には出さず、胸のあたりがモヤモヤしながらも、「じゃあ、ここに寝て」と、施術を始めてしまう。
体全体のバランスを診たあと、息子の後頭部に手を当てながら、骨の動き、筋肉の緊張具合、血流や神経の動きを測る。
ほんとは眠くて仕方なくても、たいてい断らないのは、施術後、息子が目をこすることなく熟睡できることが、私の喜びにつながるから。
自分がアトピー持ちで、かゆいとすぐに眠れないことのストレスを知っているだけに、このままでは熟睡できないだろうと思うと、気になってしまう。
頭から首にかけて柔軟性が出た筋肉と、血液の流れを確認。そのあと目の周りの組織の柔らかさと血流、鼻周辺の柔らかさと骨の動きを確認して終了。トータル30分。
これでストレスなく眠れるだろうと思うとほっとする。そして、自分のことのように嬉しくなる。
紙袋を2枚重ねることに込められた思い
商品を手渡すときに紙袋を2枚も使うのは、破れないための補強である。
経営側にとっては、紙袋の費用も馬鹿にならない。資源活用の仕方に関心が高まっている今、このような使い方は無駄使いと考える人もいるだろう。
どうして2枚重ねるのか。
それは、購入したお客さんが、安心して商品を持って帰ることができるよう配慮しているのだ。帰り道に、商品の重みで袋が破れてしまわないように。
商品を購入したあとのことも想像した上でのサービスである。
これもまたホスピタリティ
お客さまへの施術が終わり、帰られたあとに、
今夜はよく眠れただろうか、
大好きなテニスがまたできるようになっただろうか、
ヒールを履いて出かけることができただろうか、
とあれこれ考える。ここまでが私にできることである。
後日、お客さまから体が軽くなり、楽しい時間を過ごせるようになったと報告をもらったら、自分のことのように嬉しくなる。
先程の紙袋も一緒で、商品を危なげなく持って帰ってほしい、商品を大切に使ってほしいという思いが込められているのなら、それはホスピタリティといえると思う。
私も同じように、患者さんの体を目の前の症状を診るだけで終わらず、未来につながるようなアプローチをしたい。
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