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介護私記 拘縮とラップタオル20230429

 4月もそろそろ終わり気分はゴールデンウィーク。どこにお出かけしようか悩む季節。あったかい日だったりちょっと肌寒い日だったり。祖母は1年中車に乗ると膝掛けとしてラップスカートをかけていました。
 車椅子生活になってもお気に入りのラップスカートが2枚あって。通院の度に車椅子に座らせてはラップスカート膝掛けとして使っていました。普段から車椅子に乗るようになるとどうしても歩く機会もなくなって足も細くなります。自分で起き上がれなくなると尚更で体が拘縮といって凝り固まってしまう。
 祖母の介護生活の最後の方はこの拘縮による不自由と痛みに悩まされました。最初に症状として現れたのは、車椅子に乗り始めてすぐ右足より左足の膝が上に来るようになっていた。最初は少し車椅子に座ると脚の重みで次第に下がってわからなかったが、日を追うごとに拘縮はひどくなり最後の4ヶ月間は左足は完全に伸びることはなかったまるで立膝でもしてるかのように横になる祖母の布団の腰あたりがボコッと山になっていた
 この状態は動かすと痛いだけでなく、おむつ交換や車椅子への乗せ替えや背中の褥瘡の処置まで大きな影響を及ぼした。とりわけ訪問入浴は一番大変だった。3人で来てくださる訪問入浴のスタッフさんたち介護ベッドの高さと移動式浴槽上のハンモックの高さを大体同じぐらいにして載せ替える。その度にお互いに害意はないのだが祖母としては痛いし、スタッフさん達は最小限痛みで済むよう努力していた。でもそうしても痛いのだ、だって体を持って動かしているから。
 そして何より服を脱がせる着せるがとても大変になってしまった。祖母に着せる服は常に7分袖でよく伸びるもしくは前が開くものを選ぶようにしていた。それでも着替えは大変だった。
 訪問看護師さんによるオムツ交換や背中の処置にも影響は大きい。脚は真っ直ぐ伸びないのに股を閉じる力は衰えなかった。痛いからなのか力んでオムツ交換のたびに脚をグッと閉じて力ずくで開くのも一苦労だ。
 そんな脚の状態なのでズボンは履けなかったので愛用していたラップスカートを履かせていた。2枚しか持っていなかったので学生時代水泳の授業でよく使ったようなラップタオルも買い足して4本体制で洗濯して使っていた。

 このラップタオルは脚の拘縮が強い方に非常におすすめだ。オムツ交換が何よりしやすい。コレに尽きる。ズボンを履かせていた時より脱ぎ履きが簡単でタオル地だから洗濯しても乾燥が早かった。
 スポーツ用だと奇抜に見えるから、女性用に柄のラップタオルを使っていた。よくオシャレですねと看護師さんは言ってくれた。本人が選んだ訳じゃないんですけどね。

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