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No.3 - ポパイ電工の、皆様へ。
植野さん、お元気ですか?
あのときの新人です。
逃げるように会社を去って、みんなから馬鹿にされていた、あの若者です。
「ポパイ電工」の看板に泥を塗った、あのクソガキです。
あの頃の私は、とにかく、とにかく必死でした。
あなたが、嫌いでした。
本当に、大嫌いでした。
今なら、少しは分かります。あなたが抱えていた感情が。
でもね、
それでも、私は、あなたのパワハラを、肯定することはできません。
あれから7年経ちます。あなたは、今も、後輩に毎日怒鳴り散らしているのでしょうか?
ポパイ電工は、大規模なリストラを始めましたね。
あなたが、その「対象者」にならないことを祈ります。
佐藤君、お元気ですか?
私が、会社を辞める寸前に、「ポパイを辞めて、プロミュージシャンになります。バンド名はシューティングスターです」というクソつまらないギャグを言ったとき、あなたは、屈託のない、無邪気な愛想笑いをしてくれましたね。
本当は、何一つ笑えなかったことは、知っています。
あなたも、悩みを抱える一人だったこと、私は気づいていたから。
あなたのこと、私は、少しは理解しているつもりでした。
その後、私からのFacebookの「友達申請」は、7年経った今も、あなたからは無視され続けています。早く「承認」してください。
よろしくお願いいたします。
君のキャリアが、死ぬ前に。
高橋課長、お元気ですか?
あなたは「シン・タカハシ」として、私の小説に登場します。
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