コンテンポラリーダンスって何なんですか? パート1 ~コンテンポラリーダンサーが考える、コンテンポラリーダンス“再”入門~

皆さんはダンスと聞いて、真っ先に何を思い浮かべるだろうか?


「ヒップホップ」、「アイドル」、「Tik Tok」などなど、ダンスは今やプロだけのものではなく、誰もがSNSで手軽に踊り、シェアすることのできるものとなった。
もしかしたら皆さんの中にも“ダンサー”がいるかもしれない。

実はかく言う私も、そんな“ダンサー”の端くれなのだが、そんな私から皆さんに、もう一つ聞いてみたいことがある。


皆さんは“ダンサー”と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?


「かっこいい」「かわいい」「キレキレ」「シンクロ」の他に、ダンサーを形容する言葉が思いつくだろうか?

「ダンサーを目指して頑張っています」という若者は多い。
「元バックダンサーで、今はダンス教室の先生をやってます」も結構多い。
しかし皆さんは、“ダンサーを生業に生きている人”、更に言えば“ダンスだけで食っている人”というものに出会ったことがあるだろうか?


SNSで誰もが“ダンサー”になれる時代とはいえ、たとえ身近にダンススタジオや劇場、クラブがあったとしても、普通に暮らしている中で「ダンスだけで食ってます!」という人に出会う率は、実は相当低いのではないかと思う。


なぜなら日本は“ダンサーが食っていけない国”だからだ。

こう書くと「じゃあ海外はどうなの?」という話になるので、興味のある方はぜひ、その辺に触れた「踊れない」ダンサーと「できない」子供たちという記事を読んでいただければと思うが、ひとまず今は置いておいて、この文章の本題に入っていきたい。

<コンテンポラリーダンスって何なの?>


今回この文章で紹介したいのは、タイトルでも連呼されている「コンテンポラリーダンス」というものだ。
聞きなれないこの言葉。最近少しずつメディアでも取り上げられてきたので、皆さんもどこかで耳にした事があるかもしれない。しかし実際にそれを説明できる人というのは稀だと思う。

更に言えば、コンテンポラリーダンサーと呼ばれる、私のようなダンサーの中でも「コンテンポラリーダンスって何なんですか?」と問われて、直ぐに言葉を返せるダンサーは少ないのではないだろうか?

“やっている当人もよくわかってない”とは何事か!?と怒る方もいるかもしれない。それでも、私がこの謎のダンスを、なぜ今、皆さんに紹介したいのか?というと、この「コンテンポラリーダンス」という言葉の中に、アフターコロナ、ウィズコロナを生きるヒントが隠されていると、私は思うからである。

私は学者でも、研究者でもないただのダンサー、振付家だが「コンテンポラリーダンスを考えることは、私たちが今、生きている時代“そのもの”を考えることだ」と思っている。これはコンテンポラリーダンスを“やっている当人”の実感である。
それもそのはず。そもそもこの「コンテンポラリーダンス」という外来語は日本語で「同時代のダンス」と訳されるのだから。(パート2へ続く)

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