大学が変わる加速感が半端ない ~オンライン化による透明性~

なんちゃって淘汰の時代

 前回、日本の大学で日本語を母語とする教員の英語講義について書きました。が、10日間でさらに変化が加速していることを知りました。

 少し復習から入ると、

京都大学の出口教授のご指摘

 特定の大学に所属する意味や価値を再考せざるを得ない

オックスフォード大学苅谷剛彦教授のご指摘

 海外のグローバル大学と、日本の大学とでは教育レベルが全く違います。

これだけではなく、国内でも大きな流れの変化が来ています。

一方的講義はオンラインでも対面でも意味をなさい

 ハーバードビジネススクールが登録教員に3月から急遽始めたケース討議のオンライン化講義資料には「講義のみで構成されているオンライン講義は講師が話しPPTなどで補足。このやり方は必要ないし、学生のためにもなりません。」と。

 このことは一部の高校生も気づいているようで、「受け身授業の画一的教育でいいのか 麻布高生らは動いた」(朝日新聞 柏木友紀2020年9月9日 11時00分)今後この講義スタイルは消えるでしょう。

 早稲田大学も「講義をオンライン化、対面は議論中心に 早大、「反転授業」本格導入へ」(産経新聞2020.9.11 18:50)に

 早大でハイブリッド型授業を主導する大学総合研究センター副所長を務める森田裕介・人間科学学術院教授(教育工学)によると、従来型の授業は、学生に専門的な知識を詰め込み、テストで高得点を取らせることを目指す教授法だった。一方、現代の学生に求められるのは、グローバルな情報化社会で活躍する人材に不可欠な問題発見・解決力、論理的思考力、コミュニケーション力などテストで測れない能力だという。

この詳細は、早稲田大学のHPに掲載されています。

オンライン化は大学のアンバンドリングを加速化

 前回の英語化で触れたとおり、日本語を母語とする人の英語講義を聞くよりも海外大学の講義を直接聞いた方がいいわけです。これを国内に置き換えると・・・

成蹊大学の「サイバー大学の授業コンテンツを利用して授業運営を開始」も範疇となるわけです。

もともと記事にあるように「早くからオンデマンド型オンライン授業を反転授業等に活用してきた。」ということです。

 そうすると早稲田大学の話と合わせると、オンライン大学のコンテンツの単位認定が加速しそうです。現実的に放送大学の単位互換は既に可能ですし。

今後の変化

 今後日本の大学は

 日本語を母語とする人の英語講義(外国語による講義)は本場のオンライン講義へと置き換え

 海外の学説紹介しかしていない講義は本家本元のオンライン講義に置き換え

 一方的講義はオンライン講義に置き換え

この方向が加速しそうです。

 関西大学の話は一般化可能です。

学生側からは「実際に遠隔授業を体験した学生からは、「自分の好きなタイミングで受講できる点は良かった」「移動時間がないので、空いた時間を有効活用できた」「同じ講義を繰り返し聞ける点が深い学びにつながる」といったメリットが挙げられた」

教員側からは「「リアルタイム講義では、学生の緊張感とモチベーションを高く維持できる」「Zoomの投票とチャット機能を使うことで、学生の理解傾向の把握がしやすく、従来よりも積極的な授業参加の形も見えてきた」「遠隔授業の経験やノウハウを共有し、普段あまり機会のない他学部の先生との議論の場があったことで、自身の貴重な学びにもなった」「自身の講義を客観的にみることで授業の質向上に生かせられる」など、対面授業とは違う利点も聞かれた。」

この部分は不可逆だと考えられます。


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