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束の間の平穏…そして悪化

それから暫くは平穏な日々だった。
薬入りのちゅーるを朝晩2回なめて、妻の特性キャットフードもせっせと食べる。
食べてくれることが、何よりも嬉しくて。
食べたいっていうことは生きたいっていう意思表示に思えるから。
食べるという行為だけでぼくたち夫婦を幸せな気持ちにしてくれるルルちゃん。
(ちゅーるちょうだい)って足もとに来る度に喜んであげた。

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夜眠るときは枕もとでゴロゴロと喉を鳴らしてくれて、幸せをかみしめた。
他に何も望まないから、この時間がずっと続いて欲しい…。

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でもだんだん口から血が出るようになってきた。
ウンチが黒くなっているところを見ると、自分の血を飲み込んでしまっているようだ。
顔の左側も少しずつ腫れてきた。

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おそらく凄く痛いはずなのに、相変わらずじっと佇んで静かだ。たとえ何かを訴えかけられたとしても、どうしてあげることも出来ないのだけれど…。

ときどき、ネコと話が出来たらどんなにいいだろうって思うことがある。
でももしかしたらネコはこちらの言うことを案外理解しているかもしれない。
こちらもルルちゃんの気持ちを理解しなくては。

毛が血で汚れてしまうので、妻が赤ちゃん用のよだれかけを買ってきた。
予想に反していやがらないし、なんか似合う。

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汚れたよだれかけを取り替えるときも、理解しているのか、おとなしく替えさせてくれる。

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そしてだんだん出血が増え、左の鼻から鼻血が…。左目の瞬膜も腫れてきていた。

そんなおり、フランスで新型コロナウイルス感染防止のための外出制限が発令された。3月17日のことだ。1月に最初に獣医さんに連れて行ったとき、既に新型コロナの不安は社会問題になっていたけれど、その頃は全国で外出が規制されるとはまだ思っていなかった。そうなる前に診断を受けておけたのは不幸中の幸いかもしれない。
これで妻は郊外のアトリエに出勤できなくなってしまった。けれどもそれは、一日中ルルちゃんと居られるということでもある。少しでもポジティヴに考えたい。

ルルちゃんの様子は日ごとに悪化していて、左の眼と鼻と口から血が滲んでいるし氷柱のような鼻血が固まって呼吸が苦しそうだ。
そしてキレイだったルルちゃんの顔が、まるで殴られたようになってしまった。ハードボイルドな風貌になっちゃって涙が出るほど痛々しい、けど歩いたりベッドに飛び乗ったりはまだ出来る。このコはタフガイだ。

実家の歴代猫で、口から血を流したりこんな酷い状態になったコはいなかった。
なんて残酷な病気なんだろう。もっと知識があったら…無理矢理にでも歯磨きに慣れさせるべきだったんだろうか…いや絶対噛まれてズタズタに引っ掻かれるよ……妻が。

そんなとき、長毛種猫仲間のお友達が興味深い商品を教えてくれた。飲水に混ぜたり毛にスプレーすることで口内環境が改善されるそうで、『きえーる』という製品名が胡散臭いことこの上ないんだけど、アマゾンのレビューを読むと猫大好きな人達の間でもの凄く評判が良い。教えてくれた猫友さんの長毛にゃんもお口の環境が良いのはこの北海道の帯広畜産大学で開発された製品のおかげだと思うとのこと。即座に海外発送してくれるタイプのものをポチった。これをもっと早く知ってれば!

そして3月27日にやっと届いてさぁこれから試すぞという矢先、なんの前触れもなくルルちゃんがぱったり何も食べなくなった。


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