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センスとは何か。どうすれば磨かれるのか。

あの人はセンスが良い、とか、あの人はセンスがない、みたいな話があります。誰しもセンス良くなりたいな、センスいいって言われたいな、って一度は思ったことがあるのではないでしょうか。少なくとも「おれは一生ダサいって言われていきていきたいぜ、それがおれやで」みたいなニヒルすぎる人はまずいないかと思います。

実際私自身も、ダサいな、って言われた時は、「うーん、おれもセンスいいって言われたいなぁ」って思ったことがあります。仕事柄企画を作ったり、相談を受けることが多いのですが、そんな時は「センスある企画や回答がしたいなぁ」と思いながら取り組んでいます。他の人には考え付かないけど、言われてみたら確かにそうだなぁ、みたいなことを思いつきたいし、言いたい。

そもそもセンスってなんなんでしょうかね。

正体がわからず、答えがなんなのかもわからず、だからセンスってやつとどう接していけばいいのかわからない。だから、どう磨けばいいかわからないな、って思う人も多いんじゃないでしょうか。

そんなことを思っていた矢先、ちょうどいい本と巡り会えたので、その中にあるオススメのトレーニング法をご紹介します。

それは、昨日発売になった

この本で紹介されている「センスを鍛える付箋トレーニング」というもの。

元々はメドレーでもフォローしている考え方である「BTC型人材=Business  x Technology x Creativeの掛け合わせで新たな価値を生み出す次世代型の人材」についてより深く学ぼうと思って買った本なのですが、読み進める中で、センスに対して言及する章があります。

参考:メドレーでもフォローしている「BTC」の考え方

センスはどうやって生み出されるのか?

この本の中で、「センスはジャッジの連続から生まれる」という言葉が紹介されています。

(本文より引用)

センスというと、漠然としたものになってしまいます。しかし、目の前の物事に対して「Yes/No」とジャッジをしていくことだ、と考えれば、それはぐっと身近なものに感じられてきます。遠山さん(*)の言葉を借りれば、「センスのない人は、何もジャッジをしていない人」ということになります。たとえば、日々身につける洋服などについても「なんでもいいや」と思っていれば、日々のジャッジは発生しません。ジャッジがなければ、洋服のコーディネーションについても、ちぐはぐになり、それが結果として「センスがない」という印象として外に伝わることになります。最初は面倒だったり、違和感があったりするかもしれませんが、持ち物や身につけるもの、日々目を通すメディアや、食べるものの選択、日々の暮らしの中に「これはいい、これはダメ」とジャッジを続けることで、自然とセンスが磨かれていきます。

※ 株式会社スマイルズ社長

で、ここでジャッジの力を鍛えるための方法として紹介されているのが

「ふせんトレーニング」と呼ばれる方法です。

・「赤」「青」「黄」の3種類のふせんを準備する
・デザイン系の雑誌やデザインの写真集を用意する
・良いと思うものに「青」ダメと思うものに「赤」の付箋を貼る
・どちらでもないorよくわからないものに「黄」の付箋を貼る

これをやることで、自分の好みの傾向が漠然とわかるのと同時に、自分の中で判断軸を持てずにいるものが黄色として表現されることになります。

この黄色の量が、「センスがない」のバロメータになるとのこと。

この次のステップとしては、プロのデザイナーや自分よりセンスがいいと思う人に、自分の付箋を見てもらい、コメントをもらうことで、ジャッジの精度を向上させていくという流れ。

慣れてきたらデザイン系の雑誌や写真集じゃなく、例えば街中で見たものすべてに心の付箋を貼っていく、という訓練を繰り返して、さらに自分のセンスを磨いていく。

センスは知識からはじまる

加えて、この話は、5年前センスについて考えていた時に出会った

この本の内容とリンクしても、しっくりくる感覚がありました。

センスは生まれついたものではなく、あらゆる分野の知識を蓄積することで向上するという話ですが、この「知識の蓄積」と「ジャッジの積み重ね」の掛け合わせが、センスに繋がっていくのかなという感覚です。

例えば、僕は仕事柄keynoteの資料を作ったりチェックしたりという仕事が他の人よりもかなり多い人間です。

そのため、他の人よりもたくさんの資料サンプルを見てきましたし、その都度それのどこが良い、どこが悪い、という感覚を自分なりには磨いてこれたと思います。

一方で、資料とは、伝えたいメッセージを効果的かつ効率的に伝えるために存在しています。そのため、「それがなぜ良いのか、なぜ悪いのか」というのは自分の感覚だけでなく、「万人にとって良いはずのもの、よくないはずのもの」という視点も必要なはずです。それは脳が情報を認識する際の知識やデザインの原則についての知識を得ることで、確かなものとして説明可能となり、裏付けになります。

・人間の脳は、どのくらいの文字を一度に認識可能なのか、という脳科学的な知識
・タイトルを何文字にすると、よりインパクトを出せるのか、という統計結果の知識
・ノンデザイナーズブックに書いてある、デザインの4つの基本原則(近接・整列・反復・コントラスト)の知識

こういった知識を持つことが、ジャッジの積み重ねによる効果をより増幅させ、センスを磨く強い味方となります。

良いものを見て、良い体験をたくさんすること

センスは誰でも磨くことができ、「知識の蓄積」と「ジャッジの訓練」の両方の研鑽を積むことが大事だという話をしてきましたが、最後に、お手本となるようなものや体験に触れることも大切だなと感じているので、その話をして終わりたいと思います。

世の中には、いわゆるセンスがいいな、と思うものがたくさんあります。自分なりに「なぜそれが良いと感じるか」はまだ説明できないけど、でも「明らかにこれはすごい」と思えるようなものや、一流と言われるような宿やレストランで得られる最高の体験。

こういう良いものに触れることで、その何が良いんだろう、とか、その人はどういう思想やプロセスでこれを作ってるんだろう、とかを知り学び取ることで、自分の頭の中によい資料データベースが蓄積されてきて、それがいつしか引き出しのようになる。

身近な例でいうと、例えば僕はこの1ヶ月くらいで、見やすい資料づくりのセンスが上がったように感じているのですが、それはメドレーのデザイン部長の前田さんに、自分の資料の手直しをしてもらった時のプロセスを具体的に聞いたりビジュアルで見させてもらったことにあると思います。

世の中でセンスがいいと言われている人が作ったものを見て、提供したものを体験して、自分の頭の中で「なぜ?」を繰り返してみたり、身近なところでも自分よりもセンスが良い人と仕事をする機会を自分から作りにいったり、いろいろなところに、センスを磨く方法は転がっているのだと思います。





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