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ネガモードに陥ってしまっていた社員に対する1on1コーチング実例

1年ほど前、直下の部下ではなく、斜め(他部署)のメンバーに対して、その上司から一度コーチングして見てもらえないかと言われてやったことがあります。具体がわからないように多少デフォルメしているところはありますが、コーチングがどういうものかをイメージしてもらいやすいように、やり取りを再現する形で紹介します。


シーン:ややネガティブなモードに入ってしまっている澤田さん(仮名)とのコーチングセッション

セットアップ

コーチ: 「澤田さん、こんにちは。今日のコーチングセッションを始めてもよろしいでしょうか?」
(PCCマーカー 3.1: セッションの目標設定に向けた確認)

澤田さん: 「はい、大丈夫です。」

コーチ: 「ありがとうございます。今日は約30分のセッションを予定していますが、よろしいですか?」
(PCCマーカー 3.3: セッションの重要性と意味についての確認)

澤田さん: 「はい、それで問題ありません。」

コーチ: 「では、澤田さんが今日のセッションで達成したいことは何でしょうか?」
(PCCマーカー 3.4: セッションで扱うべきことの明確化)

澤田さん: 「最近、職場でのモチベーションが低く、周囲にもその影響を与えていると感じています。その状況を改善したいです。」

セッションの目標設定

コーチ: 「なるほど。それでは、今日のセッションで具体的にどのようなことが得られると良いと思いますか?」
(PCCマーカー 3.2: セッションの成功基準の確認)

澤田さん: 「自分のモチベーションを上げるための具体的なアクションプランが欲しいです。具体的には、日常の業務でどのように自分を励ますか、また、ネガティブな感情をどのように管理するかについて、実践的なアドバイスが欲しいです。」

コーチ: 「それが達成されることで、澤田さんにとってどのようなメリットがありますか?」
(PCCマーカー 3.3: セッションの重要性と意味についての確認)

澤田さん: 「職場でのパフォーマンスが上がり、チームにも良い影響を与えられると思います。また、個人的にも達成感を感じ、仕事に対する前向きな姿勢を取り戻せると思います。」

コーチングの開始

コーチ: 「では、澤田さんの現在の状況について詳しくお聞かせいただけますか?モチベーションが低下している原因について何か思い当たる点はありますか?」
(PCCマーカー 6.1: クライアントの状況を理解するための質問)

澤田さん: 「最近、プロジェクトの進行がうまくいかず、自分に対する評価が下がっていると感じています。特に、上司からのフィードバックが厳しく、自己評価も低くなってしまいました。毎日出社するたびに不安を感じ、何をしても上手くいかないという気持ちが強くなっています。」

コーチ: 「そのように感じることは辛いですね。それに対して、澤田さんはどのように対処していますか?」
(PCCマーカー 6.3: クライアントの感情についての探索)

澤田さん: 「正直、あまり対処できていません。自己評価が低くなってしまって、何をしても上手くいかないと感じてしまいます。そのため、ついネガティブな態度を取ってしまい、周囲にもその影響が出ていると思います。例えば、ミーティングで意見を言う際にも自信が持てず、ネガティブな発言が増えてしまいます。」

信頼と安全の確立

コーチ: 「そのような時でも、澤田さんの強みや成功体験について考えることはありますか?」
(PCCマーカー 4.1: クライアントの才能や取り組みの承認)

澤田さん: 「強みですか…。あまり意識したことがないかもしれません。でも、確かに以前、難しいプロジェクトを期限内に成功させたことがあります。その時はチームをまとめて、全員が協力して問題を解決することができました。」

コーチ: 「澤田さんの過去の成功体験について少し振り返ってみましょう。何か思い出せることはありますか?」
(PCCマーカー 4.3: クライアントの感情や洞察を支援)

澤田さん: 「そうですね…具体的には、昨年の新製品開発プロジェクトで大きな成功を収めました。市場調査から始まり、製品設計、マーケティング戦略の策定まで、一貫してリーダーシップを発揮しました。その結果、予算内でプロジェクトを完了し、製品は市場で高い評価を得ました。この成功はチーム全体の協力と、私のリーダーシップ能力によるものでした。」

気づきを引き起こす

コーチ: 「その粘り強さとリーダーシップは、今回の状況でも活かせると思いますか?」
(PCCマーカー 7.2: クライアントの新たな視点の探索を支援)

澤田さん: 「はい、そうかもしれません。実際にその成功体験を思い出すことで、自分にもう少し自信を持つことができると感じます。ただ、今の状況ではどうやってその強みを活かせるのか、少し見失っているかもしれません。」

コーチ: 「そうかもしれませんね。では、その自信を持つためにどのような具体的なアクションを取ることができますか?」
(PCCマーカー 7.4: クライアントの望む結果に向けて探索を支援)

澤田さん: 「まずは、自分の強みを再認識し、それを活かせる場面を意識的に作ることです。また、プロジェクトの進行についてチームメンバーともっとコミュニケーションを取ることも重要だと感じます。具体的には、毎週のミーティングで自分の役割や進捗を積極的に報告し、フィードバックを求めることです。そして、ネガティブな感情が湧いてきたときには、一度立ち止まって、その感情を冷静に見つめ直すための時間を持つようにします。」

クライアントの成長を促進する

コーチ: 「素晴らしいですね。そのアクションを実行するために、何かサポートが必要ですか?」
(PCCマーカー 8.6: クライアントの前進に向けたサポートの考慮)

澤田さん: 「そうですね。定期的に自分の進捗を振り返る時間を作ることと、コーチとしてサポートしてもらえると助かります。また、上司やチームメンバーからのフィードバックを積極的に求めるためのメンタルサポートも必要です。」

コーチ: 「もちろんです。それでは、具体的なアクションプランとサポートのスケジュールを一緒に作成しましょう。」
(PCCマーカー 8.5: セッション後の思考や行動のデザインをサポート)

澤田さん: 「はい、お願いします。まず、毎週月曜日に進捗報告とフィードバックの時間を設けることを目標にします。そして、ネガティブな感情に対処するための具体的な方法についても、一緒に考えていきたいです。」

コーチングの振り返り

コーチ: 「今日のセッションを振り返って、どのように感じていますか?」
(PCCマーカー 8.8: クライアントの成長と学びを共に喜ぶ)

澤田さん: 「自分の強みを再認識できて、具体的なアクションプランも立てられたので、とても前向きな気持ちになれました。これからは、積極的に自分の強みを活かして、ネガティブな感情を管理していこうと思います。」

コーチ: 「それは素晴らしいです。次回のセッションでまた進捗を共有しましょう。」
(PCCマーカー 8.9: セッションの完了)

澤田さん: 「はい、楽しみにしています。ありがとうございます。」


どうでしょうか。PCCマーカーの何に該当するかもつけて見ました。このコーチングセッションを通じて、澤田さんは自己評価を見直し、モチベーションを上げるための具体的なステップを踏み出すことができました。コーチとしては、澤田さんの強みを引き出し、具体的なアクションプランを共に設計することで、彼が職場でよりポジティブな影響を与えられるようサポートしたつもりです。

意外と斜めの1on1コーチングは有効だったりします。クライアント側も変なバイアスなく話せたりするのが良いのかもしれません。

お知らせ

ビジネスパーソン向けにコーチングを提供しています。特にモヤモヤがある方にはおすすめです。モヤモヤがあると、それが気になって前に進めなかったり停滞感を生み出す要因になったりします。モヤモヤが晴れれば、迷うことなく前に進むことができ、成長することができます。ご興味ある方はご覧ください。


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