相手の失敗経験を共有することが出発点。

構造改革といって採算改善を議論するのは、何も特別なことではありません。
いってみれば恒例行事のようなモノだと思います。

改善はできないか?変革するところはないか?
といった会話を毎年繰り返してきているところも多いでしょう。

今、非常に事業が苦しい中で、抜本的な改革を求められている。
でも、今までだって改革する気がなかったわけじゃない。
むしろ、現場は一生懸命考えて、色々なアイデアを出してきてくれた。

でも変えられなかった。

そんな中、今、現場にノコノコと出て行って、「改革しましょう!」と言っても、現場はどっちらけ。会話になりません。

こういう時、どうすればいいのでしょうか?
目標の数字を置いて帰ってくる人もいます。でも、それってなんの解決にもなってない。1年後に(実際はそれより前からですが)慌てるだけです。

私はこういう時、昔うまくいかなかったことを話してもらうようにしています。とにかく話を聞く。
そうすれば、少なくとも、「何も知らない奴」とは言われなくなります。

話を聞いた後は、私も「過去一緒に失敗した仲間」として議論をしていくようにしています。

これって、自分が現場のペースに乗らされたと思う人もいるかもしれません。
でも、実は相手が自ら私の船に乗ってきてくれている状態なんです。

一緒に考えよう、というように「一緒に」と言えるようになれば、方向性を定めやすくなります。
乗ってきてくれたら、船が変な方向に向かないようにだけ気をつければ大丈夫。

船に乗っているか乗っていないかの状態で結論を急ぐより、船に乗ってくれるまでを丁寧に。
忙しくても、ここだけは忘れないようにしていこうと意識をしています。
これは後輩、部下にも常に話していること。
彼らに信念を持ってもらえるように、私も伴走していきます。

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