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#聞いたよ20歳 vol.38 サトウ・レンさんへ


聞いてよ20歳!


20歳に伝えたい文章を1000字以上で投稿するコンテスト。応募作品に対しての感想を投稿する、それが聞いたよ20歳!です。



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38.個性って、なんですか?


私はこちらのサトウ・レンさんの作品を読んで、「感想がむずかしい」とツイートしたんです。

ですがレンさんが「感想が見つからない、というのも立派な感想ですから、難しく考え過ぎず、ゆっくり、のんびりと行きましょう」とリプしていただきました。

なんてやさしいリプなんでしょうか。感想が見つからないって伝えること、それはそれでアリなんだとほっとしました。ガチガチになっていた肩の力が抜けました。

かといって気を抜かず、自分らしい感想をしっかり書きたいと思います。



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レンさんの作品は、まさに私が述べた「自分らしさ」について描かれた短編小説です。

この物語は個性について、曖昧でうすぼんやりとしたものだと語っています。そんなものに纏わされてどうするんだい?と襲ってくるような深い気持ちになりました。

でもよく考えてみると私たちは、20歳くらいになるまでは、みんなと同じ正しいレールに乗ることが正義だと教わってきた気がします。

同じ制服を着て、同じ向きに整列された机とイスに座り、同じ授業を同じ時間に受ける。なにか突き出た行動をするとへんな注目を浴びる。

だけどもある日突然、あなたの進路はどこですか、あなたの強みはなんですか、あなたの婚期ははいつですかなど、「あなたの個性」が試される場面に出くわすのです。

自分らしさや個性に敏感だったのは、彼女だったのだ。

自由な選択ができるいま現代は「あなたの個性」がないと生きづらい環境だと思いませんか。

 代替品のないただひとりの私に憧れ、演じ続けた少女の仮面は剥がれ落ち、そこにいたのはどこにでもいるひとりの少女だった。今にも泣き出しそうなその姿に、わたしは今までにないほど、そのひとを見た気がした。

「あなたの個性」って無理矢理探すとすごく苦痛でしかありません。そんな心情がレンさんの物語の、命を絶った少女に現れていて胸が苦しくなりました。



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これからもまた、何度も「自分らしさ」を問われる場面に出くわすでしょう。というより、これからどんどん増えていくのでしょう。

組織にとらわれるより個人個人が強くならなければならない。「強く」っていう表現が曖昧で申し訳ないのですが。

個性や自分らしさなど、曖昧で、うすぼんやりとしたものだ。何故そんなものにわたしたちはいちいち拘泥しなければならないのだろう。
そんなことを考えながら女性の膝の上で眠るわたしは、その顔に彼女を重ねながら、わたしたちは永遠にあなたでなければならない何かを求めて葛藤していくのだろうな、とふと思った。

二人暮らしの女性たちが、「自分らしさ」について考える。個性ってなんですかね。

多分私たちも、どんな境遇に置かれたとしても「自分らしさ」を考えることを止めてはいけないのでしょう。いや、止めることはそもそも不可能ではないのかと。



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