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大切な時間はスマホに入れない


片手で持てるたったひとつの機器に、何もかも詰め込める時代。

小学生の頃に見ていた親のガラケー。どんな場所にいても連絡が取れるこの魔法の機器を、大人になったら持てる。

私はガラケーを見て、大人になることを楽しみにしていた。

しかし大人になったいま、連絡が取れることだけでなく、文字のやりとりをすること、写真を撮ること、お金を払うこと、地図を見ること、音楽を聞くこと、本を読むこと、動画を見ること、全部片手でできることになった。

スマホひとつでどこへでも行けるようになった。

だけど。

ひとつにまとまったこの便利で快適な生活が、果たして「本当にゆたか」な生活なのかと言われたら、モヤモヤする。


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スマホで電子辞書を買った。エッセイ本や、漫画。怖いくらいあっという間に買え、どこにいても読めるし、荷物も減る。

だけど後日、同じ本を書店に行って「紙の本」を買った。

こだわりとして、本は寝る前に読みたい。スマホで読むと、光を浴びてしまい脳が冴えて眠れない。

だから私には、早く買える便利さより、読むときの質を大事にしたいと思い、本は紙で買うことが多くなっていた。Amazonで買うときも、紙の本を選んでいる。


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最近、音楽はスマホで聴いている。なぜなら10年ほど使っていたウォークマンが寿命だからだ。

買いたいと思いつつずっと購入時期を逃し、しぶしぶSpotifyで聴いたり、CDをスマホに入れて聴いている。わざわざウォークマンを持ち歩かなくても、スマホで聴ける。たしかに荷物が減って便利だ。

けれど、ウォークマンを握りしめて、いろんな場所で音楽を聴いた時代を思い出すと、どうしてもスマホじゃ納得できなかった。

音楽専用の機器で音楽を聴くことは、私にとって、10年間積み上げてきた大切な時間だった。

それがいま離されているこの時間は、あの頃の時間が大切だったと気づけてよかった。でも近々、音楽を聴く時間をもう一度大切にしようと思い、ウォークマンを買いに行く計画をしている。


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本を読む時間、音楽を聞く時間。これらの時間を大切にしたい場合は、便利さを求めない方がいいんだなあと思った。

便利を求めすぎるあまり、「自分が1番好きだった過程」が削られてしまうことがある。

例えば本が好きな人の場合、書店でウロウロする過程が削られる。写真が好きな人の場合、一眼レフで微調整する時間が削られる。映画が好きな人の場合、映画館に行く時間が削られる。そのほかにも、たくさんの「大切な時間」があるだろう。

一人ひとりが大切にしていた時間が削られる「便利さ」って、果たしてゆたかなのだろうか?

便利イコールゆたかが全てではなく、ゆたかな生活を送るためには、便利と手間の交互な生活が、いちばんバランスがいいのだと思う。


上記に挙げた、「本を読む時間」と「音楽を聴く時間」は、スマホで完結させたくない。けれど写真を撮る時間や、マップを見る時間、お金を払う時間はスマホに任せている。

何が便利だとうれしくて、逆に何に手間をかけたいのだろう?

何をまとめて、何をスマホと切り離したいだろう?

それらを日々考えていくことが、ゆたかな生活を送るヒントになりそうだ。



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