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#真夜中インター を読みました


お酒を飲みながら本を読むとは思わなかった。いつも平日のこの時間は、夜ご飯を食べながらYouTubeを見ているか、だらだらとインスタを見て余計な物欲を沸かせてしまう。無駄な時間や〜よくない、よくない、と心に言い聞かせて、Duolingoという語学学習のアプリで15分勉強するけど、飽きてTikTokを開いたり、またインスタに戻ったりする。レコメンドで大量に流れる美容や暮らしの知識をインプットして、推しのストーリーで目をうるうるさせ、スケボーのリール(※インスタ内で投稿できるショート動画のこと)で惚れ込む。友達からLINEが来たらインスタは閉じて即返すし、どうでもいい男からLINEが来たら1日開けて適当に返す。いいか悪いかの話は置いといて、そんなルーティーン。

インターネットにずーっと繋がっている。

もう一度言うが、いいか悪いかの話は、置いておく。

でもね。インターネットをやっていなかったら、出会えなかった物語、人、世界が、本当にたくさんあって。

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先日からずーっと楽しみにしていた『真夜中インター』が届いた。

ご挨拶から読んで、次に書き下ろしを読んで、noteでリアルタイムで読んでいた作品を、また読む。大好きなnoterさんの大好きな作品が、紙になって、縦書きになって、明朝体になっている。その事実だけで、いつの間にかグイグイ前のめりになって、なぜか冷蔵庫に入っていた氷結(グレープフルーツ)を開け、さやえんどう(スナック菓子)も開けた。止まることなく飲んで、食べて、ページをめくる。でも実を言うと、氷結とさやえんどうは、先週友達とタコパをしたときに友達が買ってそのまま私の家に置いてしまったものだ。ごめん友達。ちなみにその友達たちと、今週海に行く。これを書き終わったら、お腹のストレッチをしましょうか。


山羊さんの小説のなかでトップクラスに入るほど大好きな、『ハイライト』。山羊さんがいつの日かのスペースで『久しぶりにハイライトを吸いたくなりましたよ』とおっしゃっていましたが、縦書き、私もハイライトを吸いたくなるほどときめきました。吸ったことないけど。

なんでしょうか、横書きでは得られない密度と艶感。やたらと禁煙が叫ばれ、私の世代では吸っている人は少ない。だからこそ、ハイライトを吸う描写に憧れと新鮮さを感じて、私のようなZ世代の非・喫煙者もドキドキさせてしまうのでしょう。タバコを吸う人の横顔が好きなので、自分が吸いたいとは思わないけれど、前好きだった男の子から、少しはタバコの嗜み方くらい教えてもらればよかったと思う次第。まあそれはともかく。実は、私の中で山羊さんの小説は、ハイライトと同じくらい『闇の中のトトロとパパ活』も好きで、私は『真樹ちゃん』を目指しています。真樹ちゃんはハイライトを吸うのだろうか。


ぽのこさんの『顔を隠す人』。物語の前半部分からは、想像がつかないほどタイプの違ういろんな登場人物が出てきて、めちゃくちゃ驚いたのは私だけでしょうか。(もちろんいい意味で)。マスター、掘込さん、相原さん。ぽのこさんの代名詞でもある『食べる喜びを表現する』ところももちろん素敵だった。けれどこの『顔を隠す人』は、いろんな『人』に焦点を当てながら楽しめるのが最高すぎる作品です。

私はとくに、『集合写真には写っていなかった、涙袋のしたのうっすらと青いクマ。きっと、葛藤しながら育んできた美しさのしるし』という文章が好きすぎて、たぶん100億回読んでます。私も中学のとき、県内でもなかなか荒れた学校だったので、スクールカーストのトップギャルが苦手でした。直接の関わりはないものの、目を付けられたこともあったため、今でもたまに夢に出てくるほど気持ちトラウマ。でも佳世ちゃんは、相原さんの人生に向き合って肯定し、自分に自信をつけました。かっこ良すぎる。私もスーパーのレジをやろうかしら。


いま、マガジン課金してるほど野やぎさんのエッセイが大好きなのですが、実を言うと、ショートショートをじっくり読んだことが意外にもありませんでした(つまり野やぎファン歴が浅いミーハーですすみません)。でも久しぶりに『ヨシダは死にました』を読むと、不思議です。もう『ド』を5兆個付けたくなるほどド名作すぎてソファーから落ちました、最後『吉田』になるところで。まあ、ソファーにそんな高さとかないんですけど。ていうかソファーじゃなくてダメになるクッションなんですけど。それはそうと、エッセイも、小説も、野やぎワールドに引き込まれてファンになっちゃう感じ、そりゃ野やぎさんはいろんな方に愛されますよね。イケボだし、イケボだし、イケボだし。ちょっと何言ってんのか分かんなくなってきた。


そして多分、真夜中インターを買った人なら誰しも『しおりが入っていた!!!最高!!!!!!』と思っているでしょう。私も叫んだ。本当に、サラさん、隅から隅まで創作魂があって最高です。これは配慮とかじゃなくて、私は『創作魂』と受け取っています。私が岡山から島根に引っ越しをする前、サラさんから小さな猫のお守りをいただきました。私への愛はもちろん(!?)、サプライズ力と創作魂にはこの頃からずっとリスペクトしていたのです。猫のお守り、今はキッチンに飾っております。本当にありがとうございます。


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いつの間にか呑みながら読み、そして呑みながらこの感想文を書いていました。我ながらに笑ってしまうのですが、熱が覚めぬうちにパソコンでカタカタ書いている次第です。

平日の夜は、冒頭でも書いたように、その辺の20代と同じようにダラダラとインターネットの海を泳いでます。よくないなあと思いつつ、でも真夜中インターは、こんな私にでも出会えた、最高の作品です。真夜中に見るインターネットも悪くないな、と思いつつ、そして私も真夜中インターに載るほどの物語を書いてみたいなと火がつきました。最近めっちゃ創作力が湧きすぎて、真夜中インターの企画中に2個も書いちゃった。野やぎさん山羊さんの感想文があまりにも素敵すぎて、シェアするタイミングを思い切り逃しました。反省。心に響きすぎて、つい、『私だけのものにしたい!!!!!』なんて思っちゃいました。笑

改めて真夜中インターお疲れ様でした!大切に飾ります◎


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