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【KY47】"まだはもうなり、もうはまだなり”の意味を考える

いま投資すべきかとか、そういう話ではなく、俯瞰的に見て気になったことを書いてみようと思います。
まあこのような考え方もあるのだなって、軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。


投資の時間軸で考える

ウォーレン・バフェットさんの時間軸

ニュースではバフェット爺さんは、ここ1、2年ほど資産を現金に換えているとのことです。

93歳とご高齢の方ですから、今の乱高下なんて彼の長い投資人生で見たら、大したことではないのかもしれません。

彼らからしたら、いまの相場で慌てふためいている私たちの存在は、大したことではないのかもしれません。

大局観は大事にしたいです。

投資と投機の違い

モーガン・ハウセル「サイコロジー・オブ・マネー(ダイヤモンド社)」

数年前のベストセラーの一説
「つまりバブルとは、投資資産の評価が上がったために起こるわけではない。バブルとは、短期的なトレーダーが増え、投資の時間軸が短くなったことの表れなのだ。」

なかなか含蓄があるなっと思います。
投資と投機の違いについて、端的に表しているのではと思います。

私の考え方としては、投資は長期的目線で行うものだと思います。
ただし、自分が長期的目線で投資するということではありません。
市場に合わせて投資していくということです。

どういうことかというと、市場が短期的目線のときに自分が長期的目線で投資するというのは、ドルコスト平均法によるインデックス・ファンドの投資以外で賢いとは思えません。

私は市場が短期的目線のときは慎重に、市場が長期的目線のときにはしっかり投資していくというスタンスです。

いまはインフレで日経平均のEPSも伸びていて、長期的に日本は上がっていくのだとしても、市場が短期的目線であればトレンドに沿うべきで、長期的目線で投資するというのは合理的ではないです。

次の米国大統領選挙まで3ヶ月、ジャクソンホールは今週ですかね。
〇〇までは大丈夫だ、とかSNSではそのような感じですが、そのような時間軸は投機なのかもしれません。

エブリシング・バブルで考える

いまは金融危機ではない、は正しいのか

いまはリーマンショックのような金融危機になっていないから大丈夫だとか、私はこの考え方自体が間違えていると思います。
問題設定自体が間違えているからだと、思うからです。

私はコンサルタント業ですが、コンサルタントの能力差はこのようなときに大きく現れます。
要はゼロベースで考えるということですが、自分の思考の枠外を常に意識することができないコンサルタントは、まあダメですね。

それはさておき、何が言いたいのかというと、そもそもリーマンショックのときと、いまの状況は全然違います。
例えば、当時は仮想通貨はありませんし、各国政府はジャンジャンお金を刷って金融緩和をしていませんし、プライベート・エクイティ市場も発達していませんし、中国はいまほど脅威とはされていません。

全く違う状況なのに、同じパラダイムで評価していいのか、ということです。

専門家の視野は狭い

少し話が逸れます。
先月の政府の為替介入の可能性について、多くの専門家は外していました。

彼らの説明としては、神田財務官の人事異動が7月に行われるので、人事異動で新たに財務官が着任するまでは、為替介入はないであろうとの見方でした。

いやいや、なぜに一組織内の一人の担当官の人事異動が、一国の為替政策に影響あるの?
常識的に考えて関係ないでしょ(笑)

あくまで一例ですが、いまメディアで話しているエコノミストなどの専門家の言っていることなどは、大して当てにならないということです。

他にも色々と

思考停止だなと感じる専門家の意見として、例えば

「S&P500のPERはまだまだ割高ではない」
株式市場全体の規模が大きくなっていて、一部のメガテックの比重が高くなっているという今の状況を、平均値で見るのは間違いだと思います。

「アメリカの個人ローン残高がリーマンショック時を超えたとしても、米国のGDPは当時の2倍になっているから、まだまだ負担能力はある」
個人の信用力が2倍になったとか、米国人の人口が2倍に増えたとか、そのような事情があるのでしょうか。

最近は専門家の意見も、ロジカルではないなと思うことが多いです。
まあそれだけ、いまの状況が読めないのかもしれません。

エブリシング・バブル

エブリシング・バブルはエミン・ユルマズさんの造語ですが、私は秀逸だと思います。

エミン・ユルマズ「エブリシング・バブルの崩壊(集英社学芸単行本)」

思考の枠外を超えて、全体を俯瞰的に捉えているからです。

エブリシング・バブルの要旨としては、様々なアセットがバグってませんか、ということです。
エミンさんによると最たるものが仮想通貨で、最近はトランプさんが仮想通貨を米国政府として積極的に推進するとか言っていますが、仮想通貨ってそういうものでしたっけ?

とりあえずまとめると、私はリーマンショックと比較するより、エミンさんの言うエブリシング・バブルという視点からいまの状況を考えることの方が、有用だと思います。

で、タイトルに戻ります。
"まだはもうなり、もうはまだなり”、いまはどちらなのでしょうか?

私は答えはどうでもよく、投資の時間軸(縦)と市場全体を俯瞰すること(横)、両者の視点から捉え直す必要があるのでは、と思います。


今回はここまで。
次回またよろしくお願いいたします。

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