概念語が誕生すれば、全てを認識できる

外国のWEBサイトに飛んでしまったとしても、google翻訳機能が直ちに母国語に直してくれる世の中になりました。本当に、便利なんですよね。

今日の言語ハードルは低くなりつつあります。

そういえば世界共通の言語って、あったりするのでしょうか?


【世界共通言語はまだ存在していない】

さて私は、世界共通の言語は英語ただ一つだと思っていました。しかし、「世界の共通言語」でググってみると、中国語も英語以上に利用者が多いらしく、世界の共通言語は一つではないことを知りました。他にもたくさんあります。

英語、中国語は言語利用者数の多さから、共通語と定めてもそれほど差し支えはありませんが、それでも「世界全てを包括する言語」はまだ登場していないようです。


【人類に共通するもの】

人類が平等に持っているものとは何かを考えてみました。
きっと世界共通言語が生まれるとしたら、そこにヒントがあるだろうと思ったからです。私の勘なのですが。
さて、以下の3つが人類に共通するものだと私は考えました。

身体
刺激受容器(五感)
電気刺激信号

身体があるため、周囲の環境情報を刺激受容器(五感)が受け取り、それは電気刺激信号を発生させます。似た電気刺激信号が集まればそれは概念として認知され、人類はその概念を互いに意思疎通させる必要があったため、言語は誕生したのだと考えました。

なお、世界中に存在する言語はおそらく、それぞれの土地、それぞれの環境によって、概念は適切にピックアップされていると考えています。「言語A」には「概念α」があり、「言語B」には「概念α」と「概念β」がある。「言語C」には「概念α」と「概念γ」がある。といった感じです。


【馴染みの卵とダチョウの卵】

非言語である概念が言語となるとき、独自性という殻に覆われます。
これは卵に置き換えるとわかりやすいかもしれません。
黄身、白身といった中身は(ピックアップされた概念)、殻は(言語)となります。殻は鳥(人)の種類によって色、硬さ、大きさが違います。

ここで卵の中身(概念)を得ようとする場合、卵を割る必要があります。もともと自身が知っている馴染みの卵であれば、簡単に割ることができ、容易く中身を取り出すことができるでしょう。我々日本人が日本語を理解するようなものです。

さて、ダチョウの卵の中身を得ようとする場合、馴染みの卵を割る方法では、通用しません。その場合、ダチョウの殻の割り方を調べたり、手当たり次第、割る方法を試したりするでしょう。つまりそれは言語の習得とも言えます。ダチョウの卵の味を知りたくて是非とも食べたいと思う方、または食べなければいけない状況の方は、分厚い殻を割って中身を取り出すことにエネルギーを注ぎます。

卵を割る(習得する)にはエネルギーが必要となります。そのために「必要でなければ、基本、馴染みの卵だけで良い」という結論に落ち着くのが人類大半の意見だと思います。


【世界を包括する概念語】

それではどうすれば世界共通言語が誕生するのか。私なりに考えてみました。勘を頼りにしたものですので、ツギハギだらけの空想論になります。
SF小説を読むつもりで読んでいただけると、楽かもしれません(私がね)

さて、単純なことです。「共有可能な概念世界」を作れば良いのです。
つまりは人類における意思疎通のメインフィールドを「言語による会話」から「概念世界」にまで立ち戻らせる、ということです。これは昨今流行している技術の進歩次第では可能だと思います。

1:汎用型人工知能の誕生、技術進歩
2:汎用型とやりとりが出来るハードウェア、デバイスの登場
3:ブレインターネット(脳とインターネットを接続する技術)の発達

これらの要素が出揃ったとき、人類は概念世界へ立ち戻る準備ができ、世界全体のコミュニケーションは概念語(非言語)によって包括することができます。

1、2、3技術を組み合わせ、汎用型による人間が持つ概念のキュレーション、整理と保存、発信共有。

非言語はブレインターネットやネット上の汎用型を介して、電気刺激信号でやりとりされます。ボディーランゲージよりもさらに感覚でわかるような、膨大で繊細な情報を伝えることができるでしょう。イメージとしてはテレパシーで会話するようなものです。これこそ、真の意思疎通なのではないでしょうか。

さて、言語習得にはエネルギーが発生すると前項で説明しましたが、非言語は直接電気刺激信号を脳にダイレクトに伝えるため、習得の必要すらありません。例えばヘッドギアだったり、脳にマイクロチップを取り付けるだけで、それが可能です。SF映画っぽくて、わくわくしませんか?

電気刺激で交わされる概念語のやりとりはきっと、どの世界の言語よりもきめ細やかで、表現豊かです。
また概念とは、いわゆる生の素材であるため、前述した「概念α」「概念β」「概念γ」の概念すべてを持ち合わせています。
だからこそ、既存の英語などで言語の世界統一を目指したり、新たに世界共通言語を作る必要はありません。世界共通非言語、つまり概念語を作るべきなのです。

コミュニケーションの進化は、言語という「常識」を捨て去ることで可能になるのかもしれません。


【地球外生命体との意思疎通】

遠い将来、我々人類が地球の重力から解放され、宇宙を探索する時代になれば、概念語が発展していた場合、地球外生命体に遭遇した時に、意思疎通がしやすくなります。

相手側の生命体も、概念を共通非言語としている場合が考えられます。マクロ視点で宇宙を見れば非常に広大で、惑星だけを見ても多種多様さを感じます。しかし、ミクロ視点で宇宙を見た場合、宇宙は原子や電子で構成されているのに気付くはずです。根源を研究すればするほど、いくら宇宙広しと言えども、どこにでも通用するような共通部分がいくらか見つかるはずです。
概念は言語よりも根源側に近い存在です。概念の利便さを知り、概念語で意思疎通を行う生命体も広大な宇宙には存在していると考えています。

また、相手が概念語を持たない今日の人類のような生命体だったとしても、我々が概念視点で相手側の言語を観察すれば、いともたやすく言語を理解し、簡単に意思疎通ができるかもしれません。

「ワレワレハ、キミタチノコトバヲ、カリテシャベッテイル」

といった風に。


【究極の真理を受容することができる】

「宇宙のはじまりはいつなのか。宇宙がはじまる前はいつからあったか」
このような究極の真理を言語ではなく、概念あるいは概念未満の電気刺激信号であるがまま受け止めることで、我々人類はそれを理解し、受容できるようになるかもしれません。

我々が言語に縛られているうちは、宇宙の真理は理解できないかもしれません。なにせ、言葉で理解、表現できないからです。理解しようとすればするほど、恐怖や焦燥に襲われます。これは非常に深刻な問題です。

概念語が誕生すれば、この世の全てを認識できる。
特に真理探究でイメージを巡らす時とか、すごく便利だと思うのです。

私が生きている間に、どうか実用化されないかなーと、思います。
(だれか発明してくれないかな)

最後まで目を通してくれた方、ありがとうございます。

見上げれば大空が。見下げれば大地が。 俯瞰の位置では、多くを見ることができる。