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意識電子化による不老不死

不老不死とは人類が願う、希望のひとつである。
その方法はいくつか想像できますが、今回は意識の電子化による不老不死の考察を述べていきます。


【意識電子化による不老不死】

脳意識をダビングし電子化することで、意識に不老不死の属性を与える方法です。これはSF作品でよく描かれています。

人工知能開発で研究されている、脳をスキャンしてデータ化する「全脳エミュレーション」と呼ばれる技術が今後発達すれば可能だと思います。
エミュレーションは「真似」を意味します。脳の構造を真似するのです。
実際にC.エレガンスと呼ばれる線虫のエミュレーションは完成しているみたいで、電子化による不老不死は近い将来あり得るかもしれません。


【意識電子化の問題点】

例えばあなたが不老不死を望み、完成された意識電子化技術を実行したと仮定します。
電子化された意識はネット(ハードウェア)が存在する限り、半永久的に世に滞在させることができるでしょう。それは不老不死になったと考えても問題ない感じがします。

さて、電子化されたあなたが誕生しました。

しかし、そこには大きな欠点が一つ存在しています。
電子化された意識は「あなた」そのものですが、「あなた」とはまた別物という点です。

電子化された意識はいわゆるコピーであり、限りなくオリジナルではありますが、真のオリジナルではありません。
そして「あなた」が「もう一人のあなた」を生み出した時、それが自身と乖離した存在だと「あなた」は気付き、悟ってしまうはずです。

そしてオリジナル意識はやはり脳そのものに依存していて、たとえ意識電子化が成功しても、オリジナルそのものが電子側に移動した訳ではない為、真に望んだ不老不死になったとは言い難いでしょう。

漫画家が自らが描いた漫画に入り込めないのと一緒で、「あなた」の意識は、電子化された「あなた」の意識に入り込めません。

世の中の不老不死になりたい人たちは、オリジナル意識がそうなることを望んでいると思います。

仮にクローン技術が発達して、クローン体の脳にオリジナル意識のダビングが出来ても、しょせんはコピーです。

本物のあなたは、目の前で動くあなたのクローン体を見ておそらくショックを受けることになります。
そしてオリジナルの脳が滅べば、本当のあなたの意識は消滅してしまいます。

多くの人にとって、意識電子化では真に不老不死にはなれないのかもしれません。



【おまけ:電子化に向いている人】

電子化アプローチでの不老不死は「自身のオリジナル意識は滅んでも良いが、コピー意識でも構わないから世に残したい」といった、「花よりも種を残したい人」の方が向いているかもしれません。

特に思想家、宗教家と相性が良いかもしれません。

見上げれば大空が。見下げれば大地が。 俯瞰の位置では、多くを見ることができる。