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【3000文字チャレンジ】リオちゃんの嘘

3000文字チャレンジ第77弾!【嘘】

『終幕』から約5か月。久しぶりの3000文字チャレンジです。ただただ楽しい(*´∀`)

『嘘』という言葉だけを聞くと、脳内でのイメージはマイナスとしてジャッジすることでしょう。
けれど一口に『嘘』といってもそこには様々な背景があるのだ…ということを成長した私たちは嫌でも知るようになり、それらを使い分けて社会を渡り歩くことが暗黙のルールなってゆく…。

『本当のことを言わない』(…いや、『言えない』か?)も『嘘』と分類するならば、この世を回す潤滑油の1つは嘘なのでは?…と、私は思います。

ドラえもんの『もしもボックス』を使って「もしも本当のことしか言えない世界になってしまったら?」なんてお願いしたら各地で大変なことが起こるでしょう(|| ゜Д゜)で、5分後に「もとの世界に戻れー!!」なんて言ってもその時に生じたしこりが元に戻るはずなどないですよね?

…以上は大人たちの嘘事情ですが、ならば子どもはどうなのか?
今回は過去を振り返りながら、子どもたちの『嘘』について語りたいと思います。

突然ですが、『特命リサーチ2000X』というテレビ番組を覚えていますか?
1996年~2002年に日本テレビ系列にて放送。架空の研究所を舞台にし、数々の疑問を検証してゆく…という情報バラエティー系で、ドラマ仕立ての展開が印象的でした。
出演者は佐野史郎さん、稲垣吾郎さん、高島礼子さんetc…。

その『特命リサーチ…』ですが、私のお腹の中に長女がいた頃に『子供の嘘』について検証していたのですよ。「おぉ!! なんてタイムリーな」と思いながら画面にかじりつくように見入りましたね(笑)

20年以上経ってしまった現在、完全に覚えてはいませんが、一言で言うと『まあまあ、お母さん、そんなに子供の嘘を責めないでくださいよ』…という感じです。あ、ざっくばらんすぎてスミマセンm(_ _)m

理由の1つとして『子どもは本当にそう思っているから』とのこと。

コレ、私自身にも当てはまる思い出があります。

幼稚園の頃、私の家に遊びに来た女の子が持っていた『魔女っ子メグちゃん』のハンカチがめちゃくちゃ羨ましくて「私もね、そのハンカチ持っていたの」と言ってしまいました。

そして「…でもね、ここに埋めちゃったから、今はないんだ」と窓を開けて地面を指さす幼い私…。

あの時のことは何故か鮮明に覚えているのですが、言えば言うほど本当に『ハンカチはこの土の中に埋まっているのだ』と思うようになり、嘘をついている感覚はほぼゼロでした。なにせ『埋めた時の記憶』まで作り出しましたから…。ちなみにその女の子は「そうなんだね」と信じてくれましたよ(笑)

更に番組では、ある親子のやりとりを『子供の嘘の一例』としてピックアップしていました。

母親がおやつにイチゴを用意して、娘に「3時になったら食べようね」と約束させる。

・3時前であるにも関わらず、イチゴの数が足りない

・娘に問いただす

・娘「じつはクマちゃんが食べちゃったの」とぬいぐるみのクマを指さす

さあ、あなたがこの母親ならどうしますか?

多分ほとんどの親が「嘘つかないの‼️クマのぬいぐるみがどうやってイチゴを食べるのよ⁉️真実は1つ‼️あんたが食べたんでしょ⁉️」と言いそうですよね? はい、私だって言いますわ┐('~`;)┌。だって自分の子供が嘘つきになったら困りますからね。

でもこの子の場合、本当にクマのぬいぐるみがイチゴを食べた…と思っている可能性が高いのだそうです。それをキツイ言葉で責めてはいけない。
ちなみにこの時の理想的な回答は「…そうなんだ。クマちゃんはお腹がすいていたんだね」という肯定でした。(あくまで1例です。状況により色々変わるでしょう)

本当だと思っている嘘』を肯定することで、成長と共に他人の立場になって考えることができる子になるそうです。
例えば気に入らないモノをプレゼントされた時でも、まずは「ありがとう」と言える子供に…(*´ω`*)

あの時は勉強になりました!!

しかし、この番組を妊娠中に観たアンタはそれを完璧に実行することが出来たのか!?…と聞かれたら「う~ん、出来たり出来なかったり」と頭を搔くことしかできません。まさに言うは易く行うは難し。。(〃_ _)σ∥

さて、ここからこのエッセイのタイトルになっているリオちゃん(仮名)の話に入りますが、この子は当時幼稚園児ではなく、小学4年生の10歳。3年生の時に長女と同じクラスになり、それがきっかけで仲良くなった女の子でした。

今となっては印象最悪ですが、初めて会った時は『大人しそうで感じがいい子』と思っていたんですよ。家も近いので、中学生になっても高校生になっても仲良しでいてくれたら嬉しいな…と。

しかし3年生の終わり頃から私はリオちゃんに対し、「この子、本当にウチの娘を友達だと思っているの(・_・;?」…と、徐々に違和感を感じるようになりました。

きっかけの1つがこちら↓の『嘘』です。

「ママ、リオちゃんって『ダブルアクセル』が出来るんだよ。凄いと思わない?」

ある日、長女が帰宅するなり、嬉々とした顔で私にこんな報告するではありませんか!!

はあ(゜〇゜;)?????!?

「ダブルアクセルって、スケートのダブルアクセル?」
「そうだよ」

いやいやいやいやそんなワケあるか! 世の中のスケーター達が必死で練習してもなかなか習得できない技だぞ! 1億歩譲って本当にリオちゃんが出来るのであれば、浅田真央ちゃんやミキティがオリンピック前に戦意喪失するわ!!

…て言いかけそうになったんですよ。

でも友達を「凄い‼️」と信じている娘に向かってこんなことを言うのは大人げない。それにこの嘘によって何か被害が生じたワケではないから…と考え直して、これらの言葉を全て飲み込みました。

もちろん「嘘をつくならもう少し控えめなものにしてよ…」と思いましたが…。

しかしこの後、リオちゃんの嘘はとどまることがありませんでした。

一部を抜粋します。

・ウチのお父さんは部長だけど、社長より給料をもらっている(どんな会社だ?)

・娘が当時大好きだったモデルの写真やグッズをたくさん持っていると自慢。「見せて」というと、「あったけれど、弟がダメにした」(こんな感じで何回か弟が登場)

・団地に大きなお屋敷があるのですが、その家に入ったことがあると自慢(だから何?)何故か入る為には10万円かかったそうだ(もはや意味不明)

暴走するリオちゃんの『嘘』。未だに信じる長女。

内容うんぬんよりも、よそ様…それも10歳の子の嘘をどのように取り扱っていいのか物凄く悩みました。『特命リサーチ…』で取り扱った『嘘』はおそらく幼稚園児くらいの年齢だよね? 高島礼子さんも吾郎ちゃんも10歳の子の嘘については何も言っていなかったよね(´д`|||)…と。

その後、リオちゃんが何故あんなに嘘をつくのか…それが少しだけ解った出来事がありました。

3学期の学級懇談会でのことです。

出席した保護者が順番に『家で過ごす我が子の様子について』を発表したのですが、リオちゃんのお母さんは下の息子と比較しながら何度もダメ出しをするではありませんか。

(なるほどね…)

これだけが理由ではないとは思いますが、こんな扱いが家でも日常的にあるのならば、どこかで自分の事を「凄い‼️」と見せる必要があったのかもしれません(/。\)

いや、だからと言って嘘をついてマウントを取る行為はどうかと思いますけどね。実はリオちゃんが嘘をつく相手は主にうちの子だったんですよ。
更に相手によって態度が違う彼女に対し、さすがに「おかしい」と気づいた娘はブチ切れて距離を取るようになりました。もちろんこの時点で過去の数々の自慢は「嘘だ」ということに気が付いています。

5年生のクラス替えで2人は(めでたく)別々のクラスになり、その後の友達付き合いはなくなりました。

リオちゃんの嘘に振り回された1年でしたが、彼女は1つだけ娘に大切なことを教えてくれました。

「ママ、等身大に生きることって大事だね」
「…でしょ? (でも努力はしろよ)」

長女10歳にして悟る。まあ、これだけは感謝をしよう( ̄~ ̄;)