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Sunday recap #44: 適材適所 (2021/12/12)

師走らしく、盛りだくさんの一週間。ふたご座流星群もそろそろピーク。

今週の雑感

今週はふたつのコンテナターミナルに赴く用事があった。自分にとってターミナルは「現場」で、いつも気持ちが引き締まる。そしていつも気づきがある。

ターミナルはいわばプラットフォームで、国や港湾運営会社などの「プレーヤー」がいて、物流業者などの「参加者」がいて、荷主という「利用者」がいる。この3者のパワーバランスがおかしいと、いびつなターミナル運営になり、持続的な成長が困難な構造ができあがる。

例えば「利用者」や「参加者」の要望を聞きすぎると全体最適が失われ、有事の際に方向転換ができない。今回視察させてもらったターミナルには、参加者の目から見て、いくつもそんな「おかしな」点が見つかった。もちろんプレーヤー側からすれば、致し方ない決断なのだろうけれども。

日本は地方港湾の数だけでも800を超える。日本に港が多いのは、島国ということもあるが、陸上輸送のコストが高く、輸入の最終仕向け地に近いところまで届けるためにそうせざるを得なかった背景がある。

人口減少が進み担い手も減っていくなかで、1000弱の港湾をどうして運営していくか。成り行きのシナリオでは持続可能ではないことは自明だけれど、手立てはある。

各港は取扱量を奪い合うのではなく、KPIを見直し、それぞれ役割を明確化し、バランスの取れたプラットフォーム運営へと舵を切る。そして何より、「おかしく」なった箇所を、時代の波に合わせてやり直す勇気が必要なのだろう。

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今週のThe Economistの特集は、なんと日本。悲しいことに日本は普段の記事ですらほとんど取り上げられることはないのだけれど、今回の特集ではあえて日本にもう一度スポットライトを当てて、世界各国が日本から学ぶべきトピックスをまとめている。

デンマーク企業で世界貿易に携わる人間として、日本市場の衰退や存在感の低下はそこここで、データで以て思い知る。海外のステークホルダーの注意を引くために一苦労することも多い。ただ、この特集が述べるように、時の試練というのはすべての国に訪れる。人跡未踏の課題に立ち向かう国としての役割を再認識して、誇りを持って他国をリードしたい。

そしてそんな日本を少しでも応援できるように、引き続き行動をしていく。いまの自分の役割は、アウトサイド・イン的アプローチ。

最後まで時間を使ってお読みいただき有難うございます。投稿内容が少しでも何かの足しになっていたら嬉しいです。時節柄、どうぞご自愛ください。