自己肯定感って何だっけ?
こんばんは。
小説家として活動している藪田建治と言います。
今日はYoutueやVoicyでも活躍されている心理カウンセラーのるろうにさんのVoicyの放送を元にショートストーリーを組み立てたいと思います。
その放送のテーマとなっているのがこの自己肯定感。
1自己肯定感とはそもそも何か?
自己肯定感とは、良い所、悪い所も含めてありのままの自分を肯定する感覚。
つまり何かに優れている、何かに秀でているから肯定されるのではないということ。
仕事が出来るから、お金を多く稼いでくるから、そんなことでない。
仕事が出来なくても良い、見た目が良くなくても良い。
放送の中では赤ちゃんを例に挙げて説明されています。
赤ちゃんは何も出来ません、お金を稼いでくることも出来ないし、家事をすることも出来ない。でもほとんどの赤ちゃんは親から愛情を注がれています。それはその人の存在自体が愛されているから。
このように人は生まれた瞬間から価値があるんです。
他人の評価とは切り分けて、自分はこれで良いんだと思える感覚。
2自己肯定感が低いデメリット
次に自己肯定感が低いとどうなっていくのかを見ていきましょう。
自己肯定感が低いと、他人と比較しては自分を他人より低く見てしまう。
その結果自己の主張ができず、相手に合わせてばかりで自分のペースで生きられなくなってしまう。
例えば自分の体調が悪い時でもそのことを相手に伝えられない、相手と食事に行くとき自分が食べたいものを伝えられず、相手の意見ばかりに従う。
仕事で同僚などから仕事を依頼されて、本音は嫌だけど相手の反応が恐くて受けてしまう。
自分の気持ちを抑えて相手のことばかりを優先してしまう。
これが自己肯定感が高いとどうでしょう?自分と相手を対等に見て、今日は相手の食べたいものを優先する、その代わり次回は自分の食べたいものを優先してもらう、こうやって折り合いをつけられる。
職場でも同僚に仕事を依頼されても、引き受けても断っても自分には価値があると思える。やっても良いと思えば引き受けるし、今は無理だと考えれば断ることも出来る。
つまり自分で判断が出来る。
ここからはこの放送を元にショートストーリーを書いていこうと思います。
俺ってなんでこんなにダメな人間なんだろうな。
社内でも自分より仕事が出来る人なんていくらでもいるし、SNSを見れば同世代でも自分よりはるかに成功している人が山ほどいる。
俺何やってんだろうな。
今隣にいる友達も本当はどう思っているんだろう。
なんで自分なんかといたいと思ってくれているのかな。
「ごめんな俺なんかと一緒に時間をつかわせてしまって。」
「どうした、なんで謝るんだよ。」
「だって俺なんかと一緒にいてもつまらないだろ。仕事忙しそうだから自由な時間もそんなにないだろうに。」
なんでこんな卑屈になっているのかな。俺は自分が一緒にいたいと思っているからいてるだけなのに。
確かに仕事は忙しいし、残業だって多い、休みの日だって翌週の仕事のことで考えることもいっぱいある。
でも俺は一緒にいると落ち着くからいるんだ。優しい親友だから一緒にいるんだ。むしろ自由な時間が少ないからこそ、その時間の中で一緒にいたいと思う。
「ちょっと待て、俺は確かに忙しい方だと思うけど、だから一緒にいたいと思うんだよ。」
「なんで?」
「だっていつも優しくしてくれるじゃないか。いつも気遣ってくれるじゃないか。俺がしんどそうにしていたら大丈夫かって言ってくれるだろ。俺が昔将来の不安を打ち明けた時だって、ずっと話聞いてくれただろ。否定されることなんて1つもなかった。そんな仲間そういないよ。誰だって自分のことを優先したいんだから。」
「まあそれは自分が何もしてやれることがないから。」
「これがしてくれていることだよ。俺は広樹の悪いところも知ってるよ。今のように他人ばかりを優先して、自分のことを後回しにしてしまうところとか。でも良いところもいっぱいあるじゃないか。今のだってそうだよ、相手を気遣って優しい言葉を掛けられる。そのありのままの広樹が良いと思っているんだよ。そんな人と一緒にいると心が落ち着くだろ。」
ありのままの自分、そんなこと今まで考えてもこなかった。
自分の悪い所ばっかりに目を向けてきたから。
「確かに聞いてる限り広樹は俺より年収は少ないだろうし、会社の規模で言ったら俺の方が大きいとは思う。でもそんなもの個人にとってはどうだって良いことだろ。別に年収が高い方が偉いとか、勤めてる会社の規模が大きいからすごいとかもない。そもそも会社の規模なんて自分とは別物なんだから。」
「ありがとう。なんか自分で自分を認められるきっかけになったよ。」
「こちらこそ。でも本当に良い所も悪い所も含めて、ありのままの自分を受け止めるってとても大事なことだと思うよ。だって誰もが良い所もあれば悪い所もあるんだから。高校生の時俺等が夢中になってたバンドあったじゃん、その人達だって同じだよ。」
帰宅途中、今日の親友との会話が頭の中で反芻される。
ありのままの自分、良い所も悪い所もある、でもそれが自分。
その自分で生きていくんだ。
ありがとうな、小さく想いを吐き出す。
ふと夜空を見上げると小さな星が1つだけ輝いていた。