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Inscryption感想文 ARGを知らない男のきんぴらごぼう

Inscryption感想文(この感想文はInscryptionのOSTを聴きながら執筆しています)
現在の進行状況はエンディングを視聴したタイミングです

(この文章はInscryptionの感想をお薦めしてくれた友人に向けて綴った物、そしてその後の雑記です。面白い着眼点からの考察などはありませんが、プレイ当時の純粋か疑問や推理を綴りました。何故なら私がそういった感想を読むのが好きだからです。雑多な文章となっており、明確なオチなどは存在しません)

ローグライクのカードゲームで日本のゲーム大賞を取ったこと、なんか自分のPCのフォルダを使うってことは知っていた(配信してたVのエロフォルダって切り抜きを見た)
当初の「ニューゲーム」が選択できないところからもう雰囲気があり、非常に面白いゲームが始まるんじゃないかという期待と共に「コンテニュー」を選択した
暗闇と卓上の羊皮紙、静かなBGMが作る雰囲気と何も説明がなく始まったゲームにわざわざ「コンテニュー」を選択させてゲームを開始させたことに何か意図があるのだろうと心に留めた
何のゲーム?をなぜ?行っているのか?を理解できないままに鉱山男の初見殺しに大敗北した記憶がある(いかんせん初見プレイは2週間ほど前なので曖昧である)
そう、このゲーム全くと言っていいほど説明がない。この点において大いに俺の好奇心を煽ると共にお勧めしてくれたことに心から感謝した
物知り顔で話すオコジョ、説明書に書かれた落書き、相手の顔すら見えないほど真っ暗な小屋、明らかに「何かがある」という確信を持ちながらもそれに至るまでの推理の材料が足りず想像するしかない謎…そして話を進める上で向き合わなければならない「ゲーム」
当時はゲームによる「負け」と開かない扉の先が恐怖となり手が重かった記憶がある
ゲーム自体は画面共有して通話していた友人が遊戯王の民だったため、恐ろしい速さで不死リストーテムとウロボロス無限ループの開発によりサクサクと進んでいった
ゲームを進めるほどInscryptionというゲームの解像度が上がっていった
まず目の前のこの男は私とゲームをしたがっていること、目的もゲームの先もわからないが、負ければドアの向こうで「写真を撮られ、終わる」こと、物知り顔で意味深なことを言うが建設的な意見を出さずプレミに対して非常に厳しい面々が溢す情報…それらに対し、能動的に謎を解き明かすことはできずただ記憶の中でメモを取る事しかできない
ただ、目の前の男は「ゲーム」と「私がゲームを楽しむ事」に対しては真摯に向き合っていると感じている。それに気づいたタイミングはマップ(羊皮紙)を取り替える際のセリフだった記憶がある(うろ覚えだが)
言うなればこのゲームはTRPGであると思ったためだ。別の人間(ロール)をする際には仮面を被り、3人の番人を演じる際には荒々しく、陰鬱で、それぞれの狂気を演じることに全力だった。
そして改めてだ。改めて「なぜ?」がよぎるのである。
なぜこの男はゲームをしているのか?である。スタンスがわからないのだ。初めはてっきり「ロール」を演じる男に対して、自分も「探索者」や「挑戦者」としてのロールを1人でやっているだけなのか?とも思っていたのだが…(まぁこれは奥歯を引き抜くシーンなどで違うのではないかと結論付けたが)
男は明らかに何かを期待しながらゲームをしている。これはゲームオーバー後、新しくゲームを始める際に「前の人間は〜」などと不甲斐なさを嘆くような発言があったからである。この時の私は『ゲームをクリアさせる必要があるのか?何かの目的があるのではないか?』と思っていた。(最後までプレイした今では別の意味があったと確信できている)
そして二度目のクリアの時に漕ぎ着いた。この時、実はかなり時間をかけており、平日仕事終わりからちょこちょこ進めて4時間×3.4日ほどかけていた記憶がある。つまりは、このゲームがこれで終わるんじゃ無いかと(ここでエンディングで何かが明かされて終わりじゃ無いかと)たかを括っていたのである
そして挟まる実写パートである。この瞬間がこのゲームで最も恐怖した瞬間だと後から振り返れば思う。「何故?」と言う不理解こそが最も人間の恐怖心を煽るものだと思うからだ
直前までエンディングでも始まるのか?と油断していた私だったが…ビデオを見終わることと、暗く陰鬱なBGMを主体にした3D探索然とした小屋から、8ビットを主体としたまさに「ローグライク」を指すBGMへと変わったことにより、この瞬間!目に見える2Dゼルダ然としたマップによる視覚的効果より先に、音楽によって「ジャンル」が変わったと理解させられたのである
正直感動と期待感が湧き上がった。ぶっちゃけカードゲームはあんまり上手くいかずに飛行ウロボロス頼りだったため時間がかかりすぎてちょっとダレつつあったためである。こればかりは己の不得の致すところではあるのだが…
そこからは2Dパートが終わるまで一息に駆け抜けた記憶がある。というか小屋を抜けた時間が12.30を回った時間だったため、新たな探索は翌日へと回されたのだ。この日の就寝は非常に満足したものだった。続きに何がくるのか?小屋の中での出来事はなんだったのか?ほぼ情報を示さず、ただ「Inscryption」のゲームを見つけた(それもフロッピーディスクを!ローディング画面で何故フロッピーディスクなのか疑問だったのだ!それへの答えの一助になるのだろうか?)あの男性は、私(ゲームの中で身動きの取れない自分)に代わって謎を解き明かしてくれるのか?そう思いながらかき集めた脳内のメモを整理しつつ寝た記憶がある
そもそもこのゲームをお勧めしてもらうにあたり、「毎日ちょっと進められること」「推理系だと嬉しいこと」「それによって毎日夜寝る前に推理しながらベットに横になれること」を指定していたのだが、モノの見事に全てのハードルを超えてきたのである!この日はほんとうにこのゲームをお勧めしてくれたことに感謝しながら就寝した
そこからは本当に早かったと思う。2Dの世界で探索もそこそこに先のストーリーを読みたいがために玉砕戦法でカードゲームをしたこと、合間合間に挟まるビデオパートを机の上に多く乗っているオカルトグッズ(?)一つ一つをしっかりと見たこと(このパートがフロッピーディスクだったかも)、面々のアメリカンな嫌味にいちいちピキりながら話をすること、変拍子が混ざる良BGMに耳を傾けること、本当に世界へ前のめりに集中することができた
だんだんとInscryptionのゲーム理解度が上がると共に、それに伴い現実世界においての謎も深まるのが肌で分かった。自分のきっかけは「自作カードがアップロードできない」と言われたタイミングだったが(これはかなり後なのだが)、実は「相手へのダメージは自分のフォルダ内の容量による」と言われた時から始まっていたのだ(これは機械野郎からも最後ドヤ顔で言われていたことでもあるのだが)
まぁ別にPCやウィルスに詳しいわけではないが、APEXですらアンチチートの為に一般無料FPSにかなりの権限を持たせて監視する際には「実行してもいいですか?」とPC側から確認を取られるのだ、なら起動時に管理者のあれこれが出ないゲーム如きにファイルをどうこうできる権限はないだろう…とこの時は能天気に考えていたのである
話を戻すが、現実世界のパートとゲームの中の謎、そして現実の「私」がInscryptionをプレイしていた「ゲーム実況の男」と言う構図には驚いた
この構図にすることにより、「男」はInscryptionをプレイ、もしくはクリアすることによってInscryptionそのもの、もしくはそのルーツに大きく近づくことが出来るという2つの分離されていたストーリーをいとも容易くくっつけたのだ
この瞬間、どこかホラーチックながらも恐怖心を抑え、Inscryptionというゲームは何なのか?という疑問を持っていた「私という人間(プレイヤー)」が、伝えてもいない家に押しかけられ身の危険を感じながらも、このフロッピーディスクは何なのか?と好奇心を抑えられない(カードゲーム開封動画も手につかない有様になった)「男」が重なったのである!何と素晴らしいストーリーラインなのか!と絶賛しつつ、早く続きがやりたいのに夜寝なければならないという悶々とした気持ちで夜中ベットに横たわったのを覚えている。
さて、実はお恥ずかしいことにここからエンディングパートまでの記憶が曖昧である。翌日は仕事が残業だったことと、それでもギリギリまでやったことにより意識が朦朧としながらやっていた為である。ぶっちゃけあんま覚えてない。だが、プレイボードの部屋の横にいる、デジタルウサギの皮をあげることにより情報を教えてくれる存在に対し、「コンプしてないけど進むかぁ」と舐めた態度で進んだ記憶はある。勿論、当然だが後悔するのである。
Inscryptionというゲームにおいて大きな意味を持つ「大いなる存在」。これの意味がしっかりとわからないままEDに突っ込んでしまった事に、私は深い後悔を持っている。
これは、単に私の理解度が低い為か、探索が浅かった為か、それとも割と海外洋ゲーではある「しっかりとしたEDがないエンド」なのかがハッキリとはしないが…そう、EDを迎えてしまったのである。(これだけしっかりとした伏線があるゲームでそんなことはないだろうが)
このゲームにおいて後戻りはない。小屋の時点で分かっていたが、「コンテニュー」と「ニューゲーム」に大きな意味を持たせるこのゲームにおいて、複数分割セーブデータというものは存在しないのである。正直、サクサクと進めすぎていて、その点を失念してしまっていた自分に恥ずかしさまである。小屋のパートやドットパートでは全てのことに気を配りながら探索していたというのに…
いくつかの謎や、納得ができない点を抱えつつ、InscryptionはEDを迎えた。ストーリー進行とでEDが変わるかもわからないのである程度は話すと、最後の絵描きとは握手できずに射殺されて終わりEDであった。
そして、呆然とした心持ちの中、一度ゲームが落ちた。この瞬間に、まずいという気持ちが湧き上がってきた。絶対に「good end」や「true end」と評される終わりかなではないような終わり方。そしてフロッピーディスクを破壊していた映像に、ゲームが自動的に落ちたこと。これが偶然ではないとしたら、「プレイヤー」と「男」を同一視させるというゲームの構図を考察した意見が正解だとしたら…そう思いながら再度Inscryptionを起動した時、「コンテニュー」の選択肢がなく、新しい画面に変わっていたのを見て絶望した
をゲームのプレイヤー」と「男」を同一視する場合、銃で撃たれて死亡エンドは『ここで終わり』になってしまうのだ…
あっけなく終わったことと、そして浅慮だった自分を反省しながらこのInscryption感想文を認めました。
終わり。

追記
2周目あるならやりたいけど、それは真の意味では謎解きにならないから、もっとしっかりやればよかったなって少し後悔している
また、この作者の前作要素がストーリーに混ざっているらしい為、それも含めた他人の考察を読みに行こうと思っている

さて、ここまで感想文を連ねたが、改めてここから先は感想文とは言えない後日談に近いようなものになっている
このnoteを書くにあたり、原因というか心境に近いものをモノのついでに書き散らそうというだけである。感想文という自分の心を開くような行為をしたからだろうか、なんだか「そういう」気分なのである
今回インスクリプションの感想文を書くにあたり、お薦めしてくれた友人への感謝と共に少々の駄文と共に送るつもりだった。それが増えに増えて5500文字である。
5500文字!?実に400字の原稿用紙が14枚分である。多いな…

隙あればブルーアーカイブの話で本当に申し訳ないが、ブルアカのメインシナリオ読み感想文を読んでから自分の感想文を書くことに興味があった。
人生で初めてnoteというものを読んだのは「与吉」という方のエデン条約編感想:百合園セイアの楽園を証明し続けるために《対策委員会編、パヴァーヌ編、カルバノグ、最終編他全ての感想を含む》である。
https://note.com/yokitimeira/n/n8d54c4e8ee28
非常に、非常に長い文章であるため軽く見る程度に抑えた方が良い。しかし、ブルーアーカイブのストーリーが好みの人間は是非読んでみてほしい。とても面白い内容になっている(ここで感想を並べるには長すぎる)
ただ、この時のこの文章だけは書くことへの興味はなかった。あったかもしれないが、それは寝ればすぐ忘れてしまうようなものだと思う
noteというものが面白い読み物を提供しているサイトだと理解したのち、TLに流れてきたnoteをたまに開くようになっていた。
次に衝撃を受けた体験がある。名取さなの誕生日ライブ「さなのばくたん。2024」の初現地参加である。参加のきっかけはまぁ…色々あってなのだが、(基本的に出不精かつ絶望的予定センスの無さや方向音痴故にひとりで都会へ向かうのはあまり好みではないため)人生初のライブ参加という体験はあまりにも大きい衝撃を体に残した。俗っぽい表現だが、焼き付けられたのだ。眩しいものである。安っぽい表現でもあるのだがそういうものなのである
ライブは木曜日で翌日は仕事、その為急ぎ帰宅しその日は寝たのだがその後にTLにたくさんのnoteが流れてきた
何故か、何故か自分はそのnoteをいくつか読んでそれ以降を読むのをやめた。何故かである。勿論文章の内容がどうのこうのではないし、気に入らなかったわけではない
noteに書かれている人の感想文は輝いてるように見えた。当日の自分の醜態をここでつらつらと並べるつもりは毛頭にないが、100%の体で向き合っていたかと問われればそれは否と答えるような態度だった。要するにライブで焼き付けられるまではナメてたのだ。それに対して自分より遠い地方から細部に渡るまで楽しみきったオタクの輝きがどこか自分には違うものに見えて、心構えができていなかったことに直視できず目を逸らしてしまった
まぁその…幼稚な嫉妬心である。その時に「感情」を心の中で燻っている火種のうちに大切に大切に仰ぎ文字として熾す必要がある、と心の底から思ったのである
早い話が、「今度心から感動したことがあったらすぐ文章にしよう!」である。そしてタイミングよく目に映ったのが名取さなのライブの際、メシを食った友人におすすめされたインスクリプションだった…というわけである

てかARGという概念を知らなかったから感想文中でずっときんぴらのことをごぼうとにんじん炒めたやつって表現してるドラゴンになっちゃってるの恥ずかしすぎる

感想文の中でも触れたが、「この仮面の男は役割(ロール)を変えている」「これをTRPG風だと捉えた」としている。実はもう少し詳しく言えばTRPGと、RRPGの事を思い出した。
RRPG?意味を知らない人が多いとは思うが、これは私の中学生時代の愛読書であった「都会のトム・ソーヤ」の中でのワードだからである(だから感想文の中では出さなかった)
RPG(ロールプレイングゲーム)に対比して作られたこの言葉はRRPG(リアルロールプレイングゲーム)という意味合いを持っている
TRPGではトーク(会話)をもってロールプレイング(役割の行動)を起こすわけだが、RRPGではどういうものを指すのか?
この話は都会のトム・ソーヤの話になるのでざっくりとするが、「一人一人が役割を持ち、目的に向かって行動を起こすゲーム」である。
今であれば人狼ゲームやマインクラフトでのサバイバルゲームなどが挙げられるだろうか。テレビ番組で言えば「逃走中」などがそれにあたるだろうか。驚くべきはその概念が2006年には出ていたのである。
その人による選択をその人が行動する。その概念的に先に頭に浮かぶのがTRPGより先にRRPGという話である。本当に本編にはあまり関係のない小話である

古典的な、いわゆる古い「怖い話」の『ひょっとしてあなたが風呂場で目を瞑っている間に暗闇には…』ってオチは、現実での死角に物語が実在しているかもしれないという想像を掻き立てるものになっている
これが現代では媒体が紙や口頭からPCゲームとして変化した事により、新しい表現だと思う
今回のInscryptionにおいては「カードからフロッピーディスクを見つけ出し調査をする男」と「このゲームをプレイしている自分」という存在を『ゲームプレイ中に重ね合わせた』というふうに認識している
この表現方法や、パノラマサイトにおける冒頭のsteam名をぶっ込んでくるシーン(うんちデリバリー事件)などは、新しいPCゲーとして表現された方法による、新しい恐怖(ホラー・テラー)なんじゃないかと思う
まぁつまりPCゲーの表現による新しい体験(AUG)が得られたって話

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