オンライン演劇の魅力

コロナ禍で見えた演劇界の新しい可能性
オンライン演劇の魅力

こんにちは、ありあ🦄です。オンライン演劇、皆さんは鑑賞したことはありますか？

私はコロナ禍に初めて体験しました。そこで今回はこの新しい観劇スタイルにスポットライトを当ててみたいと思います。

オンライン演劇とは?メリットとデメリット

2020年は演劇界にとって苦難の年でした。
世界的にもアメリカのブロードウェイやイギリスのウエストエンドなど劇場が集まる地域では公演中止 が相次ぎました。

日本演劇界でも、特に緊急事態宣言により自粛を強いられてからは多くの上演が 延期、中止に追い込まれました。文化庁の調査によると、公演中止などを理由に文化芸術イベントを 直接鑑賞する頻度について、減少したと回答した人の割合は76.9%にもなりました。

しかしながら、その代わりに新しい演劇の形として台頭したのが「オンライン演劇」です。
画面越しに鑑賞するため、所謂「生モノ」と言われる演劇の良さを伝えられない、とも思われてきましたが、振り返ってみると多くの人々がコロナ禍でオンライン演劇を鑑賞する機会 があったと思います。

実際、同じく文化庁の調査では74.1%の人が間接鑑賞(画面越しに文化芸術イベントに参加すること)を経験したと答えています。とりわけ20〜29歳では有料配信をしたことがある という回答が48.4%にも上っています。
筆者も実際に在宅期間に鑑賞する機会があったため、ここで感じたメリットやデメリットをあげてみたいと思います。

メリット 

・感染状況に関わらず、遠方の劇場での上演だったとしても観劇できる 

・劇場での上演よりもチケット価格が安価な場合が多い 

・オンデマンド配信もあり、スケジュールを合わせて観劇しやすい 

・劇場上演の配信では劇場での鑑賞に比べ、役者の顔が見やすいこともある 

・家でリラックスして観劇できる

デメリット

・劇場の温度感を感じられない

・演出への制限がある 

・技術トラブルが起きることがあり、生配信では命取りともいえる 

・カメラワークにより観劇が制限され、自分なりの見方ができない 

・観劇前後の気持ちの高まりがなく、観劇への特別感がない 

・パンフレットなどの物販ではその場で手に取れない

このようにいい点も悪い点もありましたが、 実際に上演された作品では様々な工夫を加えることで成功を収めていました。

動画配信の工夫
多くの劇団が動画配信サービスを利用し演劇配信を行い、配信期間や料金は様々ですが、中には無料配信をしている団体もありました。
日本内外で過去に行った公演を無料で鑑賞することができるものもありました。当時鑑賞することができた人はその時の感動を思い出す機会になり、劇団にとっても新しいファン獲得のきっかけにもなったと考えられます。

月額を支払えば日本全国の劇団を鑑賞することのできる動画配信サービスも登場しました。 アプリインストールや会員登録で無料鑑賞も可能であるなど気軽で、物販購入で多くの劇団を応援できる点が魅力と考えられます。

 旗揚げをオンラインで行った劇団もいくつもあるため、 このような総合サイトは多くのファンと劇団を繋ぐ重要な役割を担っているとも思います。

演劇祭などのイベント開催もありました。 特に学生演劇コンクールのようなコンテストでは 劇場上演と異なる演出方法となりますが 制作側のアイデア力がより一層試され、 オンラインながらも熱気が生まれたのではないでしょうか。

プラスアルファの演劇 

現在では既にチケット購入期間、配信期間ともに終了しているものが多いですが、 ”VR演劇”のようなオプション付きの演劇も登場していました。

舞台上の主人公の目線で演劇を楽しむことができる点が注目されます。 VRゴーグル装着で鑑賞するので臨場感がある点が興味深いのではないでしょうか。

また海外の演劇を鑑賞することも可能となりました。 現地を訪れた気分になれるほか、語学学習にも繋がるかもしれないですね。

中には配信元の劇場が学生へ文化学習の機会を支援するための寄付を行っており、無料鑑賞の代わりに寄付をすることで若者育成や文化伝承につながるプロジェクトもありました。

コロナ禍で文化伝承の危機とも思われましたが このような工夫で寧ろ文化振興に繋げることができると考えられます。

今後にどう生かすか。

舞台に興味を持つきっかけに。 

現在2021年後半になり、ようやく対面での演劇が少しづつ増え回復の兆しも見えています。
オンライン演劇は劇場で上演する演劇の価値を見直すきっかけ、また劇場の灯を消さないための苦渋の対策で、希望でもありました。
劇場での鑑賞の促進、そして演劇界の発展のために オンライン演劇を新たな表現の場や演劇振興の場として利用していくことができれば コロナ禍の経験も無駄ではなかったと言える日が来るのではないでしょうか。

参考文献 文化庁 https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93041901.html

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