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猫とやきもち

わが家には2匹のネコがいます。
べっ甲のレヴィとシロ茶のコタです。

レヴィと暮らし始めて1年ほどして、わが家にコタもやってきました。
それまでベッタベタの甘え猫だったレヴィが変わったのは、そのころから。
蒸したササミを食べなくなったり、抱っこしても嫌がったり。
どうしてなのか相変わらず肩にはのってくれるので、そこまで心配もせずに様子を見つつ2年、3年と過ぎて甘え猫もどらず。

そういうもんか、と思ってたんです。
3年ですよ? そんな、まさか。
あの、ベッタベタの甘え猫がもどってきたわけじゃないけれど。
言えば、どこかにいってしまってたのとも違って。
ずっと隠れてこっちを見てた、というのが最近になってわかりました。

コタがいないとき、たとえば寝室の奥で寝入っているとき。
ひっこり甘え猫は顔をのぞかせます。

テレワークだったりで、たまにでも家にいる時間が少しだけ増えて、だからこそ知ることのできたレヴィの胸のうちというか。

ヘソ天あお向けになって、ごろんごろんしたり。
びちゃびちゃの鼻先を擦りつけてきたり。
喉をぐるぐる鳴らしながら、ひざのうえで毛づくろいをはじめたり。

べつに仲が悪いわけじゃないけどレヴィなりの矜持があるみたい。
コタの前で甘えないのは、妻曰くレヴィのやきもち。

そういうのもツンデレって言うんだろうか、なんてレヴィばかり撫でてるとコタが癇癪をおこして「ぎゃお!」なんて大きな声を出したりして。
いっしょに暮らすとわかるけど、猫が気まぐれなんて信じないほうがいい。
ガマンしちゃうほうなんです、たぶん猫は。
そのせいで素っ気なく見えるだけ。

ベッタベタの甘えたがりで、やきもちやき。
どんな猫だって、きっとそう。

シャー! って言われたり、ひっかかれたり。
たぶん人間のほうにガマンが足りないのが気に入らないんでしょう。
野良猫は、間違いなくそう。
ふつう知らないひとから撫でられそうになったら怒るもんね、人間も。

猫は3年の恩を3日で忘れる、なんてのも大嘘です。
たぶん、すごく怒ってるだけ。
3日も顔を見せないなんて、ってね。

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