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G7イタリアサミット

世界情勢をみるうえで重要なG7イタリアサミットが閉幕した。

議長国イタリアのメローニ首相は15日の記者会見で、声明について「G7首脳がロシアの侵略で危険にさらされているルールに基づく国際秩序を守るために立ち上がった」と述べた。

G7は声明で、ロシアはウクライナの損害を「賠償しなければならない」と断言。ロシアが侵略をやめ、賠償を行うまで露資産の凍結を続ける方針を確認した。

また、ロシアを中国が支援しているとして「深刻な懸念」を表明するとともに、中国によるロシアの防衛産業への支援は「ロシアが違法な戦争を継続することを可能にしている」と非難。中国に対し、軍民両面で利用可能な物資のロシアへの移転停止を要求した。北朝鮮によるロシアへの弾道ミサイル輸出も「可能な限り、最も強い言葉で非難する」と明記した。

インド太平洋の安全保障を巡り、中国を念頭に東・南シナ海の状況に深刻な懸念を表明。武力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対した。台湾海峡の平和と安定の維持が「国際社会の安全と繁栄に不可欠である」ことも再確認した。

(中略)

人工知能(AI)を巡っては、軍事利用に関し責任ある開発と利用の枠組みの必要性を指摘。AIの労働分野での利用に関する行動計画を立ち上げることも明記した。

上記記事より引用

ロシア・ウクライナ情勢や、イスラエル情勢が取り扱われるのは当たり前のことだけれど、これらは地上波の報道も多いので、ここではあえて別の観点からG7イタリアサミットを考察してみたい。

個人的な注目ポイントは以下の3つである。

①インドが参加、ローマ教皇が参加
②自由で開かれたインド太平洋への言及
③AIへの言及

1.インドが参加、ローマ教皇が参加


G7首脳以外にも、様々な国の首脳が参加しているが、特にインドとローマ教皇に注目したい。

インドは14億人を誇る世界最大の人口国であり、今後の台頭が確実視されている「21世紀のキープレイヤー」である。そして、ローマ教皇は13億人のキリスト教信者を束ねるとされている。

この両者がG7サミットに参加することの意義は大きい。特に、以前に比べ世界GDPに占めるG7の割合が低下し、影響力が限定的となってきている現状においてはなおさらだ。

特に、日本にとってインドは重要な将来的パートナーである。国内ではいいところのない岸田氏であるが、モディ首相とは首脳会談を行っていることを、ここでは指摘しておきたい。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sw/in/pageit_000001_00746.html

2.自由で開かれたインド太平洋への言及

繰り返し述べているように、21世紀の日本の世界戦略にとって最も重要な要素のひとつが、「自由で開かれたインド太平洋」戦略である。特に、地理的に遠い欧州諸国も、インド太平洋地域において「日本側」につなぎとめておく必要があることから、G7サミットにおいても重要な議題となるはずである。

幸いなことに、台湾海峡含めたインド太平洋地域への言及が、共同声明においても見られた。

3.AIへの言及

インターネットが普及したとき以上の勢いで、日々技術革新が進むAI分野。自由民主主義諸国と権威独裁主義諸国に世界が陣営分割されるなかで、AIに対する共通ルールをG7で共有することは極めて重要である。

具体的な内容はともかく、共通の課題に取り組もうという姿勢が見られた点は、評価しておくべきだと思う。


これ以外にも、G7における日本の活動は外務省HPに掲載されているので、世界情勢を考えるうえで一通り目を通しておくと、地上波報道とは全く異なる世界も見えてこようというものである。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/pageit_000001_00721.html

(画像は写真ACから引用しています)

もう広島サミットから1年かぁ・・・早い。。

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