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「世界最古の国・日本」戦略:未来に羽ばたく新たな日本のミッション・ステートメント

世界最古の国」・・・ゲームのようなその響き、なんとオタク心をくすぐることだろう。

しかし、これはゲームやアニメのファンタジー世界の話ではなく、現実の世界の話である。

そう、私たちの住む日本は、現存する世界最古の国なのである。

日本のルーツを辿る

西暦2023年は皇紀2683年、すなわち、日本は建国以来2683年経っている。

毎年2月11日は「建国記念日」として祝日になっているが、これは初代天皇たる神武天皇が即位したと推定される日である。かつては紀元節と呼ばれた。「神話の時代」の建国記念日を、日本は今なお受け継いでいる希少な国である。

ただし、神武天皇が即位したとされるのは西暦でいえば紀元前660年。西洋はギリシャ時代、中国は春秋戦国時代である。考古学的にみれば、日本はそのころ弥生時代、強力な王権が確立されていたとは考えにくい。したがって、神武天皇の実在性については疑問が残る。

実在がほぼ確実視されているのは、第16代仁徳天皇(4世紀)とされる。このころには、巨大な墳墓・いわゆる古墳が多数建造されるなど考古学的エビデンスも豊富となってくる。都があったとされる難波宮跡もある。

しかし、実在がほぼ確実視される時代が始まりとしても4世紀、つまり日本は少なく見積もって1700年以上続いているのである。「京都は千年の都」というように、京都に都がおかれていた時代だけでも約1000年。日本は古い古い歴史を持つ国なのである

「千年王国」というのはゲームやアニメにしばしば登場する”長く存続する伝説上の国”を想起させるファンタジックな言葉であるが、日本は実は「千年王国」どころではない!

日本の希少性

さて、「現存しないもの」まで含めば、歴史上にはじめて「国家」を形成したのはメソポタミア文明圏のシュメール人であるとされる(紀元前2700年ごろ?)。当然ながら、シュメール人の国は今は残っていない。

中国の古代王朝「夏」も、紀元前2000年ごろに建国されたとされているが、中国4000年の歴史の中で王朝は次々と入れ替わってゆき、現存の中華人民共和国は建国70年ちょっとである。

このように、2600年以上、少なく見積もって1700年以上も「王朝」が入れ替わることなく継続してきたのは世界に日本しかなく、日本人はこの希少性にこそもっと注目するべきではないだろうか。

縄文文明にみえる未来への可能性

現在の日本の国体が2600年以上、少なく見積もって1700年以上続くという話をしてきたが、「日本文明」という観点ではどうだろうか?

御承知のように、いわゆる世界四大文明というものには以下のようなものがある。メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、中国文明。もっとも古いとされるメソポタミア文明では、紀元前7000年~8000年ごろに「チグリス・ユーフラテス川」近隣に人々の定住がはじまったとされる。

そのころ、日本はどうだったのだろうか?

2021年に「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録された。この地域の縄文遺跡の調査により、日本の古代文明の常識が次々と覆ってきている

北海道・北東北の縄文遺跡群で最も有名な青森市の三内丸山遺跡は、今から5000年ほどまえに古代日本人が大規模な定住生活を行っていたあととされる。大規模な木造建造物に大量の土器、さらには日本の各地と交易すら行っていたとされるヒスイや黒曜石まで出土している。

つまり、日本の東北地方では、紀元前4000年よりも古い時代に、既に大規模な定住生活が営まれていたのである。

そしてこれらの遺跡群の中で最古とされる大平山元遺跡(青森県東津軽郡)は、紀元前13000年(!!)ごろに作られたものという推定も出てきている。

古代日本人は、なんと1万年以上まえから、安定した定住生活を営んでいたとされるというのが最新の学説であり、しかもその暮らしは文明的で、「縄文人は野蛮な原始人だった」という概念は覆されているのである。

日本は「国家」としても現存する世界最古の国であるが、「文明」という観点からみても、世界屈指の古さを持つのである。

未来へ向けて日本をどうしていくか、そのイメージ戦略の一環として

かつて「クールジャパン戦略」というものがあった。マンガやアニメ、ゲームなどのサブカルからファッションや食事なども含む文化全般として、「日本=かっこいい」というイメージを作っていきましょうという政府主導の戦略である。

結局、海外に無駄なハコモノを作って税金を無駄遣いしただけと揶揄されることもあるが、「日本はこういう国です」というイメージを世界に発信していくことは大切だと思う。

外国人が日本に興味を持って観光に来たり、日本のマンガやアニメを消費してくれたり、というような経済的メリットを後押しするための仕掛けである一方、「日本はこういう国です」というイメージを設定することで、日本人がプライドを持って海外で活躍できるようになるという精神面でのプラス作用も期待できる。

敗戦国・日本としての「戦後レジーム」から少しずつ脱却しつつあるいま、新たな長期戦略を設定することが日本人の力を引き出すことにも資する。日本人は、目標を設定されたら集団でそれに向かうのが得意な民族だから、「適切なゴール設定・イメージ設定」が極めて重要である。

そこで、21世紀~22世紀へ向けて、日本をどのようなイメージの国にしていくべきかという問題において、この「世界最古の国・日本」戦略を提案する。

ゲームやアニメに触れるオタクのみならずとも、「世界最古」というのはワクワク感を覚えるワードであろう。外国人が日本に興味を持つきっかけとして、「クールジャパン」というよりずっと具体的で良いのではないだろうか。

そして我々日本人も、「世界最古の国」に住む人間として、一定のプライドを持つことができるだろうし、さらには「なぜ、日本は世界最古の国なのか?」と日本の歴史に興味を持って学ぶきっかけになることも期待できる。

ということで、「世界最古の国・日本」戦略シリーズはマガジンとしてしばらく続けてみようと思う。これが記念すべき第一回。私自身も今持っている知識以上に勉強が必要だろうし、もしかしたら超大作になるかも・・・?将来的には書籍化までこぎつければwwwというのは冗談だが、一応オファーお待ちしています(笑)

・・・でも飽きたら唐突にやめるかもしれません。

参考:



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