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わからない状態を漂う

堀越耀介『哲学はこう使う』を読んでいます。

私たちの日常は、ググってもわからない、正解のない課題であふれています。時代の急速な変化の中で、理にかなっていない社会規範は徹底的に批判し、「本当に価値ある生き方や共同体の在り方とは何か」を考える。そのためには、哲学的な思考力が必要となるのは間違いありません。 (p.43)

Googleで検索してもわからないことを「考える」のは大変なことです。
答えにたどり着けるかどうかの見込みも立たないままに、課題と向き合い続けることになります。高いレベルの精神力、体力が必要です。

「ググってわからないことと向き合う」という点では、哲学者とコンサルタントは似ているかもしれません。コンサルタントは、お客さんがググってみても、アレコレ試してみても「答え」が出せなかった問題に取り組むことになります。

そのため、起きていること(現象)を単にフレームワークで分析し、本やネットでかじった情報を元に「それっぽい答え」を出すだけでは、良いコンサルタントとは言えないでしょう。お客様から、「そんなこと、もうとっくに試したよ…」と言われるのがオチです。

現象レベル、表面レベルの思考を一歩、二歩と深め、その構造本質を見極める必要があり、その上で問題解決を行っていく必要があるのだと思います。(あくまで想像ですが)

じゃあ、「現象→構造→本質」と思考を深めていくためには、どうすればいいのか?・・・わかりません。

ヒエ〜、来年から人事のコンサルタントを名乗るんですけどね。
まいったまいった。まだ学生で、スキルも経験も、十分ではありません。
でも、本質を考えられない、薄っぺらいコンサルにはなりたくない。
大雑把ですが、「思考力の高い」コンサルタントになりたい。そのために、今からできることはなんでしょうか。


伊賀泰代さんは著書『採用基準』のなかで、思考力について以下のように定義していました。

思考力 = 思考スキル + 思考意欲 + 思考体力

思考スキルは、入社後にトレーニングを受けたり、実践経験を積むことで身につけることができます。構造、本質を見極めるためのスキルも、後から身につけることができるはず。

しかし、思考意欲や思考体力といった、「いくらでも考え続ける、考え尽くす」ための資質は、一朝一夕で身につくものではありません。自分がどの程度思考意欲、思考体力が高いのかはわかりませんが、わかったことは1つ。

答えを出せないモヤモヤ状態を”漂う”覚悟は持てる、ということです。

人や組織における問題というのは、そんなにパパっと答えの出せる問題ではないはずです。それは、入社したての新卒でも、ベテランの方でも同じ。
本気でその問題の本質を掴み、解決しようとすれば、答えの出ないモヤモヤ状態を”漂う”時間が出てくるはずです。逆に、さっさと答えが出せると思う方が危ない。

答えを出せないモヤモヤした状態が必ず生まれるが、そこで表面的なレベルの問題解決や提案を行う誘惑をはねのけ、わからない状態を”漂う”必要がある。めちゃくちゃ浅いですが、これがこの本を読んでいて得た気づきです。

今思い出しましたが、受験生時代、わからないとすぐ解答を見ちゃうタイプでした。思考意欲や思考体力、低い方かも。

今日書いたノート↓

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