見出し画像

スポーツコミュニケーション講習を受けた話

公認スポーツ指導者資格の更新のために日本スポーツコーチング協会の「スポーツコミュニケーション」講習を受けた。講師の方は過去にビジネスコーチもされていた方。
なお、協会の代表理事の谷口さんは、私がコーチングのバイブルとしている「ザ・コーチ」シリーズの著者で個人的に崇拝している方。

スポーツコミュニケーションは「チームや選手の力を最大限発揮させ、目標達成の確率を高める影響力」と定義される。

"P(Performance) = p(Potential) - i(Interference)"の考え方をもとに、pを高める、iを下げるをいかに実現するかを中心テーマとしたディスカッション形式の3時間。
中でも"i"については、一定の関係性を保つことを前提に、聞き出して対処をはかる必要があり、難易度が高いがここが実は特にインパクトがでかく、特に議論としても時間をかけたところ。
一緒に議論した参加者は高校の運動部顧問、中学校運動部の外部指導員、スポーツクラブの指導者など。

内容としては、指導者と選手間、選手間どうし、選手と親のコミュニケーションに不具合があるときに生じる問題、日々の各方面の関係性の質を高めるための日頃のコミュニケーション方法、「自主的(言われなくてもやる)」を超えて、「主体的(自分で考えてやる)」な人材を育成するにはどのようにするのか、主体的であることがなぜ大事なのか、実は主体的に考えることを強いられる方がストレスでティーチングの方が適切な人もいるんでは、、といったことについて意見交換をしあった。

"P = p - i"は最初の職場でも大事にされていた考え方だったし、ビジネス現場で使えるtipsも多く学びが多い3時間。

世の中の多くの指導者が日頃無給でやってるわけで、それがスポーツの世界の根底を現場で支えている。
だからこそ、お金にならないやりがいとかを感じれないとなかなかこの世界はモチベーションが続かない。
それは教えた人の成長だったり、試合での成果だったりするわけで、そこに効果的にアプローチをするための科学的な手法のひとつがコーチング。

スポーツ指導について、メディアでは運動部の不祥事が取り沙汰されたりなど悪い方向で持ち上げられることもある。
その一方で、指導者制度とか、その講習の内容は結構しっかりしているほか、日々課題と向き合って活動をしている人の方が多勢のはずなので、そういったところに光があたって、スポーツコーチングの魅力がもっと広がるといい。
ひいてはビジネスの世界にもコーチングという術がもっと広く伝わり、○○ハラがない世界がくればいい。

ちなみに「コーチ」という言葉は「馬車」を語源としていて、「人を目的地に運ぶ道具」の意味。
これが転じて、イギリスのオックスフォード大の家庭教師を「コーチ」と呼ぶようになり、その後アメリカでボート競技の指導者を「コーチ」と呼ぶようになったことを起源としてスポーツの世界でもこの言葉が使われるようになった。
・・・ということでボート競技とコーチングはスポーツの世界では最も古い歴史があると以前なんかで読んだことがある。

そういう観点でも、継続的に学びたい学問。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?