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弱点克服の前に良いところを伸ばす

スポーツ競技を極めていこうとなると、競技ごとに様々なテクニカルなポイントがあります。成果をあげていくためには、強みを伸ばし、弱点を克服することが大事。これは普通のことですよね。

あらゆる面において最低でも平均以上、強みとする部分は絶対的な自信を持てるまでに伸ばすのが目指すべき姿でしょう。
これは、例えば野球であれば、ストレートがすごく速いが、変化球がほとんど投げられないともなると弱点が大きすぎるためです。ある程度の変化球が投げられてこそ、活きるストレートです。ストレートしかまともに投げられなければいずれ攻略されるでしょう。
マラソン選手であれば坂道がいかに得意でも、平地もある程度走れないとそれが活きないもの。

このような形をイチから作っていくにはどういうアプローチを取るべきか。この問いで考え方が別れるように思います。

そう問われると、まずは得意の点を見極め、伸ばしていくところが大事と答えます。ストレートならストレート、坂道なら坂道、「自分はこれが得意」というものを定め、これをまず負けないレベルまで持っていく。
それで成果を出して、自信をつける、その上で弱点を克服をする、というのが最初のアプローチとして良いでしょう。

勉強も同様のアプローチが取れそうですね。
例えば英数国理社の5科目があって、ある時の模擬試験で以下のような点数だったとします。

英語:80点、数学:70点、国語:60点、理科:40点、社会:50点

どうやらぱっと見、英語は得意そうですが、特に理科社会は特に苦手に見えます。(※本当は理科40点の全体順位を見て本当に苦手と言えるか検証するべきですが、ここでは省きます)

この時、苦手な理科社会からいこう、、とはならないということです。
一見すると、理科社会ののびしろが大きいので、そこに手をつけたくなります。
仮に各科目同じ時間だけ勉強してきてこの結果だとすると、理科社会はもっと頑張る必要があり、その分英語に割く時間が減り、理科社会がどこまで伸ばせるかわからない上に、英語にもリスクが生じます。

ストレートの得意な野球選手が、変化球ばかり練習をして伸び悩んでいる状態で試合に臨んだら、変化球は見破られる、ストレートもキレなし、、という状況になりかねません。

こうなってしまうと、どれも微妙で強みなし、となってしまう可能性があります。こうなると自信も失ってしまいます。

つまり、いきなり弱点から補強をしようとしても、弱点克服は時間効率の観点から効果的ではなく、結果、すぐに成果にならず時間が過ぎ、そして最悪心が折れます。
これを避けるために、効率よく成果が出せる得意を確実なものにして、得意の部分について自信をつけることから進めるのが、成果の観点からも、メンタルの観点からも良いと言えます。
来月に入試が控えている、試合が控えている、、という即効性のある成果が必要な状況ではなく、中長期的に考えられる状況であれば、いったん苦手克服は後に回して、「あとはこれさえやればいける!」というところまでメンタルを運んだ状態で、スパートをかけるように進められるとよいでしょう。

このアプローチを取るにあたって大事なポイントは、得意不得意は各々で違うこと。画一的にアクションできません。
画一的なアクションというのは、「あの人はこういう順番でやった」という理由でそれを真似することです。それはその人だからであって、自分に当てはめられるとは必ずしも限らないです。
そのため、まずは選手であれば自分を分析して、指導者であれば選手のことを分析して、適切に次のアクションを考えることが大事になります。

指導にあたって、「あなたは◯◯が苦手だから、そこを特に意識しよう」と言い過ぎていないか。できないことを責め過ぎて自信を失わせていないか、自分でも日々振り返りながらコミュニケーションに気を配りたいと思います。

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