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新規事業のデザインで頼りになった情報の三段活用という考え方

これはマネフォデザイナーAdvent Calendar2021🎄⛄️ の2日目の記事です。

こんにちは。マネーフォワードiが提供している SaaSの"家計簿"「マネーフォワードIT管理クラウド」デザイナーのかわかみです。
今回は、まだマーケットのない新しい領域のサービスをデザインするにあたって頼りにした考え方のひとつを、関西開発拠点・京都オフィスからご紹介したいと思います。

まず「マネーフォワードIT管理クラウド」のご紹介

このサービスは、企業で利用しているクラウドサービスのIDをかんたん・手間なく・正しく、まとめて管理できるしくみを提供するサービスです。おもなユーザーは情報システム部門の人々で、彼らのサポートを通じて企業のIT利用を活性化し、企業活動を前にすすめたいという想いをもって取り組んでいます。

このサービスの中心的な技術は、あらゆるクラウドサービス利用情報を自動で集めることです。これまでマネーフォワードが培ってきた金融機関との連携技術やノウハウを、クラウドサービスとの連携に応用したものです。

この技術で集まる情報はすごく価値のあるものなのですが、集めた情報をそのままユーザーに届けるだけでは、多すぎて扱いきれなかったり、いまひとつ頼りにならなかったり、解釈が難しく間違った行動を促すなど、有害な情報にもなりかねません。

集めた情報をどう提供すればよいか

マネーフォワードIT管理クラウドが対象とする業務はSaaS管理という業務です。ですが、この業務、世界的にもようやく業務と認識されはじめたところで、まだ誰の頭の中にもはっきりとしたかたちがありません。

すでにかたちある業務のデジタル化や効率化、高度化であれば、どんな情報が役に立つかユーザー自身が知っていることが多いのですが、未知の業務となるとそういうわけにもいきません。
未知の業務に携わる未来のユーザーはどんな情報がほしいのか、どんな情報を受け取ると嬉しいのか。想像するにもなにか手がかりが欲しくなります。

日本語の"情報"を英語で言うと?

「どんな情報が役に立つ?うれしい?」
こんな問いに、もやもやと掴みどころのない感情を覚えるのは、日本語の"情報"という言葉が、かなり意味の広い言葉だからかもしれません。
その広さは、英語でいうと3単語分におよび、Data, Information そして、Intelligence が含まれます。
(Intelligence は知性だろう。と思われるかもしれませんが、アメリカ中央情報局 CIA のフルスペルは Central Intelligence Agency だったりします。)

その3つ、英語版Wikipediaから拝借すると、こんな違いになります。

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出典: DataInformationIntelligence

どうでしょう?
"情報"ということばの解像度が高まり、ユーザーにお届けすべき情報のすがたを想像しやすくならないでしょうか?

ところで右に行くほど付加価値が高くて、なんだか強そうです。つくるべき"情報"は Intelligence だけでいいかもしれませんね。最強っぽいし。

良い Intelligence の4要素

上に挙げたWikipediaの定義から紐解くと Intelligence にとって大切なことは、ざっくりこの4つの要素にまとめられそうです。

  1. 集めた情報から推論すること

  2. 集めた情報を編集して知識にすること

  3. 環境や文脈にそっていること

  4. 適切な行動につながること

より良い Intelligence をつくりだすためには、Data も Information も欠かせない。それどころか、素材なので質も高ければ高いほどよさそう。それに、環境や文脈に沿うために、幅広く周辺領域の情報も集める必要もありそう。

結論:全部大事

「マネーフォワードIT管理クラウド」の情報三段活用

先にお伝えしたとおり、「マネーフォワードIT管理クラウド」の中心技術は、あらゆるクラウドサービスと連携し、その利用Dataを一箇所にまとめ、常に最新の状態に保つことです。
とても優れた管理者が、管理に充分な時間を割くことができるなら、この技術はそのままで充分に役立つことができるでしょう。しかし、現実は人も時間も知識も限られており、集められた情報は宝の持ち腐れになってしまいがちです。

「マネーフォワードIT管理クラウド」は、その現実を踏まえ、優れた管理者の優れた運用がもたらす最高にクラウドサービスを活用できる環境を、あらゆる環境で再現することを目指しています。

良い Inteligence の要素に適切な行動という文言が含まれています。
いくら大量でも情報を見せるだけでは、それを Inteligence とは言えません。

「マネーフォワードIT管理クラウド」は、Dataの蓄積やInformationの表示にとどまり実際の行動をユーザーに委ねるツールのようなサービスではなく、最高の環境実現のために自らが行動するサービスです。
つまり「マネーフォワードIT管理クラウド」は Intelligence そのものである。そう考えて、デザインに取り組んでいます。

最後に

マネーフォワード、および、マネーフォワードiでは、一緒に働くメンバーを募集しています。
カジュアル面談やMeetyも行っておりますので、一度話が聞いてみたいという方も、お気軽にお声掛けください。(Meetyは応募多数の際は対応できかねる場合がございます🙇‍♂️)

次回

アドベントカレンダー3日目は、akira ideiさんです!お楽しみに!
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追伸

マネーフォワードiの「i」は「Intelligence*」の「i」です。
※文脈によって変わります😉

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