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(医)ボトックス注射で うつ になりにくい?

こんにちわ。午前中は緊急手術の麻酔に行っておりまして、本日は昼からの更新となっております。皆様涼しくして 心も体も健やかにお過ごしでしょうか?

本日はボトックス注射の話です。みなさんご存知でしょうか? 有名なところでは 美容系のシワ取りですが、顔面痙攣や四肢の拘縮に保険適応があるような治療法です。

ボツリヌス毒素(ボトックス)注射に、うつ病を緩和する作用のある可能性という記事です。


ボトックス注射が用いられる8種類の症状に対する治療のうち6種類で、治療後にうつ病が報告される頻度が40~88%低かったという。「Scientific Reports」より。 インパクトファクターとしては4程度なので、昨日紹介させていただいたPLoSONE(2.7)よりも高く、しっかり査読されている論文というところです。アメリカ カリフォルニア州からの発表です。


 (対象)ボトックス治療を受けた約4万人の患者データ。       治療目的:美容(しわ取りなど)、片頭痛、手足などの痙攣、斜頸・首の痛み、まぶたの痙攣、多汗症、唾液分泌過多、膀胱疾患(神経因性膀胱、排尿切迫感、尿失禁など)の8種類

 (結果)8種類の治療目的のうち6種類で、ボトックス治療を受けた患者の方が、うつ病やうつ関連症状の報告が有意に少ないことが明らかになった。オッズ比は、美容では0.46、片頭痛は0.60、手足などの痙攣0.28(、斜頸・首の痛み0.30、まぶたの痙攣0.13、多汗症0.12だった。唾液分泌過多と膀胱疾患では低い傾向だが有意ではなかった。

 一つの仮説として、ボトックスが気分や情緒に関与する中枢神経系に到達する可能性を指摘している。またボトックスは、うつ病の誘因となる慢性症状の治療に用いられることが多いため、それら基礎疾患の治癒に伴う副次的効果として気分の改善に寄与する可能性もあるという。

 世界保健機関(WHO)によれば、世界で2億6400万人を超える人がうつ病を経験している。

そのような実情を踏まえると 選択肢としてはなかなか良い治療法となって確立していくかもしれませんね。

お大事に。

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