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命を繋ぐ緊急のボタン。

5/17金曜日
何十年もの埃を蓄えた工場現場の更衣室で仰向けになった13:06。

もう自分の背中、頭にどんだけの埃がついたってどうでも良いと思うほど朽ち果てた私は、更衣室天井の蛍光灯を眺めた。

そう。私は早退したのである。
情けない話である。

頑張りすぎていた。頑張りすぎていた体を体が全力で押し返している様にも思った。

当然のことながら即日PCR検査。証明された陰性。先日の扁桃腺炎で残っていた抗生剤で対処しますと医者に相談し、検査を終えた。血液検査を勧められたが俺は大丈夫と言い聞かせ一旦、断った。

39.2度4日目。体温は下がらず迎えた火曜日。
症状は一向に良くならず、同じ内科病院で診察をと思った。しかし願いは叶わなかったのである。

そう。強いられる2度目のPCR検査

検査したやんけ。

と。電話越しにブチギレそうになった。

金曜日に陰性が証明され、即診察してくれると思ったのである。イラつきながら迎えた下関の戦い。長い綿棒は筆者の鼻奥を掻き回した。

もちろん陰性を叩き出し勝利を収めた私は、吸血鬼のような看護師に吸血され採血を。イライラがおさまらない私はそんな吸血鬼(看護師)をフランケンシュタインの如し眼差しで睨み続けたがさすがは熟練、寸分の狂いなく私の左腕に浮かぶ静脈に針をぶっ刺し血液を吸収した。あいつは吸血鬼でも看護師でもない紛れもなく鬼舞辻無惨である。(失礼すぎやろ謝。)

検査結果。
CRP(炎症値)5.7
白血球異常なし。

見解:細菌性によるものではなく何らかのウイルスであろう。

つまり抗生物質、抗生剤が効きませんので、カロナールで対処してください。

?!?!?!?!


毎晩敷布団を洪水させた。

訳の分からない謎めいたウイルスに私の体は侵されたのである。

カロナールが役目を果たさず、、、
迎えた39℃の高熱11日目。
高熱PB(パーソナルベスト):40.7°を叩き出した私は既に昏睡状態気味であった。(メンタルのみ)


こう言う時に限って土日がやってくるのである。
そう。医者は平日しか僕たちを助けてくれないのである

月曜日。
総合病院が開くのを待った。待ち続けた。


金土両日、40.7度まで熱が上がり確実に筆者は原因不明のウイルスによる関ヶ原のド根性大戦に負けかけていた。というか白旗を振り降参しかけていた。


情けない話である。


普通の風邪で迎える土日はなんともないのだが、高熱9.10日続きで乗り越える土日はもはやペリー黒船の来航よりも恐ろしいものがあった。(多分黒船もっと怖い)

必死の思いで辿り着いた総合病院。
時刻は8:35

土日にあらかじめ数回、救急課に電話し相談を続けたが、フロントと救急は連携していなかったのである。発熱状態の私を診察してくれると言ったのに、フロントで強いられたのはそう、3度目のPCR検査である。


なんて生きにくい世の中なんだ。
どうしてこうなってしまったんだと本当にやるせなくない気持ち。こんな怒りをぶつける吐口もない。

自殺が増える理由が少しわかった。
でも俺は自殺しない。

3度目の正直、島原天草一揆では超壮絶な戦いとなった。

どれくらい壮絶かというと、たかが診察で車椅子に乗り、80のお婆様に道を譲ってもらうくらい私は看護を必要とする状況に陥ったのである。

鼻綿棒後の待機室。

直感で感じた本当に嫌な密室隔離部屋
何かあれば押してくださいと渡された絶対押すなよボタン。


このボタンに私は絶望したのである。
絶対に押してはならなかった…


待機室で10分待った頃、手足が痺れ出した。
おまけに後頭部まで痺れる。温泉好きの私は思わず電気風呂か?!と思ったが、

違う違う、そうじゃ、そうじゃな〜い♪

体がぶっ壊れていた。激痛だったはずの喉痛も感じなくなった。

よぎる死。


ここで筆者の温度感を説明しておくと、
「即、緊急搬送され点滴、緊急処置されるだろうな。」

必死に手を伸ばし緊急呼び出しボタンを押した。
地獄の始まりである。

ここで筆者の温度感を説明しておくと、
看護師が走って飛んできて、大丈夫ですか?!?!(叫)を想像していた。

しかし、ボタンを押して3分経っても誰も来ないのである。

死に物狂いで3回、連打した。

そう。看護師は現れないのである。
このままではここで気を失うであろうと予想した私は即座に携帯のロックを外し、携帯を身内が使えるような状態にしておいた。手汗で携帯はべっしょりであった。

緊急のボタンは緊急ではなかったのである。

手をシビラセながら同病院の救急に連絡し、
ここにいる。なんとかきてくれと嘆いた。しかし、救急科とそこの辺の看護師は連携していないのである。

気づけば1回目のボタンを押してから5分が経過した。もしも筆者がボタンを押して呼吸をしていなければ完全にリミットオーバーである。

そうして押した5回目。
やっときてくれた看護師。

どうしましたー?と。は?

大丈夫ですか?!!!が筆者の温度感であった。

「体調が急に悪くなり限界です。」

「何がですか?」

ん?

温度感ちゃいすぎるてそれは。

違う。

看護師がどれだけ死にかけの救急を要する状態の人間を見てきたか。俺の目をみて救急を要さないと判断したのである。

筆者だけが救急搬送!!!と熱を上げていただけなのである。これ俺悪いんなあ??^_^

用意された車椅子。

運ばれた内科。椅子には何十人と診察を待っていたがちょっと本当に死にそうだったので即診察をしてもらった。

診察中は目が逝ってたと思います。
口だけは動いたのでいつから何が起きていたのか今何が起きているのか説明した。

即座に点滴に。

点滴が入ると私の体は超回復した。
モンスターハンターで言うところの回復薬グレードと解毒薬グレード、活力ドリンコグレードをぶち込んだ感覚である。

点滴はすげえ。天滴であった。

こうして命は繋がれた。

筆者はこのあと頭部、頸部CT検査、エコー検査をした。そう、診察でラリりすぎて頭の心配をされたのである。

情けない話である。

ただ皆さんに伝えたかったのは、総合病院の緊急ボタンと思わしきものは全て、

呼び出しベルである。

看護師は走ってきてくれない。

ドラマの見過ぎであった。大門未知子の見過ぎ。コウノドリ見過ぎ。あんな看護師走らへん普通。

当たり前やん、考えたらわかるやん。

筆者はわかっていなかったのである。

情けない話である。

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