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世界最高峰の経営教室(リーダーシップは自己管理、「顔に出さない怒りも失格」

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本誌、第9講 リーダーシップの経営心理学の講師、ナランヤ・パント教授のリーダーシップ論が興味深かったのでご紹介させて下さい。

VUCA(不安定・不確実・複雑・曖昧)な現代の環境下において、リーダーシップの重要性は益々大きくなっています。

変化のスピードが速い不確実な環境にあっては、専門的な知識などあってないようなもので、謙虚に「群衆の英知」を広く集め、取捨選択し活用することが必要になります。

「群衆の英知」を幅広く集めるためには、分け隔て無い態度が必要で、否定的な意見や異なる意見に対する寛容さが求められます。環境が激変している中で組織を生き残らせるために、リーダーは他人の意見を大事にし、謙虚に学び続けられる能力を備えなければなりません。

弱いリーダーはまず他人をコントロールしようとしますが、それでは群衆はついてきません。自分の極端な考え方や感情、行動を抑え、怒りを感じること自体を抑える徹底した自己管理が求められます。湧きあがった怒りをコントロールするのではなく、怒りそのものを抑えなければ優れたリーダーになれません。怒りの感情を持たないようにするためのキーワード、それは「気づき」「自覚」です。

負の感情が自分の内面から湧いてきた時、その感情を無理に抑えることは難しいですが、「なぜ自分にそんな感情が生まれたのか」について冷静に自己分析できれば感情に振り回されることは無くなります。

怒りの感情が湧いたら「何故、そんな思いが駆け巡ったのか」を書き出してみる。殴り書きでいい、頭に浮かんだことをそのまま書き出し視覚に訴える。怒りの原因は大体が「恐れ」「嫉妬」であり、自分がどのような「恐れ」「嫉妬」を持ち、何故、その感情が生まれてきたのかを客観的に確認できれば、怒りの感情は消えていきます。

怒りを「高速処理」する仕組みを自分の中に持っていれば「怒りの感情を持たない状態」に踏みとどまることが出来ます。自然と良好な人間関係が築け、多様な意見や考え方がタイムリーに入ってくることで、チームのモチベーションや生産性の向上、スムーズで良質な意思決定のにつながると思います。

もう、ひと昔前の「俺について来い」的なリーダーシップでは組織は生き残れないということでしょう。

【リーダーは最後には一人で決めなければならない。だが、一人で決断しなければならない内容を一人で考えてはいけない。】