本屋が潰れる(Pさん)

 近所の本屋がどんどん潰れている現状がある。まあ、大型書店に比べたら些細な本屋だと思っていたけれども、いざなくなるとその存在感に改めて気づいた。おそらく、戻ってくるということはないだろう。本離れに加えて、店員の高齢化という問題も重なっている。もっと奥底にある、根本的な原因の分析というのは、プロに任せるけれども、そんな分析もしているうちにもどんどん潰れるのである。あんまり、分析というものが役に立ったためしはないように思う。
 外出自粛によって、最後の一押しをくらって店仕舞いをした店が、ほんとにたくさんある。その中には、案外ほっとした、という人もいるんだろうか。自転車のペダルを止めた瞬間から、やっと休息が取れるのである。
 本を出したり書いたりする前に、まず本の復権というのをやらなきゃいけない時期に来たという気がする。あるいは、書くとしても、書きながらその復権について考えなければならない。
 あるいは、本という形態に拘る必要もないのかもしれないが、本というのがなければならなかった理由というのも、考えなければならないのかもしれない。

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