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必ず何か理由があるの謎

もうほぼ7年前になりますが、自分の体に「ガン」ができた時、それはもう天地がひっくり返る衝撃でしたが、同時に、とても不思議というか、神秘的にすら思えました。なぜなら、「ガン」は、外から何かウィルスのようなものがやってきて体内に入り込んでできるものではなく(一部ウィルスが大きな要因のガンもありますが多くの場合は)、「自分の体の細胞が変化してできた=自分の体内で作り出されたものである」からです。全てが完璧に働いているはずの体内で、無意味に無造作に間違って何かが出来て生命を脅かすなどということは、あるはずがない、と考えました。それは私という人間一人の問題かもしれないし、地球環境の大きなサイクルの中での問題かもしれないし、もっと大きな宇宙規模の流れの中での問題かもしれない。いずれにしても、何か必ず理由があって発生したのだろうと考え、その謎を解きたくなりました。

色々調べた中で、朧げながら記憶に引っかかっていたものに、「がん細胞はヒトの免疫機能を味方につけて自分が攻撃されないように守ってもらっている」というのがありました。このことは、ガンの謎と共に治療法に繋がるかもしれない発見ということで、多くの学者や識者が著書や論文などで発表しているらしいことが、私にも分かりました。ガン細胞を守るように体は働く。体にとって、ガン細胞は、やはり何か理由があってできるものと考えるのが妥当に思えます。
しかし何にしても、命にリーチがかかっていることには変わりありません。一個体の死を天秤にかけた生き残り大作戦、背水の陣、とにかく緊急事態で最終手段なのだろうと思いました。すると、ガン細胞も何か健気に思えてくるから不思議です。そして、そこまで自分の体を追い詰めた自分を反省しました。冒頭で「神秘的」と言ったのはそういった理由からです。

さて私はというと、手術をして、幸いなことに今も生きています。自分がガンの手術をしただなんてこと、もうほぼ忘れて毎日を過ごしているので、ここ数年、あまり考えていなかったのですが、当時ブックマークしていたページが不意に出てきました。

http://www.seibutsushi.net/blog/2015/02/3352.html

その時はあまり理解ができなかったのですが、今読むと、とても腑に落ちます。やはりガン細胞は理由があって出来て、理由がなくなれば消滅する。しかし、「理由」はそう簡単に分かるものではなく、多くは環境や生活習慣、思考・行動パターンを容易には変えられませんから(もしくは間違った方向に変えてしまうこともありえますから)、同じ環境で同じ生活を続けている限り、現代的治療をしたとしても、少し命が延びるかな、くらいで、根本的な解決にはならない。もしくは、こちらを立てればあちらが立たず状態。それはそれで良いのでしょうけれども、いずれにしても、人間は自分のことが本当に何も分かっていないということが分かります。

この記事が書かれたのは2015年ということですから、今はもう少し何か研究が進んでいるかと、ネットをざっと見てみました。信ぴょう性のあるものでは国立がん研究センターのこちらの記事

細かい発見は色々あるのかもしれませんが、私にも理解でき、ガンの理解が変わる程の大きな変化はなさそうです。

がんに限らず、人間の体の謎は、分かれば分かるほど深まるばかりで、テーマがテーマなだけに、不謹慎な言い方かもしれませんが、とても興味深く、やはり神秘的です。


【雪草乃記】vol.30 2023.1.14
・不定期土曜日配信・

カバー写真:手稲山山頂付近から手稲スキー場ハイランドゾーンを望む 
2023.1.1撮影


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