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増毛

今年のお盆は増毛へ2度行った。そのただの記録。
※カバー写真は、国土地理院Webサイトより

目的は、画家である伯父の回顧展と、それに合わせて来道している伯父、伯母と従兄弟に会うためだ。

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92歳というから驚く。私が生まれるよりも前の伯父の経験と絵を見て知ったのは、多分今回が初めてだ。その歴史の厚みと迫力は凄まじかった。例えば私の織った帯地を、40年後にこのように並べられたとして、こんなふうな迫力を伴うだろうか?などとすぐに考えてしまう。いや、私の作るものは実用品で、使い手の歴史が刻まれるものなので、「使い手の歴史が刻まれるだけの厚み・素地のあるものを作ることができているか?」が重要だから性質が違う?いやいや、「歴史を受け入れるだけの器が、その『モノ』に、あるかどうか?」という点では同じだろう。

私はとりわけ、ヨーロッパの建造物や風景を描いたものや、祭りやサーカスをモチーフにしたものが好きで、時に細部を、時に全体を、ずっと眺めていたら、多分軽く2時間くらいがあっという間に経っていた。伯父の絵は、その背景にリアルな景色が(多分私の脳内で何かが勝手に再構築されて、勝手に描いた風景が)浮かび上がる。絵に限らず、何かの類で素晴らしいモノは、押し並べて、その「モノ」の「向こう側」が見えたり、「その中や周りにある風景」を感じたりする。私などが絵のことに言及するのは烏滸がましく薄っぺらだが、とにかく、描かれた年代の違う、これほどの数の絵に囲まれた空間が幸せだった。

その晩は海辺で車中泊。これはただ単に自分のお楽しみ。夜は晴天で満点の星空、奇しくもペルセウス座流星群が見頃だった、との情報は後で知ったのだが、目の端々に流れ星が見えていて、「流れ星ってこんなに普通に見えるものなのだな」などと思っていた。事前に分かっていればもっとちゃんと眺めていたのに!

朝陽も綺麗だった。

夜明け前 

関係ないが、増毛へ行く途中にはいくつか海水浴場があるのだが、うちの一つ、「厚田海浜プール」がある。「プール?」なるほど、本当にプールだ。元は漁港だったのだろう、砂で埋め立て、防波堤を繋いでいる。これなら小さな子供たちも比較的安心して遊べる。人と車とテント。天売島で見た海鳥の営巣と夥しい数の海鳥たちの光景と重なり、人が鳥に見えた。


さて、帰宅後翌日、訳あって再訪。
再び海で車中泊&テント。今回は雲が荒れていて、ところどころ雨。


雨の右端に、利尻山が薄っすら見える。肉眼ではもっとはっきり見えていた。

町に買い出しに行くと、ちょうど盆踊り大会が開催されていた。聞いたことのない盆踊り、「暑寒の〜」などと歌っている。調べてみたら、「増毛音頭」なるものがあった。鰊漁の盛んだった町だ。盆踊りの地域性が興味深い。

なぜ着ぐるみを着て踊っているのかが不明だが・・・(踊りが分かりにくい・・・)これはカモメだろうか?


ひさしぶりにパートナーと外泊するのが嬉しくて調子に乗って飲みすぎて翌日撃沈。予定していたことが何もできず、激しく後悔。お酒で翌日潰すことはもう2度としないと20年前に誓って守っていたのに、なんたることか。


回顧展が開催されている 元陣屋 
増毛・国稀酒造

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