遍く

独唱かデュエットくらいだった蛙が
大雨のあと合唱になってきた

いまもなお、カートゥーンチャンネルで見られる
トムとジェリー なんて息の長い
学校から帰ってきた小学生につられ
スナック菓子などつまみながら見入る

鳥獣戯画にもなにか通ずる
あれは国宝なのだ
さらに息の長い愛されかた

たまたま、おじゃる丸の再放送を見かけると和み
手を止める

共通するのは、小さくか弱いものが
虐げられることなく、心のままにしていること
であるように思う

世界が遍く そうでありますように

蛙の合唱は日を追うごとに ますますふくらみ
夜を埋め尽くすだろう

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