🖋 笑顔の君は太陽でした

ーー佐藤優樹、卒業。


『メンバーの佐藤優樹ですが、2021年12月13日に日本武道館で行われるモーニング娘。'21単独コンサートをもって、モーニング娘。及びハロー！プロジェクトを卒業することになりました。』


昨年9月24日に公式から発表があった時、私は変に冷静で"推しの卒業"という複雑な事実をすんなり受け入れ、卒業までの約2ヶ月半をいつも通り過ごしていました。何故こんなに冷静なのか、自分でも怖いくらいに。




私がまーちゃんこと佐藤優樹ちゃんを好きになったのは約4年前、2017年の暮れでした。きっかけは、ひょんなことから【邪魔しないでHere We Go!】という当時の最新シングルのMVを観たことです。

幼少期、モーニング娘。が大好きだった私はその進化に驚いたと同時にどこか懐かしさを覚えました。

そこからの展開はとても早く、歳を重ねるごとに他のものに興味が湧き忘れてしまっていた気持ちを取り戻すかのように、止まっていた時間を取り戻すかのように、来る日も来る日もモーニング娘。の動画を漁ったり、メンバーのことを調べたり、曲を聴いたり。

もっともっと知りたくなってハロー！プロジェクトの他のグループについて調べたりもしました。一瞬にして心を奪われ、一瞬にしてハロヲタに大変身してしまったのです（笑）



そして、いつものように動画を見ていたある日、高確率で目で追ってしまっているメンバーが居ることに気づきました。彼女は、普段は天真爛漫で不思議ちゃんのような印象を抱きますが、ステージに立つと普通の女の子からアーティストへと人が変わるような子でした。まるで何かが憑依したかのように。

その彼女こそが佐藤優樹ちゃんだったのです。




彼女は知れば知るほど魅力に溢れていて、見れば見るほど新たな発見がある子でした。せっかくなのでここで少し私が思う"佐藤優樹の魅力"を語らせてください（笑）


まず一つ目は、純粋に音楽が大好きだというところ、そしてその気持ちがパフォーマンスや知識にしっかり表れているところです。

リアルタイムでは知りませんが、以前つんく♂さんが『佐藤は一番音楽を理解している』と仰っていました。本当にその通り、彼女が語る音楽談には学ぶことがとても多いです。


歌が入っていないインストゥルメンタルを聴き込んだり、表だけではなく裏の音までしっかり耳に入れたり。歌詞に関しては、歌詞の意味や作詞者の意図を読み取り自分のモノにする為に、単語をノートに書いて連想ゲームのように感情に繋げていったり。パフォーマンスに関しては、それらを理解した上で曲に合った歌い方やダンスをしたり、音に身体をハメる所謂"音ハメ"を沢山取り込んだり、アレンジを加えたり。先輩の楽曲をカバーする際は、歌い方を寄せつつ自分を出せるように研究に研究を重ねたり…

音楽と生きる為に生まれてきたのか？と思うくらいの努力とその熱心な姿勢は、ド素人の私でも関心するほどでした。




そして二つ目は、上記でお話した普段とパフォーマンスとのギャップです。

普段は『佐藤優樹こと佐藤優樹です！』や『緊張がぽくぽくしてきた』などの迷言を残したり【人生Blues】という楽曲を『人生Bluetooth』と言ったり数々の伝説を残すほどの不思議ちゃんで、とても天真爛漫な彼女ですが、パフォーマンスになると人が変わります。

彼女を知ったばかりの頃はパフォーマンスを見る度に「誰！？」普段を見る度に「誰なの！？」と毎度ギャップに驚いていたことを覚えています（笑）


そうやって毎度ギャップに驚くほど、彼女は軍を抜いて表現力がズバ抜けていたということだと思います。人数が多い分カットの切り替わりが激しい中、１秒で爪痕を残す。踊り方においても魅せたい自分をしっかりと持っている。まさに憑依型パフォーマーです。

「誰が推しであれ、誰しも一度は佐藤優樹にしか目が行かなくなる瞬間が必ずある。」

あるファンの方がそう言っているのを見て、深く納得しました。彼女は視線を攫う天才でした。




そして二つ目に似ているのですが、成長課程も魅力の一つだと思います。

彼女は小学6年生の時にモーニング娘。に加入しました。オーディション映像や加入当初の映像を見ると、いつも眠たそうな印象があり『ダンスの練習をするより寝たい！』というようなことを言っている場面も（笑）

そんな自由奔放な小学生だった彼女が、歳を重ねるごとに大人の色気を兼ね備え、ビジュアルもどんどん綺麗になっていき、歌唱力を含めたパフォーマンスのレベルもぐんぐん上がっていく。

モーニング娘。のファンの中で都市伝説のように言われている言葉があります。

「佐藤優樹は、誰かが卒業する度に悪魔と契約を交わして帰ってくる。」

アイドルの成長過程を楽しむ上で"化ける"という言葉をよく使うかと思いますが、その言葉が一番似合うのが彼女なのではないかと個人的には思っています。誰かが卒業する度にその卒業メンバーの良い所を吸収していく姿は、本当に悪魔的魅力。

そんな課程を全てリアルタイムで見れなかったことが私の人生の唯一の汚点です（笑）


他にも魅力は沢山ありますが、キリがなさそうなのでこのへんで終わりにします（楽しかったから今度モーニング娘。についても語りたい（笑））



佐藤優樹ちゃんを好きになってから約4年。視線を攫う天才に目を奪われてから約4年。幼少期は後藤真希さんが大好きで、これまで好きになったアイドルも男女問わず年上ばかりという憧れを抱きやすかった私が、憧れとは違う"尊さ"のようなものを感じてから約4年。


この4年間は私にとって、とてもとても楽しいものでした。新曲やツアー、テレビ出演の発表の度に「次はどんな佐藤優樹を魅せてくれるだろう？」とワクワクしたり、メンバーカラーであるエメラルドグリーンを街中で見つけるだけで嬉しくなったり。

正直、年下の女の子をここまで好きになるとは思わなかったので、あの日【邪魔しないでHere We Go!】のMVを観て本当に良かったです。





そんな大好きな推しが、卒業。


冒頭でお話したように、モーニング娘。というアイドルの一人を推しているのだから、卒業はいつか来るものだとわかっていたし、卒業発表の前から病気で活動を制限していたこともあって「ついに来たか…」というような感じで、あまり動揺はせず、発表から卒業までの約2ヶ月半をいつも通り過ごしていました。いえ、過ごしていたつもりでした。



来たる卒業公演当日。

本当は武道館に行きたかったのですが、行けなかったので大阪のライブビューイング会場から見届けました。ハロー！プロジェクトショップで卒業記念のグッズを購入したり、友人から武道館の写真が送られてきたり、開演が近づくにつれて心拍数があがり、"イヤだ"という感情が芽生えました。


そして開演すると登場と同時に号泣し、そこで初めて、納得していたんでも受け入れていたんでもなく、目を逸らしていただけだったんだとわかりました。

終わってほしくない。生まれて初めての感情でした。



卒業公演でも彼女は、病気で活動を制限していたとは思わせないほどの完璧なパフォーマンスを魅せてくれました。その日卒業するとは思わせないほどのいつも通りの佐藤優樹が、そこに居ました。


『卒業するなら前日に発表したい、佐藤優樹卒業スペシャルというタイトルも要らない！』

そんなことを言っていたくらい、自分に注目されることが苦手な彼女。

でも自分に注目されなかったらされなかったで、負けず嫌いが火を噴く彼女。

卒業公演の日でまで、妹の面白かった話を開口一番に話す彼女。

20年以上の歴史があるモーニング娘。の楽曲の中で、自分が加入後に発表された曲だけをセットリストに組み、時に格好良く、時に色っぽく、時に可愛くはしゃいで、最後まで音楽を楽しんだ彼女。

黒地にエメラルドグリーンのストーンを散りばめた卒業ドレスを着て『今まで私が見てきた景色を皆に見せたかった』と話した彼女。

涙を堪え、メンバーやスタッフ、ファンに笑顔で感謝を伝えた彼女。

最後につんく♂さんに感謝を伝えた瞬間、堪えきれなかった涙を流し、今までで一番綺麗な顔で笑った彼女。



そんな天邪鬼で、自由奔放で、音楽が大好きで、モーニング娘。が大好きで、メンバーやスタッフさんが大好きで、ファン想いで、つんく♂さんを尊敬している彼女の魅力がたっくさん詰まった、本当に本当に素敵な晴れ舞台でした。

始まる前は、一緒にライブビューイングに行ってくれた友人に「やだやだ！」と駄々をこねていたのに、終わった後は悲しい気持ちや寂しい気持ちも勿論ありましたが、それ以上にこんな魅力溢れる人を推せたことが嬉しくて嬉しくて、幸せな気持ちでいっぱいでした。

彼女がラストソロ曲に選んだ『笑顔の君は太陽さ』のタイトル通り、笑顔の彼女はまるで太陽のようで、私は涙でぐちゃぐちゃになりながらも、その姿を目に焼き付け、彼女がこれまで歩いてきた軌跡と同じ空の下で同じ時代に生きているこの奇跡に感謝し、本当に出会えてよかったと強く強く思いました。






それから早いもので、もう1ヶ月が経過。

私は相変わらず佐藤優樹ちゃんが大好きだし、モーニング娘。も大好きです。

今は"モーニング娘。を卒業した佐藤優樹"と"佐藤優樹が卒業したモーニング娘。"が一体何を魅せてくれるのか、楽しみでたまりません。

しかし、彼女が卒業を決めた理由は病気でもあります。まずはしっかり身体を休めて病気と向き合ってほしいし、無理はしないでほしい。

約10年間も最前線で活躍してきて、これまで幾多なる努力を重ねてきた彼女だから、今は好きなだけゆっくりしてほしい。

卒業を決めてから今もずっと様々な言葉が彼女の元に届いていると思います。でもそれを、決してプレッシャーに感じないでほしいと心から思っています。

私は彼女に出会えてとても幸せでした。とても幸せだったからこそ、卒業の日は悲しくて寂しくて泣いてしまったけれど、今は彼女が作らせてくれた素敵な思い出と想いがあるので寂しくない。きっと、皆そうだと思います。

太陽は人知れず昇ってくるので、焦らずまた佐藤優樹が立ち上がる時を楽しみに待っています。

まーちゃん、本当に幸せな4年間をありがとう。

笑顔の君は太陽でした。きっとこれからも。
本当に本当に大好きです。ずっとこの先も。

卒業、おめでとう。

▽ 写真提供（上の武道館看板も含む）
あきぽんさん（@Manaka_Express）

くずはらめい。
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