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経営学部生が「2023年 日中文化交流協会大学生訪中団」の一員として訪中

 本学経営学部生が「2023年 日中文化交流協会大学生訪中団」の一員として、中国(上海・麗江・北京/2023年9月3日~9日)を訪問しました。

『百聞は一見に如かず』
                      伊藤 来春(神奈川大学) 

 空港からひとたび上海の地へ降り立つと、そこは地平線を感じざるを得ない広大な土地に日本の団地とは桁違いのマンション群。隣国ながら、建物からその違いに異国を感じ、興奮が抑えられなかった。豫園では、二つに分かれた廊下や、庭園の構造が中国の時代劇を連想させ、当時の人々の感性を垣間見る。上海の水郷のひとつだという朱家角古鎮では、外灘然り、豫園然り、中国が水との関わりが深いことを実感させられた。水が作る静けさの中には美しさがあり、流れが穏やかな川の上をゆったりとした動作で進む船を見ていると、日常を忘れて吸い込まれるような感覚を覚えた。
 雲南省は麗江、気温は上海よりだいぶ涼しく、日本の十月並みであったが、標高が高い分太陽と近いからであろうか、直射日光が鋭い。東巴文化博物館では、ナシ族のバスガイド、“キムタク”からの案内を受け、少しではあるがナシ族の生活を知る機会となった。東巴文字は世界で現存している唯一の象形文字。博物館の外で“伊藤来春”を東巴文字で栞に書いていただいたことは良い旅の思い出である。
 公演「印象麗江」では、玉龍雪山を背に大勢で歌ったり踊ったりする姿が壮大で、広い劇場を活かし表そうとする少数民族の暮らしに惹かれないことはなく、今回の旅で一番印象に残っている。劇中の登場人物の方々は実際の少数民族に属しているというのも驚いた。そして公演後、バスガイドさんからそれぞれの民族衣装や暮らしについて教えていただいた話は大切に心に残しておきたい。
 そして一週間を通して中国語話者とお話をさせていただく機会が何度かあったが、どなたも私が文章に満たない、片言の単語を並べても、時間を惜しみなく使って会話してくれる人柄の良さにただただ感動した。素敵な人はどの国にもいるとここで断言しよう。未来を担うのは私たちの世代であり、その礎を築いていくためにも双方の国を知らずにいるのではなく、知ろうとすることから始めるべきだ。ありきたりな言葉になるが、今回の旅で中国への印象は大きく変わった。日本ではまだまだ中国への理解が深まっているとは言い難いが、そんな中でも私だけは、この旅で得た素敵な思い出を忘れないでいたいと思う。このような素晴らしい機会をくださった日中文化交流協会の皆様方、推薦してくださった廣田教授、そしてなにより出会ってくれた大切な仲間達に、深く感謝を申し上げたい。

「2023年 日中文化交流協会大学生訪中団」感想文冊子(日本中国文化交流協会編集)より