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キャリアの意思決定の仕方

 情報発信しようと始めたnoteも三日坊主で、前回の投稿から1年以上も経ってしまった。。2週間に1回は書く!とかではなく、書こうと思ったら書くくらいにした方が良いなと。

 ちょっと前にfacebookで投稿した通り、5年半以上務めたDonutsを退職しました。Donutsはどうだったのかなどは、また詳しくは別の機会に書こうと思っています。まあ学んだことの一つに1年以上に前に投稿した下記みたいなことがあったりですが。

裁量権とは

 今回は、入社から転職までの決断の仕方を書こうかなと思っています。

もくじ
1.そもそもなぜDonutsに入社したのか
2.一度目のターニングポイント
3.どうして辞めるのか
4.キャリアの意思決定の仕方
5.今後

1.そもそもなぜDonutsに入社したのか

 Donutsへの入社のきっかけは在籍中、社内外でよく聞かれました。
自分は2011年3月に大学院を卒業し、某商社に入社しました。自分が学生の頃は、特にキャリアに関して何も考えてなかったし、就活を本気でやったとはとても言い難い。(就活中、酒ばかり飲んでた記憶しかない)
 ただ、漠然と商社いいなと思い、数社受けて、おもろそうだなと思った企業に決めた。(ちなみに、第一志望だった企業には落ちました。)

 商社では、精密機器系の会社とやり取りする部署に配属され、2年目の途中から人事に異動となり、採用メインで昇格昇給や賞与計画などもろもろやっていました。
 別に会社に大きな不満があるわけでもなく、給与も良かったし、辞める理由も大きなものがあったわけではない(もちろん辞めたいと思うことはあったが)。ただ、上司や周りの人の多くの方の視点が、「会社の中」であったことに何となく不安を感じていた。

 そして、ちょっとした事がきっかけで、「あ、別に今の仕事、自分がやらなくても良いな」と思うようになり、漠然と「普遍的な生きていく力が欲しい」と思うようになった。
 その頃大学の同期も、日系大手で活躍している者ももちろんいたが、起業やベンチャーや外資保険で個で勝負する人など、「会社に依存せずに意思を持って勝負する」人が増えていた。自分も同じようなことを考えるようになり、「ベンチャーで勝負するというチャレンジを今やってみるべきでは」とベンチャーを調べるようになった。

 その当時、ほとんどベンチャーと呼ばれる企業を知らず、知っているのは現在メガベンチャーと呼ばれるような企業だけであった。
 例外として、それ以外に実は唯一Donutsだけは知っていた。なぜかというと、「大学の同期が、起業した会社をバイアウトしてDonutsで働いていたから」である。知った当時は、「なんか変な名前でゲームやっているんやな」と思っていたが、転職を考え始めたときに調べると、
・(当時100名規模で)、ゲームだけではなく、toBもtoCもやっている(ちなみに当時はゲームの方が売り上げ比率は高かったが、今は5:5くらい)。
・自社企画開発で、プロダクトをヒットさせている。
・他社資本が一切入っておらず、すべて自社で意思決定している。

素直に、なんやこの会社、すごくない?と興味を持った。その友達に話を聞きたいなと思いつつ、5年ほど連絡取っていなかったので、どうしようかなと少し躊躇していた。

 そんな時に、事件は起こった。

 仕事で新大阪から東京に戻る新幹線を間違って乗ってしまった。普通新幹線「のぞみ」に乗るのに、間違って「ひかり」に乗ってしまったのである。
(今思うと、実家が福井県にあるので、米原に止まる新幹線に無意識に乗ったのかもしれない)
 まあ、20~30分くらい遅くなっても問題ないと東京まで向かっている途中、豊橋駅に停車した。するとなんと、件の友達が豊橋駅から乗ってきて、5年ぶりに再会したのだ。しかも、話を聞くと採用担当を探している

 自分は運命など信じないが、これは運命なのでは?確率的に考えてすごくない?こうして、DonutsにJoinすることになった。(もちろん選考は受けたが)

2.一度目のターニングポイント

 再会から3,4か月後の2014年10月に新卒採用メインで働き始めた。新卒採用は経験があるとはいえ、エンジニアわからん、というかIT業界わからん状態。さらに、「一緒にがんばろうぜ!」と言っていた友達が、自分が入社後3か月くらいで退職、アシスタントも全員辞めるなど想定していない事だらけで、1年くらいは死ぬんちゃうかなと思うくらい働いた。
 そこでの経験や感じたことはまた別の機会にでもと思う。未経験でありながら、他社の人事やベンダーさんらにいろいろアドバイスを求め、PDCAを回し・・・などよくあるパターンに加え、チームメンバーも増え、さらに会社として、どんどん新しいプロダクトも増えていき、入社から2年以上過ぎて他社に採用は負けないという自信がついてきた。
 その頃には新卒採用の戦略や予算はほぼ自分で意思決定することができ、新卒に関わるプロジェクト以外にも中途採用や評価のプロジェクトにも参加するようになっていた。

 そんな感じで一気に3年くらい駆け抜けてきたが、ある時、ふと「このまま人事で生きていくんやっけ?」と思った。別に人事の仕事は楽しい、ただその反面「事業側にもまたチャレンジしたい」と感じていたのは事実だった。
 人事で生きていくならば、「人事として自分より優秀と思える人と一緒に働きたい」と思った。では事業側は・・・自分は新卒に毛が生えた程度のことしかできないかもしれない。ではどうするのか?考えた挙句、下記の二つで転職活動しようと動き始めた。
・自分より優秀な人事がいる企業
・人事兼任で事業に携わらせてくれるスタートアップ

 後者は、バリューを出せない30歳前後は雇わないだろうから、バリュー出します、だからチャレンジさせてくださいという考え方だった。

 ありがたいことに何社か声がかかり、どこか良い企業と出会えるかなと思った矢先、またしても事件が起こる。

「くわくん、京都行かない?」

 え?思ってもみなかったことだった。
 Donutsは京都に事業所がある。元々、採用拠点として立ち上げ、その時に事業所に昇格した状況だった。立ち上げたのは現ゲーム事業部の副部長で(実は彼もまた別の大学時代の友達である)、自分も立ち上げには関わっていた。彼が東京に戻ってきて、あるプロジェクトの立て直しに入るので、代わりにということであった。

 おいおい、学生時代にしか住まないと思っていた京都へ・・・まだまだ東京で仕事したい、と思っていたが、まさしく、
「人事兼任で事業に携わらせてくれるスタートアップ」ちゃう?と考え、京都に行くことにした。ちょうどサマーインターンの期間だったので、サマーインターン終了後、ほとんど準備もできずに京都へ赴任した。

 特に下の写真は関係ないです。東京時代の思い出の写真載せようと思ったらなかったのと、京都への異動決まったからの動きにちょっと怒りがあったので、会社の節分のときの写真を笑くわ鬼

3.どうして辞めるのか

 京都の責任者となった当時、京都は社員が自分含め4名、アルバイトが学生含め15名くらいの組織で、ブラウザゲームの運営をしていた。
 着任直後、QAの立ち上げや、新しいゲームの移管などまさしくカオスな状況だった。
 まさしく自分が求めていた環境であり、社員・アルバイトの採用、アルバイトの評価制度からゲームプランナーまで京都に関わることをいろいろやりながら、まだ(本社の)新卒採用に関わるという状況で何でもやった。
 結果、何とか・・・という言葉が正しいと思うが、京都事業所もどんどん人が増え、現在は社員20名以上、アルバイト等含めると50名くらいの規模になり、ゲーム以外にもジョブカンというSaaSの事業も始める(というか拠点として営業組織を作ったというのが正しい)ことができた。
 一つの組織の責任者をやることで、今までと違う視点や考え方になった。例えば、ゲームをやってみて、自分はゲームがわからないし、大きな成果を上げるのは難しいと感じた。よって、組織として「ゲームの責任者」を置いて、ゲームを任せた方が良い、となり、採用しゲーム事業を任せた。
 「組織が成功するために、何が一番の選択肢なのか」を自然と考えるようになった。

 そんなこんなで、京都事業所は課題だらけではあるが、進んでいた。
ここからがやっと本題であるが、「なぜDonutsを辞めるのか」。これには組織に対してと自分個人としての二つの理由がある。

 京都責任者となって2年くらいが経った昨年夏、ずっと感じていた違和感に対して向き合う機会があった。
 その時、自分は京都事業所の責任者でありながら、相変わらず東京の新卒採用から、グループ会社の事など、業務の半分以上を京都事業所に寄与しないことをやっていた。
 ただし、Donutsとして僕のスキルセットや成果を見れば、全社を見た上での成果を出して欲しいところを任せるのは当たり前であり、経営として正しい判断である。
 一方で、京都事業所視点で考えると、明らかにメンバーからは良くは見えない。まさしく、今後京都事業所をさらに拡大していくには・・・という状況であった。メンバーを集める・組織を整えるフェーズは終わっており(もちろん今後も採用は必要であるが)、事業を引っ張っていくリーダーが必要で、その人が事業所の責任者になる方が自分より最適であると考えるようになった。

 また、仕事でもプライベートでも相変わらず学生のキャリア支援は続けていた。支援といっても主にキャリア面談をする形が多かったのだが(仕事だったら得意の肉会)、いつも「まずは東京で働いた方が良いで。優秀な人も面白い会社もいっぱいある」的なことを言ってしまっていた。
 自分自身も東京で働きたい気持ちはまだまだめっちゃある。その一方で、転勤族であったが、今の自分を形成してくれたのは、小・中学・浪人時代に住んでいた大阪であり、大学・大学院時代の京都であり、久しぶりに住んでみて、関西がやっぱり好きで恩があり、関西を盛り上げたい気持ちを強く持っていた。
 自分の気持ちと学生の気持ちを天秤にかけて学生へのアドバイスをしていたわけであるが、それに強く違和感を感じていた。

結局、関西にある日系大手しか魅力的な会社がなく、ITベンチャーが少ないからであって、そういう企業が増えればいい
じゃあ、自分も関西本社のスタートアップに行って、そう思われる会社になるようにがんばればいい
 イケてると言われる関西本社のITベンチャーを増やしたい、その一躍を担えれば。そう考えるようになり、リファーラル中心で転職活動をし、行く先を決めたという形である。

 もちろん、Donutsで働いて本当に良かった。残ってがんばるのも全然悪くない選択だと今も思っている。転職すると決めたときは、立場上いろいろな人に迷惑がかかるので、かなり早い段階で退職の意向と、(どこの会社に行くか決めてないのに)いつ退職するか、後任をどうするかまで社長と決めて、動いた。

 京都の写真も自分はほとんど持っていなかったので、できた当初の京都事業所を笑

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4.キャリアの意思決定の仕方

 学生や若手社会人によく、「どういう会社を選べば良いですか」とか、「市場価値を高めるにはどうすればよいですか」とか、キャリアに関する相談を受けることが多い。
 確かに、「将来こうありたい・これを絶対にやりたい」という強い思いがあれば、キャリアは逆算した方が良いのかもしれない。
 でも、そういう強い意志を持っている学生って、強烈な原体験を持っている学生くらいかなと思っている。
 自分も、確かに学生時代から漠然としか考えていなかったし、何ならやりたいと思うことも特になかった
 ただ、やるとなったことは全力でやってきたし、社会人になってもずっと全力でやってきた。全力でやって成果を出そうと試行錯誤(かっこよく言うとPDCAを回す)してきた結果、スキルも上がった・経験を積めたし、いろんなことを知り、いろんな人と出会い、いろんなことを感じた。そういう中で自然とやりたい事が決まっていったと思う。そういう方も多いのでは?と思っている。(もちろんキャリア教育とかの観点で正しいと思っているわけではない)。
 下記は、以前同志社の学生に向けてキャリア講演した時の資料の一部で、自分は完全に仕事から明確型だった。

図3

 Donutsの社長面接のときに、「社長として今後どういうことをやっていきたいのか?」と質問した時に、「最近の若い人は先を見すぎな気がする。学生時代の部活で準決勝戦っている時に、決勝やその先の事を考えて勝負してる?絶対に勝つ!と思って後先考えずに一生懸命やらない?」と言われたことがある。今なら何となく意味がわかる。やると決めたことを全力でやることで見えてくることも結構あるなと思う。実際、商社でもDonutsでも選んだ決断を全力でやってきた結果、今に至る。

 「動く時」と決めたときは、動く。そこで選択肢がたくさんあることに気づき、迷う。ただし、きちんと自分の中を整理すれば、3択くらいに絞ることができる。
 そしてこれは持論だが、絞った選択肢はすべて正解だと思っている。ただし、30点なのか60点なのか100点なのかはあるが、すべてプラスの点数。あとは頑張り次第でもっとプラスになる。そう思っている。あとの決断方法は感覚でも鉛筆転がすでも何でも良い(逆に決定打がないと思っている)。
 世の中で成功・活躍している人は、別にずっと100点の決断をしたわけではない。決断すべき時にきちんと判断して、決め切って努力を積み重ねたからだと思っている。

5.今後

 幸運なことに、数社内定をいただき、迷ったけど、先ほどの理論で、大阪に本社がある、レスタスという20名ほどの企業に決めました。
https://www.lestas.jp/
 6/1から正式joinなので、めっちゃ宣伝していきます笑

 また、転職活動に関しては、また別の機会に書きたいと思う。関西を盛り上げていくために、関西のITベンチャーを知ってもらいたいと思っているので。

 この1ヵ月は有給だったんですが、新型コロナでやることもないなと思い、次に行く会社と知り合いの会社を手伝っていたので、普通に週5で働いてました笑

 レスタスでIPOを目指しながら、今まで通り学生メインにキャリアの支援をし、関西全体を盛り上げていきたいと思います。(しばらく本業で忙しいですが)
 そして、今までお世話になった企業には、引き続き企業やプロダクトのファンとして、外部から応援したいなと思っています。

 コロナが収束しつつありますが、東京の方は東京に行ったときかオンラインで飲みましょう!関西の方は、ぜひフェースシールドつけながら飲みましょう笑

P.S. 余談ですが、退職することを「卒業」と言うことがよくありますが、卒業の要件って何なんやろ?会社が求める成果を残せたら卒業なのか?
わからないので、「中退」と思っている笑

#キャリア #転職の意思決定

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