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東野圭吾 「マスカレード・ナイト」読了

こんにちは、ジニーです。

随分と更新が止まってしまっていました。
ちょっと忙しい時期でしたね、また頑張って書いていきたいと思います。

久々の更新は読書感想です。
なかなか書けずにいましたが、この期間に読書はぼちぼち進んでおりまして、ため込んでしまっております。

今回は、東野圭吾さんの「マスカレード・ナイト」です。
前作の長編「マスカレード・ホテル」、短編の「マスカレード・イブ」に続くマスカレードシリーズ第3弾で、時系列的には「マスカレード・ホテル」の後になります。

本作は539ページにも及ぶ長編でしたが、相変わらず東野さんの小説はすいすいと読み進めてしまいます。

■まずは本作の簡単なご紹介


「マスカレード・ナイト」とは本作の舞台となるホテル・コルテシア東京で催されるカウントダウンパーティーの名称です。
その名の通り、仮装をしたパーティーに、殺人犯が現れるという密告を受けた警察が潜入捜査を行うという内容です。

前作「マスカレード・ホテル」では同じくホテル・コルテシア東京にて殺人事件が起こることが予想されるということで同様に潜入捜査を行っています。

そう、今回は警察による二度目の潜入捜査というところに面白さがあるのです。

本作はバディ小説の側面も持ちます。
ホテルのフロントに扮する刑事、新田。
ホテルのコンシェルジュを務める、山岸。
立場は違えど、仮面を被った相手と対峙する男女二人が事件解決に向け2度目のタッグを組むというものです。

読み進めていくと、「マスカレード」という面白さがジワジワとわいてきます。
ホテルに来る客というのは、その素性を上手に隠すべく仮面をかぶっているのです。
警察はその仮面を疑う。
ホテルマンはその仮面に気づきながらも客の演じる仮面に寄り添う。
まったくもってアプローチが違います。
その凸凹な部分が本作の面白みの肝でもあり、相容れない部分を持ちつつも互いの立ち位置から交点が見え、事件の真相に近づいている高揚感は中断がはばかられるほど没入できるポイントにもなっています。

■前作に加えられた「嫌われ役」的なエッセンス

前作からこのタッグは健在ですが、今回は徹底的に警察を邪魔扱いする生粋のホテルマン、氏原という存在が新しく追加され、
事件とは違うところで、どたばたとしていくさまも、ただのミステリー小説にとどまらない物語の重要なエッセンスになっています。

この氏原が、本当に曲者で、読んでいるこちらもストレスがたまるほど、優秀なホテルマンとしてお客様最優先の言動をとっていきます。
潜入捜査で情報を集めなければいけない刑事と、このホテルマンとの掛け合いも今作の見どころの一つですね!

■東野圭吾さんの物語を上手に収束させる筆力はすごい

やはり東野圭吾さんの各作品は、常にエンターテイメント性を帯びてますね。そして、グワーッと広げていった物語を上手に連動させながら収束させていく
筆力には、今回もただ舌を巻くだけでした。

あまり詳しく書くと、ネタバレしてしまうのでこの辺にしておきますが、読めば読むほどホテルマンとしては働けないなと痛感させられます。
そして、同時に良い客でいようとも感じますw


さて、本作は前作に続き映画化が予定されています。
こちらも楽しみですね。


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