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歌野晶午 『密室殺人ゲーム王手飛車取り』 読書感想

こんばんは、ジニーです。

今回は歌野晶午さんの「密室殺人ゲーム王手飛車取り」です。
歌野晶午さんといえば「葉桜の咲く季節に君を想うということ」が一番知られてると思いますが、その作品を読んでいる頃から本作は気になっていました。

■読み手を選ぶハードな設定

もちろん内容がだいぶハードなのは知ってましたが、なかなかに嫌な設定でしたね。

本作はネット上で繰り広げられるリアル推理ゲームが設定となっています。
つまり顔も名前も何も知らない4人が交代で出題者となり問題を出すのですが、リアル推理ゲームなので、実際に殺人を起こしているのです。
ようは、ゲームのために無作為に殺人を犯しているという集団になります。

多分この設定で受け付けられない人もいるのではないかと思います。
ただ、ミステリ作品として割り切ってみた時に、いくつもの謎解きを一つの作品に詰め込んだような贅沢な内容になっているのも事実です。

■一方で謎解きのフルコースのような贅沢さ

謎解きに目を向けた時に、詰め込んだからと言ってレベルの低いものが用意されているかというとそうではなく、かなりハイレベルなものが用意されていて本当に贅沢な内容なんです。

さらに、どんでん返しのような展開も用意されていて、読み手を徹底的にミステリの沼に引きずり込んでくれます。
あとあと読み返すと伏線もちゃんと張られているしなんかもう、やられっぱなしだなと感じてしまいました。

確実に読み手を選ぶ作品だと感じますが、ミステリと割り切れる人なら一度は読んでみて損はないと思います。
とことんミステリに体も脳みそも預けたい方はぜひ手に取ってみてください。

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