ビートルズの旅（インド編）⑯
２０２４年３月１８日（月）「藤本国彦と行くビートルズの旅（インド編）」は６日目を迎えた。ジャイプールは２日目。
まず市内観光をしたのだが、ビートルズ関係ということでいうと、ポールが当時つきあっていたヘザー・ミルズのための贈り物を注文に訪れた宝石店がジャイプールにある。GEM House （6, Dashera Kothi, Govind Nagar Ext, Amer Rd, Jaipur, Rajasthan 302002）という店である。
４０年以上の歴史を持つ宝石ショップだ。
まず、チャールズ英皇太子・ダイアナ妃の写真が目に入って来る。そう、英国のロイヤル・カップルがこの店を訪れていたのだ。
ジャイプールは宝石で知られるインドの観光地である。
そして、気が付かない人もいるかもしれないが、その下にポールがこの宝石店に来た時の写真が飾られている。ヘザーにサプライズでプレゼントするために一人で注文に来たらしい。
１９９８年に愛妻リンダを失ったポール。独り身のポールに接近してきた女性の一人にモデルのヘザー・ミルズがいた。地雷反対運動などをするヘザーにポールは共感を覚えたらしい。２００２年に婚約を発表し、後に結婚。
２００３年には娘ベアトリスが生まれる。しかし、生活のすれ違いなどが原因で２００６年に別居し、法的な争いもあったが、離婚が２００８年に認められて、正式な離婚が成立した。ポールにとっての「黒歴史」である。
しかし、当時はまだ熱々だったポールとヘザー。ポールはジャイプールに彼女と旅行に来た。２００１年の『Driving Rain』には「Riding into Jaipur」という曲が収められており、ポールの喜びが歌われていた。
さて、時間を巻き戻そう。この日は朝から観光をした。
まず訪れたのは「風の宮殿」（ハワー・マハル）。１８世紀末に建設された。当時、女性は夫以外には「外の世界」を知らなかった。そのために彼女たちに「世の中」を勉強してもらおうと建てられた。
９５０以上の小窓があり、ここから宮廷の女性たちが自分たちが見られることなく外を見て楽しみ、そして「学ぶ」ことが出来たという。
風の宮殿という名称の由来は、小窓から風（ハワー）が通ることにより、暑い時でもそこの室温が涼しいままで保つことが出来るからだという。
次に訪れたのは高台にあるアンベル城だ。
ジャイプール郊外の城郭都市アンベルにある宮殿である。宮殿の後ろの惨状にじゃいがる城砦があって、そことは通路でつながっているという。
アンベルはかつてはアンベル王国の首都だった。ムガール帝国の第三代君主アクバル１世はイスラム教徒だったが、１６世紀後半にアンベール王の娘と、彼女たちはヒンドゥー教徒だったにもかかわらず、結婚した。
それをきっかけとして、アンベール王国と同盟関係を結び、勢力を拡大していったのである。１５９２年に本格的築城を始めた。そして１８世紀前半にジャイプールへと遷都するまで改築は続いた。
象に乗って城まで登っていく。登りきると見事なヒンドゥー教の建物がいくつも眼前に現れる。
そのうちの一つにはイスラムの影響かと見間違うような模様がある建物。鏡の装飾模様、つまり模様の裏に鏡が仕込まれており、わずかなロウソクの灯りでも鏡に反射することで、夜の「照明」になったという。
そして、王と妃たちの住まいもある。妃は４人いた。使用人たちはすべて中国の宦官のように男の機能を奪われていた。
王の戴冠式を行う建物もある。
次は「水の宮殿」だ。人工的に作られたマン・サガール湖の中央に浮かぶ。実際には５階建てだが、見えるのはその一部にすぎない。
これらの観光を終えてGEM Houseを訪れた後、一路アグラに向かった。
途中、Umaid Palaceというレストランで昼食。
再びアグラへ向かう。
途中で再度休憩を挟んで、午後７時過ぎにホテルに到着した。
「Jaypee Palace」という高級ホテル。夕食を取った。
明日は旅の実質的な最終日となる。
観光ではメインのタージ・マハールに行く予定。
ここはジョージも１９６６年に一観光客として妻パティやシタールの師匠ラヴィ・シャンカールらと訪れた場所でもある。
（続く）
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