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中米音楽ソカを聴いた!

 中米トリニダード・トバゴの音楽ソカを聴いた!
 日・カリブ交流年特別企画「カリブ海へ旅する映画祭」の最終日、2024年8月1日(木)にヒューマントラスト渋谷で上映された「「This is SOCA!」Machel Montano Live in Japan/マシェル・モンターノ ライブインジャパン」を観た・・・そして聴いた。
 トリニダード・トバゴ・カーニバル。世界三大カーニバルの一つだ。そのカーニバル音楽であるSoul of Calypso(Soca=ソカ)のアイコンとして君臨する歌手がマシェル・モンターノである。
 マシェルの発する言葉そう歌詞は音としてソカのヴァイブの一部になって全体の中へと自然に溶け込んでゆく。
 そのマシェルの初来日の際のライブステージの映像や彼をはじめとするソカあるいはカリプソを代表するスターアーティストたちの証言から成る映画で、日本では初上映だった。


 ソカは日本ではなじみの薄い音楽だ。映画ではさまざまな表現でこの音楽のことが語られるー「ヴァイブ(振動)」「インドとアフリカの音楽の融合」「解放の象徴」「笑顔のブルース」などなど。
 しかし、一番分かりやすいのは「現在のカリブの音」だろうか。
 カリプソのほうが知られていると思う。カリプソは明るくメロディアスな印象があるのに対し、ソカはとにかくリズム重視、つまりメロディよりもリズム、リズム、リズム、踊るのに最適の音でありヴァイブなのだ。
 1970年代からある新しい音楽だそうだ。
 現地ではもはやレジェンドであるマシェルが日本で初めて滞在したのが高知だった。よさこい祭りに参加。マシェルは感動するのだ、「日本のトリニダード・トバゴ・カーニバル」に。
 「その日本の伝統的祭りがソカと融合したのは当然のこと。表現したいことが似ているからだ」との発言があったのは興味深い。

マシェル・モンターノ


 なぜ高知だったのかといえば、日本におけるソカの専門家でマシェルの来日にも深くかかわった日本人の出身地だったかららしい。
 高知では地元料理に舌づつみをうち、芸者さんたちと交流し、滝に打たれるなど、高知ならではの経験をしたマシェル。
 それからマシェルは名古屋に移動し、そこで「ソカ・ショー」を開いた。小ぶりなライブハウスでのライブだが、彼が歌う前には多くの観客、ほとんどが女性だが、みんな歌いながら踊りまくった。
 そしてほぼみなが片手にトリニダード・トバゴの国旗のタオルを持って、それを振り回しながら、歌い踊る。
 それがスタイルなのだそうだ。
 名古屋のあとは東京へ。ここでも観客たちを熱狂の渦に巻き込んだ。
 歌われたのは「Congo Man」「Jambie」「She Ready」「Bottle of Ram」「Sound Bang」「Ministry of Road」「Advantage」など。
 そして、マシェルが「Wine」という言葉を口にすると観客らは興奮する。飲み物のワインのことではなく、腰をセクシーに回すワインニングのワインだという。ステージでステージの下でみながワインした。


 マシェルは1974年にトリニダード・トバゴのポートオブスペインに生まれた。幼少期から音楽の才能を示し、1982年、7歳でその音楽キャリアをスタートさせた。87年にはバルバドスで開かれたカリビアン・ソング・フェスティバルで優勝。
 内外でライブを開き活躍。2008年には「2007年ボブ・マーレ―・エンターテイナー賞」、「2007年ベスト・カリプソ/ソカ」などを上昇した。このほかにも多くの受賞歴がある。アルバムも多数リリースしている。
 マシェルはソカを国際的に広めたいという夢を持っている。

 「カリブ海を旅する映画祭は8月2日(金)から8日(木)まで大阪のテアトル梅田で開催される。

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