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「なごり雪」50年ライブ

 1975年の大ヒットにしてエバーグリーンな輝きを放ち続ける名曲「なごり雪」。その歌を作った伊勢正三さんとヒットさせたイルカさんのジョイントライブが2024年5月26日(日)、渋谷公会堂で開かれた。
 「伊勢正三&イルカ 「なごり雪」50周年スペシャル」のツアーは同年5月18日に神奈川県茅ケ崎市でスタートした。
 春の雪降る光景のもと男女の情感溢れる心模様を描いた名曲「なごり雪」が大ヒットしてから50年。正やんがかぐや姫時代に書いた作品。発表当初から名曲の誉れ高かったが、かぐや姫としてはシングルカットしなかった。
 同じく正やん作の「22歳の別れ」とともに「正やんが独立した時のためにとっておくように」と南こうせつさんが言ったとされる。
 イルカさんが1975年11月に「なごり雪」をカバー。そのシングル盤は大ヒットし、今やイルカの代表曲である。

 コンサートは正やんの歌で始まった。
 イルカが挨拶した。「みなさまようこそ。こんにちは」。そして正やんのことを「伊勢の正三氏です」と紹介した。
 正やんが「50年あっという間ですね」というと、イルカさんは「ような」と答えた。「今日は裏のテーマは青春です。表は「なごり雪」だけど」と正やんがこの日のライブについて説明した。
 ここでイルカさんは「海岸通」を歌った。これは正やんが作詞作曲して彼のグループ「風」のファーストアルバムに収録した作品。正やんも海の歌を披露してトークに入った。
 正やん「僕は九州の海辺の育ちなんです」。
 イルカさん「鎌倉で3歳まで育ちました」。
 「私、出身どこですかって聞かれる時「東京じゃないですよね」って言われるんです」とイルカさんがいうと、正やんは「決まってるじゃない、イルカさんはサラダの国だよ」とジョークを飛ばした。

イルカが正やんと会ったのは19歳の時
 イルカさんが正やんと会ったのは19歳の時だったという。正やんがかぐや姫に入る直前だった。イルカさんは南こうせつさんから「凄い才能がある人呼んだんだよ。紹介するからって話があったんです」といわれたという。
 ここで「サラダの国から来た娘」をイルカさんが披露した。


 イルカさんは国際自然保護連合の親善大使を務めている。ここで「ひとりにひとつずつ大切ないのち」と歌った。「まあるいいのち」だ。
 ここでかぐや姫時代の曲で正やんが作詞、こうせつさんが作曲した「好きだった人」を正やんが歌った。途中のブリッヂで堺正章さんの「街の灯り」を挟むアレンジを聞かせてくれた。
 正やんがかぐや姫に入った時、グループは「酔いどれかぐや姫」をヒットさせていたので「コミックバンドに入ったという認識だった」という。「今考えるとパンクでしたね、かぐや姫は」。
 バンドメンバーの紹介が終わると、イルカさんはデビュー曲「あの頃のぼくは」を歌い、前半の締めは正やんによる「なごり雪」だった。アレンジはオリジナルのかぐや姫バージョンだった。

 休憩を挟んで後半がスタートした。
 スポットライトを浴びてイルカさんが現れた。
 メイド喫茶の店員のようなコスプレだ。
 そして一言「古希プラススリー(3)」。
 ひとしきり年齢の話をした後で「人生フルコース」という作品を歌った。 
 イルカさんは25歳のお孫さんとYouTubeをやっているという話をした。
 そして2年前に出たアルバム『うたのこども』から2曲ー「時のしおり」と「うたのこどもたち」を披露した。

 歌い終わると正やんがステージに戻って来た。
 「すごく懐かしい歌です。喜多條(忠)さんの詩の本を読んでいて、その詩にすぐ曲が出来たんです」と話してから正やんが歌ったのは「星空」。
 次に歌ったのは「ほんの短い夏」という作品だった。

マスコミが言った「伊勢正三復活」
 「バブルの頃、10年くらい表に出ない時があって、制作はしていたんだけど、そして「ほんの短い夏」が出ると「伊勢正三復活」とかいわれたんです。辞書で「復活」をひいてみると「死んだ人が生き返ること」って。30年前のことです」(正やん)。
 続けて「あの歌はもう歌わない」。
 歌い終えるとイルカさん再登場。
 ここで披露したのが「雨の物語」(77)。これは当時ヒットした。
 次に正やんが「22歳の別れ」を歌った。かぐや姫時代に正やんが書いてソロになってからのグループ「風」がヒットさせた名曲だ。
 本編の最後はイルカさんによる「なごり雪」だった。
 アンコールの最後は正やんの「ささやかなこの人生」。正やんはエレキ・ギター。会場が一体となり大きな拍手に包まれた。


 
 このツアーの今後は:2024年6月2日(日)に埼玉県のサンシティ越谷市民ホール、9日(日)にアクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)大ホール、15日(土)に仙台銀行ホール(イズミティ21)大ホール、23日(日)に川商ホール(鹿児島市民文化ホール第1ホール)、7月6日(土)に「なら100年会館」、13日(土)に佐賀県の鳥栖市民文化会館、15日(月・祝)に那覇文化芸術劇場なはーと大劇場、21日(日)に愛知県のNiterra日本特殊陶業市民会館フォレストホール、28日(日)に山口県のKDDI維新ホールで開かれる。
 詳細は公式ホームページまで。イルカ公式サイト (iruka-office.co.jp)

 

(冒頭の写真はイルカさんのXからです)


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