十二:『欠けているモノ』
「教頭先生、最近の若者にはろくな奴がいない。そうは思いませんか?」
「まあまあ。どのようなところが、そう感じるのですか?」
「やる気がないとか、変に悟っているとか、ネットの影響か分かりませんが、相手を思いやる気持ちがなかったり……」
「ふーむ……そうですね。確かに少し『欠けている』という感じはしますね」
「欠けている、ですか」
「ですが、『若者』で一括りにしてはいけませんよ。それに、そういった生徒にこそ、我々教師が手を差し伸べなくてはね」
「いやはや。さすが教頭先生。教師の鑑