建築構造屋さん

建築の構造設計を仕事にしている中堅の設計士です。最近独立開業しました。 構造設計の情報…

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建築の構造設計を仕事にしている中堅の設計士です。最近独立開業しました。 構造設計の情報や技術について、書いています

最近の記事

自分の単価はいくらか?

建築士として自分の単価がいくらか位か、意識されてますか?? ある程度経験を積んだ建築士であれば、 月100万、年間1200万位が売上の一つの目安とよく聞きます。 これは会社の売上なので会社経費などを差し引いて、給料にすると年収600万位だと思います。 例えば月100万、20日稼働として100万/20日で1日5万円。 自分の仕事が5万円を超えているかどうか常に意識していると、この仕事が利益が出ているのかどうかの一つの指標になると思います。 (仕事は利益だけでは無いですが、利

    • 銀行でお金を借りること

      創業前は、借金は怖いし出来るだけ自己資金で頑張り、どうしても足りなくなったら銀行から借りる、というイメージを持っていました。 でも色々な税理士さんの動画を見ていると、どうも逆みたい(;^_^A。 お金に余裕があるときに借りておく、お金が無くなってからは銀行は貸してくれない。。。。 自分でも銀行員の方と話していて、同じ印象を持ちました。 まさに「晴れた日に傘を貸してくれる」を実感します! 具体的に、創業したばかりの方は日本政策金融公庫に相談に行くのがよさそうです。民間では

      • 地震時での床面内せん断の検討

        1.床面内せん断力 下の図を参照下さい。X加力の地震時での検討です。RC架構の想定です。 EW(耐震壁)は大きな地震力を負担するので、床面を介してせん断力が移行してきます。これが床面内せん断力です。 2.床面内せん断力の力の流れの向き 力の流れとしては、2FはY1,Y3通りにEW(耐震壁)があるので、RF床面にEWに向かって赤矢印の方向に面内せん断力が生じます。 逆に1FはY2通りにEWがあるので、2F床面にRFとは逆向きに面内せん断力が生じます。 3.床面内せん断力

        • 独立編2-創業計画書を書いてみる

          1.創業計画書? 前回、独立の準備について書きましたが、続きです。 独立半年前に、自治体の創業支援相談を受けましたが、そのとき相談員の方から、創業計画書を書くことを進められました。 はて?創業計画書?と思いました(^_^;)。 勧めのままに、私は政策金融公庫が審査に使う創業計画書をベースに作ってみることにしました。 2.具体性の説明 書いてみるとこれが、意外と書けないです。。。 なぜ創業したいかや、これまで何をしてきたか、自分のセールスポイントは?などはまだ書けます。

        自分の単価はいくらか?

          独立するまでの準備と流れ

          私、法人の設計事務所を設立しました。 その準備の中で気づいたことや知ったことを、 今後独立を考えている方の参考のために書いてみます。 1.法人登記 法人を作るには法人登記が必要です。 登記には申請書類がたくさんあります。昔であれば司法書士さんに頼むことが多かったと思います(依頼の報酬は多分20万位)が、私は「マネーフォワード会社設立」を使いながら自分で書類を作りました。 費用はたったの5000円。サイトの作りもわかりやすくて、流れに沿って入力していけば申請書類が自動的に出

          独立するまでの準備と流れ

          層せん断力Qと各階地震力Pの違い

          層せん断力Qと各階地震力Pの違いについて、書きました。 基準法では各階の層せん断力Qiを求める式が規定されています。 Qi=Co×Ai×Z×Rt×ΣWi  Co:せん断力係数、Ai:地震力の高さ方向の分布係数、Z:地域係数、  Rt:振動特性係数、ΣWi:当該階より上階の重量 勘違いしやすいのですが、Qiは外力では無いです。 各階の外力はPiです。 Piは各階震度Ki×各階重量Wi(=各階加速度ai×各階質量mi)です。 物理的には各階Piを求めてPiの累計がQiになる

          層せん断力Qと各階地震力Pの違い

          現行基準と耐震診断基準の比較

          簡単な1層モデルで、現行基準と耐震診断基準で耐震性を比較してみました。 前提はQu/Qun=1.0とIs=0.6が同等の耐震性としています。 Ds0.3とF =2.0が概ね同じ変形性能、という結果になっています。

          現行基準と耐震診断基準の比較

          RC3次診断の壁の浮き上がり

          3次診断は連層壁の浮き上がりも考慮します。壁が浮き上がる時のせん断力の算定例です。境界梁無し、有りの例です。 以前は壁のせん断力を手計算で求めて、一貫に入力してました。

          RC3次診断の壁の浮き上がり

          実務でよく使う力学公式1

          簡単だけど実務でよく使う力学公式を書いてみました。 1.せん断剛性Ksの算出式  主にRC壁のせん断剛性算出で使う式です。 2.軸剛性KAの算出式  主に柱の軸剛性算出で使います。また杭の鉛直バネを設定する時に杭体の軸剛性算出でも使います。 3.壁のブレース置換  1と2の組み合わせです。RC壁と等価なせん断剛性を有する鉄骨ブレースの断面積算出で使います。また角度の異なる鉄骨ブレースの等価断面積(例えばK型を×型に置換)算出にも応用できます。

          実務でよく使う力学公式1

          免震と耐震の違い

          基本的な免震と耐震の違いです。 ・免震ピットをつくるために免震の根切は耐震よりも1層増えます。 ・免震は水平クリアランスと擁壁が必要なので、敷地境界からの躯体の離れが耐震に比べて+1m程度必要。 ・EVピットは免震側からの吊り構造となります。

          免震と耐震の違い

          告示免震(免震層の等価周期とせん断力算定)

          告示免震の本を読んで知ったことをまとめていきます。非常に基本的なことです。 免震層の設計限界変形δSを設定することで、等価周期Tsが求まり、Tsを基にせん断力Qが求まります。δsはアイソレータの場合は限界変形400%の2/3程度で250%とすることが一般的のようです。

          告示免震(免震層の等価周期とせん断力算定)

          はじめまして

          はじめまして。 建築構造屋と申します。構造設計の仕事をしております。最近構造設計事務所を設立して独立しました。 普段の仕事で知ったことや勉強したことをメモ書きとしてまとめていきたいと思います。読んでいただけると嬉しいです。 ※書き込み内容については注意して書きますが、自分の知識や経験を基にしておりますので、誤りや認識違いがあることもあります。その場合はどうぞご指摘下さい。

          はじめまして