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わたしはパズルのピース ②

ところが...

みんなありのままで素晴らしく
各々が自分の凸凹を認めていたはずなのに
いつからか
他のピースのことばかり気にするようになり
他のピースとの比較をし始めてしまったのです。

「あのピースの凸はすごいな、わたしもあんな凸にならないと!」
「わたしの凹ってかっこ悪い、わたしもみんなと同じ凹がいい!」
「あのピースは真ん中のポジションでずるい!」

どこからかそんなささやきが私の耳にも入って来て
次第にわたしも周りの声に影響され周りのピースのことを
気にし始めるようになってしまったのでした。

「あ~ぁ...なんでこんな形のピースで生まれてきたんだろう」
「あのピースに負けない凸になろうとしてるのになれない…
ほんとわたしってだめだな」
なんとか頑張って努力してみたけれど
ちっとも他のピースのようになることができませんでした。
そしてだんだん自分のことが嫌いになり始めていました。

ある日
パズルの持ち主であるT君がパズルを始めようとバラバラにした時に
パズルの角のポジションにいるピースちゃんを見かけました。
頑張ってもどうにもならないストレスもたまっており
ふいに
「あなたは自分のポジションどう思う?」
と、ぶしつけな質問をしてしまいました。
すると
「私はここが好きだけど…」
「すみっこって目立たないじゃない」
「わたし目立つの嫌だし…
 わたしってね、周りにたくさんピースがいるとこよりもすみっこが落ち着くの」
「えっ⁉そうなの?」
「だって周りに気を遣うじゃない」
「あなたは自分のポジションが嫌なの?目立つところがいいの?」
「...。うん…みんなの注目の的でかっこいいし…」
「そんなふうに思ってたんだぁ、でもわたしは
 あなたのそのポジションとあなたのピースの形がとてもマッチしていて
素敵だなぁっていつもすみっこから見てたのよ」
「あ、ありがとう...」

そんなこと言われるなんて思ってもいなかったから
ちょっとびっくりしたと同時に
ほわん。。。とあたたかな気持ちになり正直うれしかった。

すみっこのピースちゃんはちゃんと自分のことわかってて認めてるし
私のこともちゃんと見てくれてて認めてくれてるのに
わたしってちっとも自分のことわかってない...

ピースちゃんの言葉で初めてそんなことに気づいたのでした。







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