ふと彼女からメールが届いた。
「ネジの足りない出来損ないが優秀に見えてしまう主人公パワーはスゴいと思う」
何があったのだろうか。こちらは仕事中なのだが。
「ちなみに、映画では毎回改心するイジメっ子は主人公補正によるもの? それともネコ型ロボットによる何か?」
返信する間もなく立て続けに送られてくるメールは恐らく彼女の中の考えを忘れないためのメモ代わりなのだろう。
それでも語尾がハテナマークで終わっている以上、返信はするべきか。
仕方がないので一言返すと、すぐに返信がきた。
「制作側による、観客を感動させる為の陰謀だよ」
「なるほど。さすがだ。よくぞ見破ったな」
君は何処の誰なんだ。
了
もくじ
マガジン